勝利を誓って守備陣にボール奪還を求めたレイダースQBカー
2021年12月22日(水) 14:31人手不足に陥っているクリーブランド・ブラウンズがマンデーナイトにラスべガス・レイダースをリードした際、残り時間は4分を切っていた。クオーターバック(QB)ニック・ムレンズが第4ダウンでタイトエンド(TE)ハリソン・ブライアントにタッチダウパスを投じ、ブラウンズが1ポイントリードしたのだ。
初めて追いかける展開になったレイダースのQBデレック・カーは、貪欲(グリーディ)にファーストダウンでディープショットを打つものの、クリーブランドのグリーディ・ウィリアムスにインターセプトされる。ベテランQBの不適切なスローにより、レイダースのプレーオフのチャンスはほぼ消えかけていた。
『The Associated Press(AP通信)』によれば、カーは「あのインターセプトの後、皆に言ったんだ。“俺たちは勝つと約束する。ただボールを取り戻してくれ”って」と話したという。
そして、守備陣は実際にボールを取り戻して見せた。第3ダウン残り3ヤードのプレーでランニングバック(RB)ニック・チャッブを足止めしたレイダースは、最後のタイムアウトを2ミニッツウオーニングの前に使っている。
残り1分50秒で命をつないだレイダースとカーは、ホールディングのペナルティを乗り越えつつ、8プレーと51ヤードのドライブでキッカー(K)ダニエル・カールソンが48ヤードのウイニングフィールドゴールを決めるチャンスをつかんだ。試合が終了したとき、レイダースが16対14で勝利を収めている。カーはこのドライブでパスを6回中5回成功させ、ワイドレシーバー(WR)ゼイ・ジョーンズへの15ヤードのパスでフィールドゴール圏内にこぎつけた。
プレッシャーのかかる場面で冷静さを保ったカールソンは、疑いようのないキックを決めた。7勝7敗としたレイダースは、競争の激しいAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のプレーオフ争いに踏みとどまっている。
レイダースの暫定ヘッドコーチ(HC)であるリッチ・ビサッチアは「最後にこんな風に勝利を決める試合は久しぶりだ」と語った。
「われわれは自分たちのいる状況や、プレーオフ争いがどういった様相になっているかを理解している」
レイダースは残り3試合の時点で第10シードの位置につけており、プレーオフの最後の座まで1ゲーム差という状況だ。今後の試合相手は7勝7敗のデンバー・ブロンコス、8勝6敗のインディアナポリス・コルツ、8勝6敗のロサンゼルス・チャージャーズであり、厳しい戦いが待ってはいるものの、マンデーナイトの勝利で可能性はつながっている。
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