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ワシントンに快勝したカウボーイズオフェンスを「スランプ」だとはもう言わせないQBプレスコット

2021年12月28日(火) 12:45

ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【AP Photo/Ron Jenkins】

最近のダラス・カウボーイズオフェンスの苦戦をスランプに陥っていると定義した人も、単に能力を発揮できていないと定義した人も、サンデーナイトの試合でカウボーイズが核爆発のようにワシントン・フットボール・チームを56対14で破壊したことで、これらの問題が過去のものとなったことは誰もが認めるところだろう。

クオーターバック(QB)のダック・プレスコットはこの大勝のあとに、これまでのカウボーイズの苦戦を自ら「スランプ」と呼んだことはないとした一方で、「スランプ」と呼んでいた人たちには一言伝えたいことがあったようだ。

「いまはもう同じことを言えないだろう」とプレスコットはチームの公式サイトで述べている。

「スランプ」という言葉が当てはまるかどうかは別として、カウボーイズのオフェンスがうまくいっていなかったのは確かだ。シーズン第9週にプレスコットがふくらはぎの負傷から復帰して以来、カウボーイズのオフェンスはターンオーバーや間の悪い反則、ドロップ、ブロックミスなどが目立ち、一貫性のないオペレーションとなっていた。爆発力のある武器を持っているにもかかわらず、自滅を繰り返すオフェンスとしか言いようがなかった。

プレスコットは「スランプだとは思っていない。それはないな」と話す。「とはいえ、俺が最高のフットボールをできていなかったのも事実だ。でも同時に俺は自分にできることを継続して取り組み、周りの仲間を信頼し、レシーバーを信頼し、そのプロセスを大切にしてきた」

サンデーナイトの試合でカウボーイズは問題を解決し、自傷行為をやめ、AT&Tスタジアムで爆発的な盛り上がりを見せた。

この快勝でプレスコットは330ヤードとタッチダウン4つを記録して第3クオーターにはベンチに下がっている。プレスコットはふくらはぎを負傷して以来、初めて3回以上のパスタッチダウンをマーク。さらに、プレスコットは1試合でランニングバック(RB)、タイトエンド(TE)、ワイドレシーバー(WR)、オフェンシブラインマン(OL)のすべてにタッチダウンパスを投げたNFL史上2人目の選手となった。レギュラーシーズンの試合でこれを成し遂げたのは、1999年に殿堂入りしているロサンゼルス・ラムズのQBカート・ワーナーがミネソタ・バイキングスと対戦したNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のディビジョナルラウドで達成して以来となる。

プレスコットは前半だけで322パスヤードと4つのパッシングタッチダウンを記録している。ゴールデンタイムの試合で前半に300以上のパスヤードと4つ以上のパスタッチダウンを記録したQBは2000年以降で3人目となる。他の二人は2014年のシーズン第10週にシカゴ・ベアーズと対戦した時のグリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャースと、2003年のシーズン第16週にオークランド・レイダースと対戦した時のパッカーズのブレット・ファーブだ。

カウボーイズにとってはチーム全体による爆発だった。

WRアマリ・クーパー、TEダルトン・シュルツ、WRマリク・ターナーは3人とも80以上のレシーブヤードと1回ずつレシーブタッチダウンを記録し、WRシーディー・ラムとWRマイケル・ガラップも50以上のレシーブヤードを記録。カウボーイズオフェンスは全体で497ヤードを積み上げ、ファーストダウンを28回更新している。

ゴールデンタイムに行われた試合ではカウボーイズのオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームの全員が一つの試合で全力を尽くした時にどのような力を発揮できるかが明らかとなった。それは恐ろしいほど強い。

だが、プレスコットをはじめとするNFC東地区のチャンピオンたちは、数週間後にはもっと大きな山を越えなければならない。

プレスコットは「何らかのメッセージを発信することも仕事のうちなのかは分からないけど、俺たちはただ毎日、そして試合ごとに調子を上げていき、俺がずっと言ってきたように最高のフットボールをプレーして、プレーオフ中もここぞという時にピークを持ってくることができるようにしたいだけさ」と述べている。

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