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31年振りにプレーオフで勝利を挙げたベンガルズ は「まだ何も達成していない」とWRチェイス

2022年01月17日(月) 11:58


シンシナティ・ベンガルズのジャマール・チェイス【 AP Photo/Jeff Dean】

オフェンス部門の年間最優秀新人賞の有力候補は、現地15日(土)に圧倒的な強さを見せて功績をさらに積み上げた。

シンシナティ・ベンガルズがラスベガス・レイダースに26対19で勝利したスーパーワイルドカードウイークエンドで、クオーターバック(QB)ジョー・バロウが初めから頼りにしていたのはワイドレシーバー(WR)のジャマール・チェイスだった。ルーキーのチェイスは12回のターゲットのうち9回でキャッチを成功させ、チームトップとなる116ヤードを記録して勝利に貢献している。

これによってチェイスは、フランチャイズの持つプレーオフでの最多レシーブヤード記録(元WRクリス・コリンズワースが第16回スーパーボウルで記録した107ヤード)を更新。ワイルドカードラウンドに出場したルーキーとしては、シアトル・シーホークスのWRであるD.K.メットカーフ(160ヤード)とフィラデルフィア・イーグルスの元WR ジェレミー・マクリン(146ヤード)に次いで、3番目に高いレシーブヤード数をマークした。チェイスはさらに、ビル・グローマンとランディ・モスを抜いて、新人による1シーズン(プレーオフを含む)での最多レシーブヤード(1,571ヤード)を達成している。

それらは、いくつもの記録を打ち立ててきたルーキーにとって当然のことと言える。

チェイスは試合後に「誰が相手であろうと俺は毎試合そうだ」とチームの記者団に述べている。「俺は常に貪欲なんだ。止められるか、止められないかのどっちかしかない。誰も俺のことは止められないと思っている」

ベンガルズは1回目のオフェンスドライブでさっそく主導権を握り、バローが最初の4回のアテンプトのすべてでチェイスをターゲットに選んで3回のパスをつなぎ、いずれもファーストダウンに成功している。

ヘッドコーチ(HC)のザック・テイラーは「ジャマール・チェイスをターゲットにすることは常にゲームプランに組み込まれている」と話す。「無理にパスを出したことはない。他にも選択肢はあるから、そんなパスは一つもなかった。彼はチャンスを最大限に生かしただけだ」

土曜日の試合でチェイスは、そのようなチャンスを生かしてバックフィールドで珍しいキャリーも見せている。ベンガルズがスイープゲームを重視していたこともあり、チェイスはレイダースを相手に3回のランで23ヤードを稼ぎ、そのうちの2回でファーストダウンを獲得。チェイスは1950年以降、プレーオフの試合で100レシーブヤードと20ランヤード以上を獲得した3人目のルーキーとなった。

チェイスは「しばらくランニングバックはやっていなかった」と試合後に振り返る。「俺にそういうトスをくれたんだ。ラインバッカーにヒットされて久しぶりにその痛みを味わったよ。俺はランニングバックにも適した体格だ。ああいうプレーは、ランニングバックのような体格のレシーバーにしかできない」

レイダース戦でのチェイスはバローのバックショルダーパスを難なく受け止め、コーナーバック(CB)デズモンド・トゥルファントのようなベテランのディフェンスバックも引き離す姿はまるで真のスターのように見えた。

「1対1で俺から守ろうとすることが間違っている」とチェイスは『NFL Network(NFLネットワーク)』のアディティ・キンカブワラに述べた。

チェイスに対して次に1対1で守ろうとするチームはまだ決まっておらず、ベンガルズは現地16日(日)の夜にカンザスシティ・チーフスがピッツバーグ・スティーラーズに勝てばテネシー・タイタンズと、スティーラーズが奇跡的に勝利を挙げればバッファロー・ビルズと対戦する。次にどのチームと対戦しようと、チェイス率いるベンガルズは、31年振りにプレーオフで勝利を挙げたことや、歴史的なパスキャッチ記録を樹立しているルーキーの活躍に浮かれていることはないだろう。

「俺たちはまだ何も達成していない。ただ1勝しただけだ。これからまだまだ続く」とチェイスはキンカブワラに話している。

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