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プレーオフでのFGノーミスを続けてベンガルズをAFC王座に導いたKマクファーソン

2022年01月31日(月) 14:09

シンシナティ・ベンガルズのエバン・マクファーソン【AP Photo/Charlie Riedel】

シンシナティ・ベンガルズのキッカー(K)エバン・マクファーソンはやはりパーフェクトだった。

傷一つない連続記録が始まったのは、シーズン第17週に6連続キックを決めてカンザスシティ・チーフスに勝利した試合からだった。その流れはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでも続き、マクファーソンは4回のフィールドゴールと1回のエクストラポイントをすべて成功させ、再びチーフスに土をつけている。

ディビジョナルラウンドで勝利を決定づけたキックとは異なり、マクファーソンはキックの成功を予告しなかった。“狙撃手”の二つ名を持つキッカーには、そのようなものは必要なかったのだ。

ベンガルズがオーバータイムでチーフスを下した試合の後、マクファーソンは「今週は何も言わなかった。スーパーボウルに行けそうだってことが、頭によぎっていたんだ」と話している。

「この試合がフィールドゴールで終わるなんて、あまりにも現実離れしている。当然、俺だけでやったことじゃない。俺たちのディフェンスがインターセプトで最高の状況を作ってくれたし、俺はオフェンスが距離を減らしていくことにすごく自信があった。俺たちは得点すると思っていた。それはたくさんの人に言ったことだ。このゲームはフィールドゴールじゃなくて、タッチダウンで終わるだろうってね」

確かにベンガルズはエンドゾーンへの旅で2度のAFC王者に対する勝利を決めるかのように見えた。しかし、エンドゾーンが見えてきたとき、ベンガルズは安全策を取り、第3ダウンでマクファーソンを送り出している。ルーキーのマクファーソンが31ヤードのキックを決めたことで、ベンガルズはAFCの王冠を戴いた。

マクファーソンはシーズン第16週以来、キックを外したことがなく、ベンガルズは今回もまたプレーオフ戦で勝利するためにそのキックのすべてを必要としていた。マクファーソンはフィールドゴールを4回中4回成功させ、最長で52ヤードのキックを決めたほか、35ヤード以内からのキックも3回記録している。他の新人キッカーならばあまりにも荷が重すぎる場面だったかもしれないが、マクファーソンには大きなプレッシャーがかかる状況にも恐怖がないようだ。

そして、ベンガルズというチームもまた恐れ知らずだと言えよう。ベンガルズは18ポイント差から21対21にまで巻き返し、マクファーソンの力によって24対21でリードすると、最後には27対24での勝利をもぎ取っている。

序盤に21対3になってしまったことについて、マクファーソンは「誰もそこから目を逸らさなかった」と振り返った。

「自分たちが間違いなく巻き返して勝利への道を見つけ出すと、全員が考えていたと思う。それが、今年を通じて俺たちがやってきたことだから。多分、ハーフタイムの時点で俺たちの負けだと思った人はたくさんいたと思う。俺たちは自信を持った一団で、こんな風に自分たちがいなくなるなんて考えはなかった。自分たちが巻き返して接戦を演じると、100%分かっていたのさ」

前半のベンガルズは勝ち目が薄く、チーフスがベンガルズ守備陣を軽々と出し抜いて3回連続のタッチダウンドライブを記録。しかし、第17週の試合と同じように、ベンガルズは十分な時間を残して反撃を開始し、21対10に差を縮めると、ゴールライン手前でチーフスを止めるというきわめて重要なプレーによって11点差で前半を締めくくった。

「今週全体が素晴らしかった。俺やチームに現実離れしているくらいの注目が集まっていた」と振り返るマクファーソンは、次のように続けている。

「今年は1年中そうだったと思う。負け犬という見方を退けて、俺たちはいるべくしてここにいるんだってことを全員に示した。俺たちはビジネスをやっている。どの相手とフィールドに立とうが、俺たちは戦い、自分たちのベストをやる」

「ハーフタイム前のゴールラインスタンドがあった後、ロッカールームに入って“俺たちは多分あの瞬間に勝ったぞ”みたいなことを言ったと思う。その通りだった。俺たちのディフェンスが、確かにあそこで俺たちに勝たせてくれたんだ」

後半が始まると、クオーターバック(QB)ジョー・バロウとその仲間たちの出番だった。そのお膳立てをしたのはベンガルズ守備陣で、後半の2クオーターとオーバータイムでチーフスQBパトリック・マホームズを55パスヤードに抑えている。第4クオーターの最終局面でチーフスの猛攻をしのいだことでベンガルズのチャンスはつながり、オーバータイムで決まったインターセプトがロサンゼルスへ飛ぶための滑走路となった。

2021年のドラフト5巡目で指名されたマクファーソンがフィールドに出たときには、あとは自分が得意とすることを決めるだけだった。

マクファーソンのプレーオフにおけるフィールドゴール成功数は12回を数え、NFL史上、単一のポストシーズンに記録されたものとしては最多連続記録となっている。

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