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TEキトルの活躍によりベンガルズ戦を制した49ers、プレーオフに向けて一歩前進

2021年12月14日(火) 12:01

サンフランシスコ・49ersのジョージ・キトル【AP Photo/Aaron Doster】

崖っぷちから這い上がってきたサンフランシスコ・49ersは現地12日(日)に開催されたシンシナティ・ベンガルズ戦で延長戦の末に26対23で勝利。カイル・シャナハンHC(ヘッドコーチ)率いる49ersは7勝6敗となり、現在6勝のチームがひしめく中、1ゲーム差でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の第6シード獲得に一歩近づいた。

日曜日の勝利の鍵を握ったのはタイトエンド(TE)ジョージ・キトルだ。ナイスプレーにナイスプレーを重ね、目を見張るような活躍をしたキトルの功績をまとめてみよう。

キトルはターゲット15回でキャッチ13回、151ヤード、タッチダウン1回をマーク。その多くは“一体何をしたんだ!?”と言いたくなるようなプレーだった。クオーターバック(QB)ジミー・ガロポロがビッグプレーを必要としたときは常にキトルがターゲットになっている。

チームの公式サイトによると、キトルは「シャナハンコーチに名前を呼ばれたら、そこに行って実行するしかないと思っている。チャンスがあれば、とにかくプレーするしかないし、幸いなことに、今夜はできなかったことよりも、できたことの方が多かった」と語ったという。

第4クオーター終盤にフィールドゴールで勝負を決める可能性を高めるために、キトルはとんでもない跳躍力を発揮してキャッチした。キッカー(K)ロビー・ゴールドのミスにより延長戦に突入した後、49ersがリードしているときにガロポロは第3ダウンでキトルに目標を定めた。キトルはピンポイントのパスをスライディングキャッチして第1ダウンを更新。その次のプレーでワイドレシーバー(WR)ブランドン・アイユークがタッチダウンキャッチを決め、49ersに軍配が上がった。

アイユークはキトルについて「あいつは別格だ。第3ダウンでのビッグプレー、フィールド全体でのプレー。(中略)特別なヤツだ。本当に特別だ」と語っている。

ガロポロは「今日はジョージが活躍してくれた。本当によくやった。ヤツのように頼れる選手がいると、クオーターバックとしてはうれしい限りだ」と付け加えた。

キトル不在の間に1勝2敗、全体を通しての戦績を3勝4敗としていた49ersは、キトルがシーズン第9週にケガから復帰して以来、立て直しを図ることができた。キトルが戻ってきてからの戦績は4勝2敗となっている。

特に直近2週間でキトルは攻撃陣を先導している。日曜日に記録した13回のキャッチはキトルにとって今季の最高記録であり、キャリアを通しても2番目に多いタイ記録となった。先週に行われたシアトル・シーホークス戦では敗れたものの、レシーブ9回、181ヤード、タッチダウン2回をマーク。また、キトルはNFL史上初めて2試合連続で150以上のレシーブヤードと1回以上のタッチダウンキャッチを決めたタイトエンドとなった。この偉業は2019年シーズン第8週から第9週にかけてWRマイク・エバンスが記録して以来、初めて達成されたものだ。

シーズン第9週に故障者リザーブ(IR)から復帰したキトルは、タッチダウンキャッチ6回を決めてNFLをリードしており、1シーズンで獲得したタッチダウン数でキャリアハイを更新している。

ベンガルズはキトルの勢いを抑えることがいかに難しいかを痛感しただろう。

ベンガルズのザック・テイラーHCは試合後、「あれだけ爆発力があり、体格がよく、手を使えて、キャッチできる範囲が広ければ、多くのプレーができる。本当に、われわれはテイクアウェイしようと必死になっていたのだが、彼はいろんなプレーを繰り出す方法を見つけるのだ」と嘆いている。

この勝利により、49ersは今季4試合を残してNFCの第6シード獲得に近づいた。圧倒的な力を持つ守備陣と多彩な攻撃陣を擁する49ersは、シーズン開幕に向けて期待されていたチームの形になったと言えよう。今後はアトランタ・ファルコンズ、テネシー・タイタンズ、ヒューストン・テキサンズ、ロサンゼルス・ラムズとの試合を控えており、あと数回勝利を重ねることで、49ersはポストシーズンに進出できるだろう。

【RA】