バッカニアーズQBブレイディに2006年以来の無得点を強いたセインツ
2021年12月21日(火) 11:19トム・ブレイディはスーパーボウルで7回優勝し、パスヤードとタッチダウンの数が誰よりも多いという史上最高のキャリアを誇っており、21年以上の輝かしいシーズンの中で無得点に抑えられたのは2回だけだ。
サンデーナイトの試合でサック4回、ターンオーバー2回に加えて終始フラストレーションの溜まる辛い夜を送ったタンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)ブレイディは、ついに3回目の無得点ゲームを記録することになった。
ブレイディは現地19日(日)の夜、バッカニアーズがNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区のライバルであるニューオリンズ・セインツに9対0で敗れた試合で、2006年以来初めて得点を挙げることができなかった。
この日にパス48本中26本成功、214ヤード、パサーレーティング57.1、インターセプトとファンブルロスを1回ずつ記録したブレイディは敗戦をこう振り返っている。「今夜は何もできなかった。何か一つならまだしも、いろいろなことがうまくいかなかった。点を取るためには攻撃的なフットボールのすべての面でより良い結果を出さなければならない。無得点で勝てるはずがない」
日曜日の夜にレイモンド・ジェームス・スタジアムでセインツのディフェンスが難攻不落であったのと同じくらい議論の余地がない主張と言える。
この日はバッカアニーズにとって2007年以来となるディビジョンタイトルを獲得するチャンスだったが、ブレイディ率いるチームはエンドゾーンにたどり着くことができなかった。バッカニアーズは合計302ヤードを記録し、セインツの212ヤードを上回っていた。一方でセインツはキッカー(K)のブレット・マハーが3つのフィールドゴールを決め、それが大きな違いを生むことになる。バッカニアーズが得点に最も近づけたプレーは、前半にKライアン・サコップが蹴った45ヤードのフィールドゴールだったが、これは左に大きく反れた。
その結果、この試合の前まではNFL内で最も得点力のあるオフェンスを誇っていた現スーパーボウルチャンピオンは無得点に終わっている。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、44歳でもまだ衰えを見せないブレイディが最後に無得点を喫したのは、2006年のシーズン第14週にニューイングランド・ペイトリオッツがマイアミ・ドルフィンズに敗れた時だという。ブレイディのキャリア初の無得点は2003年のシーズン第1週、敵地で行われたバッファロー・ビルズ戦で起きている。
それから何年も経ったいま、ブレイディは再び不満と戸惑いを抱えることになった。
バッカニアーズが最後に無得点に抑えられたのは2012年のシーズン第15週、この時も相手はセインツだった。これでバッカニアーズはレギュラーシーズンでセインツに7連敗を記録している。
良いニュースは、バッカニアーズがそれでもなおNFC南地区をリードしており、NFCの第3シードにつけていること。悪いニュースは、4試合連続で30点以上を獲得していたオフェンスが無得点に終わり、バッカニアーズディフェンスの素晴らしいパフォーマンスを無駄にしてしまったこと。そして最も憂うべきは負傷者が続出していることで、日曜日の夜にはランニングバック(RB)のレナード・フォーネットとワイドレシーバー(WR)のマイク・エバンスとクリス・ゴッドウィンがケガを負っている。
試合中のブレイディは想定される通り、タブレットを壊すくらいにイライラしており、試合後は予想通り短く単刀直入なコメントを残した。
「とにかく厳しい試合だった。何もできなかった。だからもっともっと良くならなければならない。しっかりと自分たちの仕事をしないとダメだ。まだまだフットボールをプレーする機会は残っているから、来週は勝利を狙いたい」
ブレイディとバッカニアーズはシーズン第16週にカロライナ・パンサーズと対戦する。そこで彼らはディビジョンタイトルを確定させ、2週間分の得点を挙げて史上最悪のオフェンスとなった夜の悔しさを晴らそうとするだろう。
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