苦いプレーオフデビューもQBハーツの成長を称えるイーグルスHCシリアニ
2022年01月17日(月) 12:19フィラデルフィア・イーグルスのシーズン最終戦となったワイルドカードラウンドで、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツとイーグルス攻撃陣はタンパベイ・バッカニアーズに31対15での大敗を喫した。
2年目のハーツは進歩を見せ、イーグルスのポストシーズン進出を支えた。しかし、イーグルスは試合の最初からバッカニアーズに押されている。
NFLでナンバー1のラッシングオフェンスを擁して試合に臨んだイーグルスだったが、バッカニアーズのランディフェンスの前に最初の3クオーターを通じてわずか44ラッシングヤードに抑えられ、実質的に試合はそこで終わっていた。
QBトム・ブレイディとバッカニアーズを倒すために、イーグルスにはハーツが輝きを見せることが必要だった。しかし、ハーツは苦戦し、多くのスローに失敗している。ハーツはパス43回中23回成功(53.3%)、258ヤード、タッチダウン1回、インターセプト2回という成績にとどまった。
敗戦後に足を保護するためのウオーキングブーツを身に着けていたハーツ。足首の負傷はシーズン終盤に抱えてきたものだとしつつも、日曜日の苦戦をそのせいにすることはなかった。
「俺がどう感じていたかとは関係なく、俺たちの今日のプレーは十分じゃなかった。俺は今日、十分なプレーをしていなかった」と語るハーツは、オフシーズンに手術が必要にならないことを願うと続けている。
ハーツは時に、注意散漫になっているように見えた。良い状態のポケットから逃れてしまうことがあまりに多く、オープンなレシーバーを見過ごしていた。ディープなターゲットを外し続けており、ディープパスでは11回中2回成功、63ヤード、インターセプト1回となっている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、10エアヤード以上のパスでは21回中5回成功、100ヤード、インターセプト2回だったという。
ハーツはこの試合でプレッシャー19回、サック2回を受けた一方、8回のランによる39ヤードはイーグルスの地上戦でトップの数字だった。ハーツが稼いだパスヤードのほとんどは、イーグルスが31対0でバッカニアーズを追いかけていた、第4クオーターのガーベッジタイムに記録されたものだ。ハーツが喫した2回のインターセプトが、スーパーボウルチャンピオン相手に接戦を演じるチャンスを失わせている。
「自分たちの仕事を十分にできなかった。俺も自分の仕事が満足にできなくて、コミュニケーションや細かい部分で十分じゃなかった。もっとうまくやれたのは間違いない。チームとして担える部分は多いと思うけど、俺には自分の行動に対する責任がある」とハーツはコメントした。
ヘッドコーチ(HC)のニック・シリアニはハーツのプレーが今一つだったことを認める一方、若きQBが前進していくことにも自信があると話している。
「今日の試合については皆が認めるだろうが、彼は自分のベストのプレーをしていなかった。われわれ全員が知っている通りだ」と言うシリアニHCは次のように続けている。
「だが、人は彼が17週にわたってやってきた一連の仕事を考慮していないし――彼が2試合で振るわなかったのは分かっているので、実際は15週だが――、このゲームには全力を懸けている。もちろん、自分たちがやってきた最後のゲームですべて判断されてしまうことは分かっている。それは理解しているし、分かっている。だが、ジェイレンは今年を通じて成長したように感じる。彼はパサーとして前よりも良くなった。ディフェンスの読みや、ボールを正しい場所に届けるという部分で良くなっている。プレーを伸ばすという部分で自分の能力をかなり発展させているし、足でプレーを決めるだけではなく、ダウンフィールドのスクランブルでもプレーを決めている。今日もそういうことがあり、彼はスクランブルをし、インターセプトもされた。これまでにいくつか良いスクランブルもあったし、それも優れたプレーだった」
プレーオフでの落胆のパフォーマンスは、間違いなくオフシーズンにハーツをめぐるうわさを生じさせるだろう。ハーツがイーグルスのフランチャイズQBになれるかについて、あれこれと言われるはずだ。しかしながら、シリアニHCにはそういった疑念はない。
シリアニHCは「われわれが今ここで、クオーターバックポジションに手にしているものに良い感触を持っている」と述べ、このように続けた。
「彼は素晴らしい1年を送ったし、長い道のりを歩んできたと思う。それはまさに、彼のフットボール上の性質や彼自身のキャラクター、タフネス、フットボールへの愛情から、私がジェイレンに期待していたことだ。ジェイレンの選手として(そして、人間として)の美点は、言い尽くせない。だからこそ、私は彼について良い感触を持っている。このゲームが私自身や彼、そのフットボールチームにいる選手たちにとって、われわれの誰にとっても満足できないものだったのは改めて承知の上だが、彼がこの1年をどう過ごしてきたか、このフットボールチームでどういうリーダーだったかについて、本当にうれしく思っている」
イーグルスの祝祭は今年も続いていたが、プレーオフに進出するようなチームに対しては苦戦してきた。日曜日の敗戦によって、イーグルスはポストシーズン参加メンバーに対する戦績を0勝7敗としている。
「このゲームが俺たちを定義するわけじゃない。俺たちが誰であるかを定義しないし、俺たちそのものを定義することはまったくない」とハーツは言う。
「一つのフットボールチームとして、俺たちは戻ってくると分かっている。これは俺たちの心の中に、俺たち全員の中にくすぶる感情だ。このフットボールチームの若さで、俺たちは間違いなくハングリーになって戻ってくる」
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