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ドルフィンズが3シーズンで指揮官ブライアン・フローレスを解雇

2022年01月11日(火) 09:06

マイアミ・ドルフィンズのブライアン・フローレス【NFL】

レギュラーシーズン最終戦でニューイングランド・ペイトリオッツに33対24で勝利したマイアミ・ドルフィンズがヘッドコーチ(HC)のブライアン・フローレスを解雇した。

フローレスはドルフィンズを率いた3シーズンで24勝25敗の戦績を残し、プレーオフに導くにはあと一歩及ばなかった。

ドルフィンズのオーナーを務めるスティーブン・ロスは2021年にチームに期待した進歩が見られなかったと説明する。シーズン後半戦では7連勝と波に乗ったものの、それ以前の7連敗が響き、早い段階でポストシーズンへの道は薄れていた。

オーナーのロスは声明の中で「本日、ブライアン・フローレスと袂を分かつ決断を下した。組織としての自分たちの立ち位置、改善するために必要なものを評価した上で、われわれのフットボールの組織における重要なダイナミクスは私が望むレベルでは機能していなかったと判断し、この結論がマイアミ・ドルフィンズにとって最善の利益であると考えた。われわれには才能あふれる若いロースターがそろっており、2022年にはさらに良くなるチャンスがあると信じている。ブライアンのハードワークに感謝するとともに、彼の今後の活躍を祈りたい」と述べている。

現地10日(月)にもたらされたこのニュースは、何よりも権力闘争の産物だったかもしれない。オーナーのロスがアダム・ゲイス時代終盤の暗闇から抜け出せるようドルフィンズを導くために選んだヘッドコーチよりも選手の人事責任者を選んだことから、フローレスとジェネラルマネジャー(GM)を務めるクリス・グリアの間に漂っていた明白なフラストレーションと緊迫感は、フローレスの解雇によって本質的に悪化したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じている。

その詳細があったとしても、今回の解雇は驚きだった。フローレスは2019年にドルフィンズとの仕事を受けたが、フローレスのHC就任1年目にグリアはドラフト1巡目で指名してきたタックル(T)レアミー・タンシルをヒューストン・テキサンズに、セーフティ(S)ミンカ・フィッツパトリックはピッツバーグ・スティーラーズに送り出しており、チームは非常に流動的かつ、立て直しの難しさは増す一方のようだった。グリアはさらに、ドラフトの上位指名権をTオースティン・ジャクソン――新人タックルとして苦戦を強いられた後、2021年にガードに転向――やディフェンシブバック(DB)ノア・イグビノーガニーの指名に費やしたが、キャリア2年目を終えたイグビノーガニーは今のところ、上位指名に見合うだけの活躍を見せられていない。

ドルフィンズは2021年ドラフトで、タンシルとのトレードでテキサンズから取得していた1巡指名権を手放し、最初の指名は全体6位となったが、そこでワイドレシーバー(WR)ジェイレン・ワドルを選択。グリアが費やしたドラフト上位の指名権の中では今のところベストピックと見られている。

グリアにとって最大の空振りは試合において最も重要なポジション、クオーターバック(QB)に関するものだ。ドルフィンズは2020年ドラフト全体5位指名権をアラバマ大学出身のQBトゥア・タゴヴァイロアに投じたが、新人時代は落ち着きを得るのに苦労し、タゴヴァイロアの直後に指名されたクオーターバック、2020年攻撃部門最優秀新人賞を授かったジャスティン・ハーバート(ロサンゼルス・チャージャーズ)と比較して見劣りもした。2021年にはハーバートがチャージャーズをコンテンダーになるまでに導いた一方で、タゴヴァイロアは複数のケガに対応しなければならず、2年目のシーズンにいくらかの改善の兆しを見せたとはいえ、2021年シーズン前半、特に序盤は、グリアの思惑として、四面楚歌のQBデショーン・ワトソンのためにテキサンズにタゴヴァイロアと重要なドラフトの資産を移譲する可能性が示唆されており、これがタゴヴァイロアとフローレスにとってさらに状況を難しくしていた。

ドルフィンズは開幕戦でニューイングランド・ペイトリオッツを撃破するも、その後は7連敗を喫しており、クオーターバックの不安定さはその困難な状況の助けになるはずがなかった。タゴヴァイロアとフローレスはトレード期限が過ぎるまで、ワトソンやチームの将来の司令塔に関する質問に答え続けなければならなかったが、その期日が過ぎてからは、不確実性から解放され、7連敗から一転、7連勝を果たして8勝7敗と勝ち越しに成功している。シーズン第17週にはテネシー・タイタンズに大敗を喫してプレーオフ進出の可能性が消滅し、翌週のペイトリオッツ戦の勝利はオフシーズンに向けてチームの士気を高めるだけで意味のない勝ち星となってしまった。

フローレスがドルフィンズを無関係な位置から脱却させるために取り組んできた仕事は、シーズン第17週の不運な敗北で台無しとなり、レギュラーシーズン最終戦を終えた翌日の解雇に至った。

オーナーのロスは月曜日に開いた記者会見で、ドルフィンズの若手を有望だと強調しつつ、グリアの組み立てたロースターには優秀な選手がそろっていると主張していた。ロスは今後、フローレスに期待していた以上の仕事を全うできる候補者をグリアとともに探していくことになる。

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