物議を醸したベンガルズのタッチダウンシーンについてNFLはコメントせず
2022年01月16日(日) 18:00ジョー・バロウの特徴的なプレーが、とあるオフィシャルの明らかな行為によって物議を醸している。
現地15日(土)、シンシナティ・ベンガルズとラスベガス・レイダースが対戦したワイルドカードラウンドの前半終了まで2分を切ったタイミングで、ベンガルズのクオーターバック(QB)バロウが右側に移動し、サイドライン際でエンドゾーンにいたタイラー・ボイドに向かってタッチダウンパスを放ったが、ボールがボイドに向かっている途中に吹かれたように聞こえたオフィシャルの誤ったホイッスルにより、プレーが止まったと考えたレイダースの選手たちは直後に混乱した様子を見せていた。
しかし、バロウからボイドに渡ったタッチダウンパスはフィールドでコールされた通りになり、ベンガルズは20対6とリードを広げている。最終的に試合はベンガルズが26対19でレイダースを下し、31年ぶりにプレーオフで勝利を収めた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによると、リーグはこの件に関してコメントを出さなかったといい、『NBC』のルール専門家で元NFL審判のテリー・マコーレーは今回のようなプレーはリプレーで訂正できるものではないと指摘した。
NBCでの中継中、マコーレーは「あのプレーでタッチダウンはルール上ありえない」と語っている。
NFLルールでは、誤ったホイッスルが発せられた場合、ダウンはやり直すことになっている。ルール第7条セクション2(m)は「ボールがインプレーの際にオフィシャルが誤ってホイッスルを吹いた場合、そのボールは直ちにデッドとなる。(中略)そのボールが合法的なフォワードパス、フリーキック、フェアキャッチキック、スクリメージキックの結果によって生じたルーズボールである場合、ボールは前の場所に戻され、ダウンは再度プレーされる」と定めている。
ベンガルズのヘッドコーチ(HC)を務めるザック・テイラーは勝利後、全体の状況に関して口を閉ざし、「間違いなく、絶対に、ホイッスルは聞かなかった。絶対に、だ」とコメントした。
一方、レイダースのリッチ・ビサッチア暫定HCはNBCのサイドラインレポーターであるキャサリン・タッペンからこの結果について問われ、簡潔にこう返答している。
「われわれはそれを乗り越えなければならない。次の質問を」
ラスベガスの名誉のために言えば、レイダースは確かに問題のタッチダウンを乗り越えた。ハーフタイムまでの1分38秒に11プレーで80ヤードを前進、タッチダウンパスで締めくくり、20対13に点差を縮めている。
試合後、ビサッチア暫定HCはこのコールについて当初の考えを変えず、「いいクルーだろうと思う。試合ではどちらの意味でもいろいろなことがあった。自分の仕事に関しても十分な問題があるので、オフィシャルの仕事までやるわけにはいかない」と述べた。
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