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トム・ブレイディが正式に引退を表明

2022年02月02日(水) 00:13

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Jason Behnken】

その将来に関するうわさと憶測がささやかれること数カ月、トム・ブレイディが正式に引退を表明した。

殿堂入りが確実視されるクオーターバック(QB)のブレイディは現地1日(火)朝、ソーシャルメディアを通じて22シーズンにおよぶキャリアに幕を下ろすと公表。

この3日前には『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが、ブレイディが引退する見込みだと報じていた。

ブレイディは投稿の中で次のように思いをつづっている。

「フットボールというスポーツは“すべて”が詰まっているといつも思ってきた。100%の競争力がなければ成功せず、このゲームにおいて成功することが本当に大好きだった。フィジカル、メンタル、感情的なチャレンジが毎日やってくる。そのおかげで自分が持っている最高のポテンシャルを最大に発揮できたと思っている。この22年、ずっと最善を尽くしてきた。フィールドでも人生でも、成功への近道はない」

「自分にとっては書きにくいことだけれど、ここに書き残しておく。これ以上、そういう競争にコミットメントするつもりはない。自分のNFLキャリアには愛着があるけれど、自分の時間とエネルギーを他のことに集中する時がきた」

「この1週間、たくさん反省しながら、自分自身に難しい問いを投げかけてきた。そして、自分たちが成し遂げたことを本当に誇りに思っている。チームメイト、コーチたち、仲間のみんな、ファンのみんなにとっては100%の自分がふさわしいけれど、今は、献身的な次世代のアスリートにプレーの場を譲るのが一番だ」

「この2年を過ごしたバックスのチームメイトへ。みんなのことが大好きだ。みんなと一緒に戦いに挑むのが大好きだった。みんな、自分自身への挑戦にどん欲で、そのおかげで自分も毎日起きてみんなのためにベストを尽くそうと思えた。これからもずっとみんなのためにここにいる。みんながベストを尽くす姿を見続けたいと思っている。共に成し遂げたことに、これ以上ない喜びを感じている」

「バックスのファンのみんなへ。ありがとう。ここにやってきた時、どうなるのか分からなかったけれど、皆さんが支えてくれて受け入れてくれたことで、自分の人生は豊かになったし、家族もそうだ。これほどまでに情熱的で楽しいファンのみんなのためにプレーできたことを誇りに思う。最高のクルーだ!」

「タンパ市、それからタンパからセント・ピーターズバーグの周辺地域の皆さん、ありがとうございました。こんなにも楽しい場所の住人になれたのは最高だった。次のボートパレードにはぜひ招待したい!」

「グレイザー家の皆さま、自分にチャンスを与えてくださり、また支援してくださり、ありがとうございました。ときに厳しいことを言ってしまいましたが、勝つために必要なすべてを提供してくださり、そのオーナーシップはプレーヤーが求めるものすべてでした」

「ジェイソン・リヒトさま、日々のサポートと友情に感謝しています。絶対に忘れません。一度もフリーエージェンシーの経験がなかった自分はどうすれば成功するのか不安もありました。あなたのリーダーシップが自信を与えてくれたのです。これからもずっと感謝しています」

「ヘッドコーチのブルース・エリアンス、自分にがまんしてくれてありがとうございました! あなたの確固たるリーダーシップと指導は理想的だった。あなたの経験、直感、知恵をなくして成功はあり得なかった。本当にありがとうございます」

「バックスのコーチの皆さん、勝つためのチーム作りに懸命に、献身的に、必死に取り組んでくださり、心から感謝しています。皆さんから多くのことを学んだし、これからもこの関係を大切にしていきたい」

「バックスのスタッフ、従業員の皆さん、ありがとうございました。皆さん一人ひとりの存在が不可欠で、毎日、笑顔で迎えてもらった。それが本当にうれしかった。皆さんの仕事は長時間にわたり、ハードな作業だけれども、自分は皆さん一人ひとりのことを知っているということを知っていてください。本当にありがとうございました」

「アレックス・ゲレロ、ありがとう。あなたなしでは毎週日曜日を迎えられなかっただろう。そういうことさ。あなたの技術への献身や、僕らの友情と兄弟愛は計り知れないものだと思っている。決して切れることのない絆で結ばれている。大好きだよ」

「ドン・イーとスティーブ・ダビン、ありがとう。ミシガン大学を出て、このリーグに加わる前からずっと付き合ってくれた。すごい旅路だったね。君たちなしではなし得なかった」

「両親と家族(それから無限にいる友人の家族たち)、心からの愛を込めて、決して揺るがないサポートと愛に感謝している。フットボールで過ごしたこの30年間に、みんなが自分に注いでくれた時間とエネルギーは想像もしていなかった。恩返しできないくらいだ。本当に、みんなことを愛している」

「そして最後に、妻のジゼル、ジャック、ベニー、ビビの子どもたちへ。みんなが自分のインスピレーションだ。この家族が自分にとって最大の偉業だと思っている。フィールドを離れれば、自分がキャリアに専念できるよう、家族のために尽くしてくれた最も愛情深く協力的な妻のもとへと帰る日々を過ごしてきた。彼女の無私の精神は、自分がプロとして新たな高みに到達することを可能にしてくれた。自分はもちろん、家族にとってあなたという存在がどういう意味を持つのか、言葉を超えるものがある。愛しているよ(ポルトガル語)」

「自分の現役キャリアは本当にスリリングで、想像をはるかに超えていて、アップダウンばかりだった。日常にいると、終わりを考えることはあまりない。でも、今、こうしてここに座っていると、一緒にプレーしたり、対戦したりする機会に恵まれたすべての選手、コーチたちのことが思い出される。友情も人間関係も同じように激しく、また深いものだ。そういう思い出を忘れず、大切にし、ときに再び訪れることもあるだろう。自分は世界で一番幸運な人間なんじゃないかと思う」

「将来が楽しみだ。幸運にもAutograph(オートグラフ)やブレイディブランド、TB12スポーツのような素晴らしい企業とタッグを組み、今後もその構築と成長に貢献できることにワクワクしているけれど、具体的にどういう日々を過ごすかどうかはこれからが本番だ。さっきも言ったように、一日一日を大事にしていきたい。多くの人が自分にしてくれたように、たくさんの人に与え、人々の生活を豊かにするために過ごしていきたいと思っている」

また、NFLコミッショナーを務めるロジャー・グッデルは数々の偉業を成し遂げ、歴史にその名を刻み続けたブレイディの引退表明を受けた声明でこう述べている。

「トム・ブレイディはNFLでプレーした中で最も偉大な選手の1人として記憶されることでしょう。驚異的なコンペティターであり、リーダーであり、その輝かしいキャリアは期間の長さだけでなく、毎年見せる持続的な卓越性においても注目されるものです」

「トムは周囲の人々を向上させ、いつも最も大きな瞬間に普段は見せない力を発揮していたように思います。5回のスーパーボウルMVP受賞、7回のスーパーボウル優勝という彼の記録は、他の選手たちが長年にわたって追い求めていくスタンダードとなりました」

「ニューイングランド、タンパ、世界中のファンに、NFL史上最も偉大なキャリアを築いた1人としてインスピレーションを与えてきました。彼の戦う姿を目にし、NFLに彼がいてくれたことが名誉なことだと思っています。われわれのゲームに対する彼の多くの貢献に感謝するとともに、トムとご家族の今後の活躍をお祈り申し上げます」

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