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敗戦後もQBマホームズを「おかしな目」で見る者はいないとチーフスHCリード

2022年02月01日(火) 12:10


カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/Colin E. Braley】

カンザスシティ・チーフスがスーパーボウルに向けた準備作業を行わないのは、2018年シーズン以来のことだ。

一時はいかにも現実のものになりそうだった結末が、今ははかない夢となってしまった。現地30日(日)に実施されたAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦で築いていた21対3のリードはいつの間にか消え去り、チーフスはシンシナティ・ベンガルズに敗れている。最初の3回のポゼッションでタッチダウン3回を決めるという快進撃を決めたチーフスだったが、その後はフィールドゴール1回にとどまった。最初の18回のパス成功で220ヤードを稼いでいたクオーターバック(QB)パトリック・マホームズだが、後半とオーバータイムには55パスヤードに抑えられている。

チーフスファンの記憶に最も残るのは、マホームズの調子が崩れていった様子かもしれない。マホームズの最後のスローが、もう一度ロンバルディトロフィー獲得を目指したチーフスの旅の終わりの象徴として記憶されるだろう。マホームズのパスがインターセプトされたことで、ベンガルズにフィールドゴールのみでカンファレンスタイトルを手にするチャンスが開けた。それでも、チーフスのヘッドコーチ(HC)であるアンディ・リードが月曜日に話すように、1回の悪球でマホームズを見捨てようとする者などいない。

マホームズの今季について尋ねられたリードHCは「彼は3年連続のスーパーボウル出場まであと少しのところまで来ていたと思うし、そのことが実に印象的だった」と語った。

「ここまで来るチームのほとんどが優秀なクオーターバックを擁していると思うし、それがうまくいく仕組みなんだ。われわれには彼がいて幸運だった。われわれ側にパット・マホームズにおかしな見方をしている者はいないし、ファンも同じように感じていると予測している」

先発QBとしての初めてのシーズンである2018年のMVPに選ばれて以来、マホームズはNFLのトップクオーターバックの一人として見られてきた。2019年にはスーパーボウルを制覇し、スーパーボウルのMVPに。このスポーツでも最も恐れられるパサーの一人に成長したマホームズだが、2つ目のロンバルディトロフィーにはまだ手が届いていない。

昨シーズン、第55回スーパーボウルで先発オフェンシブタックル(OT)を2人とも欠いた状態での戦いを強いられたチーフスはタンパベイ・バッカニアーズに敗北。去る日曜日には同じような弱点があったわけではなく、今季のベンガルズとの試合で2回連続で後半に大苦戦を強いられた責任をマホームズに問う向きもあった。

信じられないくらい見事なキャリアを送っていたマホームズだが、2021年にはこれまでにない逆境の中で戦ってきた。今年のインターセプトは13回で、単一シーズンのインターセプト数としては2017年にNFL入りして以来、最多の数字となっている。チーフスもスロースタートで苦戦し、最初の7試合では3勝しか挙げていない。

そこから逆転劇が始まった。8連勝を挙げたチーフスは、シーズンラスト10試合中、9試合で勝利している。

スーパーボウルの有力候補として日曜日の試合に臨んだチーフスは、最初の2クオーターでその見方を現実のものに近づけていた。前半のベンガルズは、チーフス攻撃陣の猛攻の前に、ほぼ成すすべのない状態になっている。だが、後半がスタートしたとき、最悪のタイミングでマホームズとチーフスの苦戦が再び始まった。

再度のAFCタイトル獲得を祝うことができなかったチーフス。だからと言って、自分たちがやってきたことを大きく変える意向は彼らにはない。チーフスに必要なのは、ゲームの最も重要な瞬間により優れたプレーをすることだけだ。

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