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カンファレンスチャンピオンシップ進出を決めたベンガルズがKマクファーソンの勝負強さに驚嘆

2022年01月24日(月) 08:51

シンシナティ・ベンガルズのエバン・マクファーソン【AP Photo/Mark Humphrey】

シンシナティ・ベンガルズのキッカー(K)エバン・マクファーソンは新人だが、現地22日(土)はそのように見えなかった。

ディビジョナルラウンドに臨んだベンガルズは第1シードでプレーオフに進んだタイタンズを19対16で下しており、マクファーソンは19点のうち13点をその右足で稼いだ。最後の3点が決定打となり、ベンガルズは1988年シーズン以来、初めてAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに出場できることになった。

試合後に『CBS』でインタビューを受けたクオーターバック(QB)ジョー・バロウはマクファーソンについて「あいつはすげぇ冷静だ」と語り、「新人のキッカー。信じられない。ヤツが入ってきて、俺たちはキャンプで何を授かったのか正確に分かった。建物の中に入ってきたときやその歩き方、話し方で、どんなキッカーか分かるよ。あいつはとてつもない」と続けている。

マクファーソンはこれまでに何度もフィールドゴールやエクストラポイントを成功させており、直近4試合のうち2試合で4本以上のフィールドゴールを決めた。この若者は単純に集中力に長けている。

マクファーソンにゲームボールを捧げたベンガルズのヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーは「彼はとても冷静だった。特に言うことはない」と述べた。

マクファーソンの貢献なくして今のベンガルズはない。ベンガルズはカンザスシティ・チーフス(地区優勝)、ラスベガス・レイダース(31年ぶりのプレーオフ進出)、そしてテネシー・タイタンズのどのチームに勝つときも、マクファーソンによるキックの成功を必要としていた。ベンガルズがマクファーソンにキックの成功を求めるたびに、マクファーソンはそれを叶えている。

土曜夜、マクファーソンには45ヤード以上のキックを3本、そのうち2本は50ヤード以上のキックを蹴ることが求められていた。1本目は風に逆らいつつ、きれいに真っ直ぐに蹴り、2本目も同じ戦略で成功させて決勝点を挙げており、その一つ一つを確実にものにしていった。

マクファーソンは次のようにコメントしている。「キックが空中を舞っているとき、普段と同じように、良くも悪くも、良い当たりだと分かったらケビン(ヒューバー)の方を見て、ボールが通るところを見もしない。それは良くないことだと思われていたけど、今回はやって良かった。彼の顔を見たら、“やったな!”って言ってくれたんだ。もう1試合できる、もう1試合は保証されている、ということで頭がいっぱいだった。新たなチャンスを得たからにはもう1試合に勝って、目標に近づいていく」

経験年数を問わず、多くのキッカーにとって、その瞬間はあまりにも重大なものであることが多い。チームの命運は、過去にも数々の失敗を生み出したプレッシャーのかかる場面で、めったに使われないスペシャリストの足にかかっているのだ。

しかし、他とは少し異なるマクファーソンは「その肩に試合の行方がかかっているのはキッカーの夢だ」と語り、こう強調している。

「これが俺の仕事だ。これこそ、ベンガルズのためにやっていることだ。そういうときに冷静沈着でいるのが仕事。チームが俺を成功できるポジションに置いてくれて、試合に勝つチャンスを与えてくれたことが、ただただうれしい」

マクファーソンが来週末も同じような立場になれば、ベンガルズはスーパーボウルに進出するかもしれない。その瞬間のために、彼は確実に準備しておくだろう。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のレポーターであるキャメロン・ウォルフは『Twitter(ツイッター)』に「ベンガルズのQBジョー・バロウによると、キッカーのエバン・マクファーソンは試合に勝つ前にウオームアップキックを何本か蹴った後、バックアップQBブランドン・アレンに“どうやらAFCチャンピオンシップゲームに行けそうだ”と言ったそうだ。その数分後、彼は52ヤードを成功させて勝利を決めている。伝説的だ」とつづっている。

【RA】