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ハーフタイムでチームを鼓舞して逆転勝利に拍車をかけたバッカニアーズRBフォーネット

2021年11月30日(火) 15:20

タンパベイ・バッカニアーズのレナード・フォーネット【AP Photo/Michael Conroy】

タンパベイ・バッカニアーズのランニングバック(RB)レナード・フォーネットの増え続ける呼び名に、今回新たに“ロッカールーム・レニー”を加えよう。

フォーネットはインディアナポリス・コルツ戦で38対31の勝利に貢献しただけではなく、ハーフタイムの時点で2桁差をつけられていたチームに活力を与えた。フォーネットがハーフタイムに行ったスピーチは昨季のスーパーボウル優勝チームを活気づけたのだ。

『ESPN』のジェンナ・レインによれば、フォーネットは「“意志と欲求を持たないとダメだ。すべてのリスクを負う覚悟を持つんだ。プレーごとに勝ちたいと思わきゃいけないし、どんなプレーでも戦いたいと思わなきゃ”って話したんだ。みんながメッセージを理解してくれて、全力でプレーしたのさ」と語ったという。

“プレーオフ・レニー”や“スーパーボウル・レニー”と呼ばれるフォーネットにとって、これは単なるメッセージではなかった。フォーネットはキャリー17回で100ヤード、タッチダウンラン3回を記録し、さらにキャッチ7回で31ヤード、タッチダウンパス1回も決めている。

1試合でランとパスを合わせて4回のタッチダウンを決めるという記録はフォーネットにとってキャリアハイであり、今季通算タッチダウン数(8回)はすでに2020年シーズンを通しての記録(6回)を上回っている。

精彩を欠く攻撃を見せていたバッカニアーズは相手を24対14で追いかける展開でハーフタイムを迎えていた。

フォーネットは「みんなのエネルギーが低下している雰囲気が伝わってきた。それに加えて、俺たちはそこで尻を叩かれている感じでもなかったんだ。ちょっとしたことが原因でリードを奪えなかった。だから、みんなが力を発揮するのを後押ししようとしたんだ。うまくいってよかった」とコメント。

第3クオーターにディフェンスが連続してターンオーバーを奪い、オフェンスが連続してタッチダウンを決めたことで流れが変わっていった。コルツがパントを失敗した結果、バッカニアーズがフィールドゴールで得点を挙げる場面もあった。ハーフタイムでは10点差をつけられていたにもかかわらず、第4クオーター序盤には7点差でリードしている。

チームメイトはフォーネットの掛け声が自分たちの気持ちを盛り上げてくれたということに同意しているようだ。

ラインバッカー(LB)シャキール・バレットは「ヤツは確実にみんなを興奮させるようなことを言ったんだ」と語り、こう続けている。「俺たちが特別なグループだと言った――それこそ自分が戻ってきた理由の1つだって。しかも、俺たちは特別なグループらしくプレーできるって分かっている。あとはそれを見せるだけだ。それを見せて、行動に移すだけだった」

「ハーフタイムに語りかけてみんなの気持ちを盛り上げてくれた。その後、試合に出て有言実行したんだ。試合の最後にヤツがやり遂げてくれたことに感謝している。試合中、ずっと良いプレーをしていたからね。あれが俺たちにとっての勝負の分かれ目だった」

タイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーは「素晴らしかった。みんなを興奮させたんだ。試合に出て実行にも移して、レニーがどれだけ尊敬されているのかがよく分かったよ」と語っている。

「前半は活気がなかったと思う。エネルギーが感じられなかった。後半はチーム一丸となってプレーしたよ――ディフェンスもオフェンスも――ディフェンスがターンオーバーを量産してオフェンスが得点を重ね、レニーが見事にボールを動かしてチーム一丸となってがんばった。そして、アウェーでのああいう勝ち方はプレーオフを狙える勝利だったと言える」

この1カ月間、昨季スーパーボウル覇者は勢いを失っていたが、日曜日の逆転勝利で調子さえ良ければまだまだ力を発揮できると証明した。これまでにクオーターバック(QB)トム・ブレイディが率いてきたチームのように、バッカニアーズが12月に最高のプレーを見せることができれば、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の他チームにとって恐ろしい存在となるだろう。

【RA】