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「逆なら俺たちも喜んでいた」とビルズQBアレン、オーバータイムのルールに不満をこぼさず

2022年01月24日(月) 17:45

バッファロー・ビルズのジョシュ・アレン【AP Photo/Charlie Riedel】

カンザスシティ・チーフスとの試合の後半で追い上げたバッファロー・ビルズは、2度リードを奪った。しかし、チーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズがすぐにこれに反応し、最終的にはオーバータイムに得点を挙げたチーフスが42対36でビルズを下し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドを制している。

ビルズのQBジョシュ・アレンが優れたプレーを見せ、ワイドレシーバー(WR)ガブリエル・デービスに19ヤードのタッチダウンパスをつないだところで、ビルズが36対33でリード。このときの残り時間は33秒だった。しかし、マホームズがゲームをタイにするフィールドゴールドライブを率いるのに、それは十分な時間だった。オーバータイムではチーフスが最初のキックオフのチャンスをつかみ、アレンがサイドラインで見守る中、決勝点となるタッチダウンが決まった。

2年連続で、ビルズのプレーオフへの夢はアローヘッド・スタジアムで潰えている。

「彼らは俺たちよりも一つ多くプレーを決めた。そういうことさ」と言うアレンはこう続けた。

「もちろんつらい。こんな風には感じたくない。特に、2年連続で同じ場所となればね。来年はもっと良くなる道を探さなきゃならないし、自分たちが達成したいと思っていることを成し遂げなきゃならない」

この夜4つ目のアレンのタッチダウンパスが、ビルズのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオン戦進出を決めたように思えた。早とちりするな、と宣言したのがマホームズだ。チーフスはわずか2プレーでフィールドゴール圏内にたどり着き、バッファローの人々の心を引き裂いている。

ビルズのヘッドコーチ(HC)であるショーン・マクダーモットは「チーフスは優れたフットボールチームだ」と述べた。

「ものすごい努力が必要になるのは分かった上でここに来た。そして、皆がその努力をしてくれたと思う。ジョシュを始め、全員がだ。明らかにもっとうまくやらなければならないことがあった。彼らは傷つき、落胆している。われわれは全員が落胆し、全員が傷つき、腹に痛みを抱えている。だから、ここから脱し、そこから学ばなければならないが、今は刺すように痛む。取り繕うことはしない。刺すような痛みだ」

アレンが一流のパフォーマンスを発揮しただけに、よけいにつらい敗戦だった。アレンはパス37回中27回に成功し、デイビスに対する4回のタッチダウンパスを決めている。アレンはキャリー11回で68ラッシングヤードもマークしており、その中には何度かチェーンを大きく前に進めるランもあった。

「ジョシュはとてつもない力を注いでいた。彼らはわれわれが終盤に必要としたよりも、いくつか多くのプレーを決めたんだ」とマクダーモットHCは述べている。

「彼らは本当に多くのことをやり遂げた。そして、ここまで来て、試合は残り13秒になった。彼らは皆、私と同じように感じていると思う。われわれ皆の胃が痛み、傷ついている」

ビルズは2年連続のAFC王者に対して、パンチの打ち合いにまでもち込んだ。試合の終盤にアレンは意のままにボールを動かしている。アレンはポストシーズンをタッチダウンパス9回、ターンオーバー0回で終えた。

アレンのポストシーズンの唯一の傷は、オーバータイムのコイントスで裏をコールしたことだった。表が出たことでボールを持ったチーフスがフィールドを駆けあがり、試合終了となる得点を挙げた。アレンにできたのは、それをサイドラインから見ることだけだった。

オーバータイムでボールに触れられなかったアレンだが、ルールを責めることはなかった。

「ルールはルールだし、それに不満を言うことはできない。逆だったら俺たちだって喜んでいたはずだからな。だから、とにかく今はこうなってるってこと。俺たちは今夜、十分なプレーができなかった」

アレンの経験は4シーズン前にマホームズがアローヘッド・スタジアムで経験したことに似ている。チーフスは当時ニューイングランド・ペイトリオッツのQBトム・ブレイディがオーバータイムに得点を挙げるのを、マホームズがピッグスキンに触れることがないまま見ているしかなかった。

成すすべもないままサイドラインからチーフスのドライブを見ていたのは、将来の対決に向けてしっかり覚えておく学びの時間だったとアレンは話している。

「あの時間は辛かった。繰り返すけど、俺はパットを深く尊敬している。彼はウイニングタッチダウンを投げたし、それはすごくクールだった。だけどもちろん、起こったことは最悪だ。俺たちはあの試合に勝ちたかった。俺たちには自分たちのチャンスがあった。これを全部受け入れて、この感覚を抱き続け、また同じ思いをしないようにしなきゃならない。前にも言ったように、連続して、同じ場所でだ。受け入れるのはきついけど、それもこのゲームの一部さ」

ビルズとチーフスは未来のポストシーズンバトルでも衝突するだろう。ビルズの栄冠への道に立ちはだかるのがチーフスだ。アレンとビルズは次の機会には自分たちの仕事を完了し、13秒での破滅を避けることを望んでいる。

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