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「ジェットコースターのような」シーズンを終えた49ersのQBガロポロ

2022年01月31日(月) 17:22

サンフランシスコ・49ersのジミー・ガロポロ【AP Photo/Mark J. Terrill】

ジミー・ガロポロは新人クオーターバック(QB)が自分の仕事を奪う予感の中で、2021年シーズンをケガとの戦いに費やしてきた。厳しいシーズンではあったものの、ガロポロはサンフランシスコ・49ersをNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦にまで導いている。

ロサンゼルス・ラムズと対戦したその試合の最後にインターセプトを喫し、20対17で敗れた今、ジミーGのチームにおける未来に疑問が持ち上がっている。

試合後、ガロポロはこれが49ersでの最後の試合かもしれないことを踏まえ、ロッカールームで大きな感情の波に飲み込まれたと話した。

「これからの数日で、少しは落ち着いていくと思う」と言うガロポロは「試合後の感情っていうものは大きい。勝っても負けても。こういうことは喜ばなくちゃならない。そこからただ微笑み、良いことを思うんだ。これから数日か数週間か、もっとかは分からないけれど、どうなるかはそのうち分かる。俺はこのチームを愛している。この1年を通してこのチームで戦い、バトルできたのは本当に感動的だった。皆が大好きだ」と話している。

敗戦後のヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンには、49ersがクオーターバックについてどの方向に進んでいくかを議論する構えがなかった。

「私はジミーが大好きだ。今ここに座って別れの言葉を言ったりするつもりはない。それは私が最も考えないことだ。ジミーは全力で戦った。今日も彼は戦っている。今日の彼はいくつか信じられないくらい素晴らしいことをやってくれた。私はジミーにコーチすることをとても楽しんでいる」

シャナハンHCと49ersはシーズンを通じてガロポロを支持した一方、QBトレイ・ランスを指名するために多くのドラフト資本をつぎ込んでおり、ポストシーズンの敗北を受けて未来がどちらに進むかが見えつつある様子だ。サラリーキャップ上の問題に直面すると見られる49ersだが、ガロポロを放出もしくはトレードすることで2,500万ドル(約28億8,000万円)の余裕が生まれる。

おそらく最も強くジミーGを支持している選手であるタイトエンド(TE)ジョージ・キトルは、ガロポロなしでのプレーを考えることさえ嫌っている。

ガロポロについて問われたキトルは「分からないことがたくさんあるだろ」とし、このように続けた。

「ああ、考えたくないね。スーパーボウルの前で負けたことを受け止めるだけでも楽しくはないのに、さらにって感じだな。だけど、それが来るのがいつであれ、俺はそういう感情に向き合うつもりだ」

ランゲームがトータル50ヤードに抑えられる中、49ersはガロポロの輝きを必要としていた。ガロポロはパス30回中16回成功、232ヤード、タッチダウン2回、そしてゲームを決定づけたインターセプトという記録で試合を終えている。

堅実な前半の後、最後の2クオーターでジミーGにかかるプレッシャーは高まった。ラムズのパスラッシュがガロポロを捉え、後半のドロップバックの44.4%でガロポロにプレッシャーがかかっている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、ガロポロはプレッシャーがかかった際にパス11回中4回成功にとどまり、インターセプト1回を喫しているという。一方、プレッシャーにさらされていない場合にはパス19回中12回成功、170ヤード、タッチダウン2回をマークしたとのことだ。

これはサンフランシスコでのガロポロによく見られたパフォーマンスだった。クリーンな状態が保たれて順調なときのガロポロは、49ersを勝利に導いた。ポケットが崩壊し、地上戦も抑えられたときには、厳しい展開を強いられている。

第3ダウン残り13ヤードという状況からの、49ersでの最後となるかもしれないスナップで、ガロポロはAP通信ディフェンス部門年間最優秀選手に3度輝いたラムズのディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドに突進された。サックを逃れようとしたガロポロは何とかパスを投じるものの、これがインターセプトされている。

シャナハンHCはガロポロのインターセプトについて「彼にあれ以上何かできたとは思わない」と話した。

「第1ダウンでは、正しいスポットについていてさえ、91番にボールをはじかれた。第2ダウンでは彼らが全員に張りつき、彼はフラットの方に投げようとしたが、残念ながら3ヤードのロストになってしまった。第3ダウン残り13ヤードでは、とにかくアーロンが素早くやってきたように見えたし、彼はそこから抜け出してサックされないようにし、第4ダウン残り20ヤードでも何でも、とにかくそれをやろうとした。そして、そこであれが起こってしまった。ああいった状況になり、それを受けて彼らはとりかかろうとした。ああいった状況にならないような、もっと良いチャンスがあったらとは思うが、彼らのお手柄だ。それが、彼らが今もプレーしている理由だ」

また、チームメイトたちもガロポロへの支持を示している。

「ジミーはすごくいいプレーをしていたと思う。全力だった」と言うのはワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエル。

「このチームはジミーがめちゃくちゃ好きだ。俺たちは皆、彼を支持している」

ガロポロ本人は再びスーパーボウルで戦うチャンスが指からすり抜けたことを嘆いていた。

「俺はこのチームを愛している。前にも言ったけどね。俺たちが通り抜けてきたすべて、オフシーズンに始まって、トレーニングキャンプをやって。本当にジェットコースターみたいな年だった。だけど、俺たちはそれを戦い抜いてきたんだ。いいチーム。俺たちは回復力のあるチームで、いいチームっていうのはそういうもの。そういう感じで戦い通し、もっと良くなって出てくる」

ジミーGの出口は、別のチームでの新しいスタートになりそうだ。

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