2年間の引退生活から現役復帰したFSウェドルが49ers戦でチーム最多9回のタックルを記録
2022年02月01日(火) 12:25のんびり生活からスーパーボウルへ。
ロサンゼルス・ラムズは負傷者が続出してセーフティ(S)陣が手薄になったことを受け、ポストシーズンに先んじて驚くべきことにフリーセーフティ(FS)エリック・ウェドルと契約を締結。2019年シーズンをもってラムズを退団した37歳のウェドルは、2シーズンの間、引退生活を過ごしていた。
契約当初、ウェドルは単なる保険に過ぎないと思われていた。システムに精通したベテランは特定のパッケージでプレーできる上に、足首のケガで今季終了となったジョーダン・フラーや、脳しんとうプロトコルに入ったままになっているテイラー・ラップによって空いた穴を埋めることができる。
引退から復帰したウェドルは、自分の参加レベルをこう予想していた。
『Orange County Register(オレンジ・カウンティ・レジスター)』によると、ウェドルは「15回とか20回とか、まぁ求められる分だけのスナップに参加できると思っている。驚くほど調子がいいんだ。体重も少し減ったし、膝や腰の負担も軽減された。狂ったようにトレーニングしてきた」と話していたという。
ところがなんと、スーパーボウル出場を決めたラムズの一員としてウェドルが参加したスナップは20回どころではない。
アリゾナ・カーディナルスに勝利したワイルドカードラウンドでは19回しか参加しなかったものの、タンパベイ・バッカニアーズに勝利したディビジョナルラウンドではフルタイムのディフェンダーとして60回のプレーに臨んだ。そして、宿敵のサンフランシスコ・49ersに勝利したNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでは50回のスナップに関わっている。
ウェドルはただフィールドにいるだけではない。ディフェンシブエンド(DE)アーロン・ドナルドやコーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーといったスター選手を擁するラムズディフェンスにとって、違いを生み出す存在となっている。
3週間前までバスケットボールをして遊んでいた人物が、現地30日(日)にはNFCタイトル戦でチーム最多となる9回のタックルを決めた。しかも、それには中身が伴っている。2シーズンの間、試合から遠ざかっていたにもかかわらず、ウェドルはいまだにプレーのタイミングをつかむ能力と洞察力を備えていることを証明した。
49ersが3点をリードしている中、フィールド中央部で第2ダウン残り1ヤードの場面に直面したとき、ウェドルはオフェンシブラインを切り裂き、ランニングバック(RB)イライジャ・ミッチェルを1ヤードロスに追い込んでいる。続いて第3ダウン残り2ヤードとなったときには、ラムズがフルバック(FB)カイル・ユーズチェックを止めたことで49ersのカイル・シャナハンHC(ヘッドコーチ)はパントの指示を出さざるを得なくなり、次の攻撃シリーズで同点に追いついたラムズは最終的に20対17で勝利した。
ウェドルはロサンゼルス・チャージャーズ、ボルティモア・レイブンズ、ラムズで過ごした13シーズンの間に逃してきたスーパーボウルリングを追い求め、引退から復帰。日曜日のパフォーマンスを経て、ウェドルはそのチャンスをつかもうとしている。
契約書に“アイスクリーム条項”があることで有名なウェドルは、第56回スーパーボウルでこれまでに一番大きいサンデー(アイスクリーム)を食べられるかもしれない。
【RA】