49ersは「自分に合った行き先」を模索していると将来を見据えるQBカロポロ
2022年02月02日(水) 11:57クオーターバック(QB)のジミー・ガロポロが最後に出したパスは、サンフランシスコ・49ersのシーズン終了を意味する絶望的なインターセプトに終わった。これがガロポロの49erとしての最後のアテンプトだと誰もが思っている。
だが、ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハンを信じるのであれば、それは最後ではないかもしれない。現地1日(火)にシャナハンHCは記者団に対し、たとえQBトレイ・ランスがロースターにいるとしても、ガロポロが2022年に49ersに戻ってくる可能性はまだあると話した。
「可能性はまだかなりある。選択肢はいろいろと残っている」とシャナハンHCは『The Athletic(ジ・アスレチック)』のデービッド・ロンバルディに述べている。
シャナハンHCとジェネラルマネジャー(GM)のジョン・リンチは、チームとガロポロの間で明確なコミュニケーションを取ることだけが、彼らがコミットしている結果だと記者団に述べた。
「もし何が起こっているのかを正確に把握しているなら、すでにジミーに伝えているだろう」とシャナハンHCは言う。
たとえそれがチームの計画にないとしても、シャナハンHCがガロポロの復帰の可能性を残しておくのには当然の理由がある。49ersはガロポロというトレードの駒を持っているわけで、彼をトレードすることをあからさまに認めてしまうと、49ersはトレード交渉の場で不利な立場に置かれるからだ。
その一方で、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームへの進出や、スーパーボウルへの出場寸前まで貢献したことを考えれば、ガロポロが復帰すると信じるのもあながちバカげたことではないと言える。とはいえ、トレードアップでクオーターバックを指名しておきながら何シーズンもベンチに座らせるようなことをするチームはない。ただし、まだ追い出されるには値しないベテランがいる場合は別だ。
記者と話す機会があった際にガロポロは社交辞令を繰り返すことなく、紳士的な対応を見せた。
「すでに少し話はしているけど、これからもっと話し合われるだろう。いずれにしても、彼らはこの件に関してはとても率直だよ。昨日、ジョン(リンチ)と話していたんだけど、俺に合った行き先を見つけて、将来がどうなろうとも正しい方法でやっていこうということだった。これから長いキャリアが待っているから、この先にあるチャンスにワクワクしている」
「とにかく勝ちたいと思っているチームに行きたい。そのためにこのゲームに参加しているわけだから。俺はフットボールをやるため、フットボールの試合で勝つためにここにいるのであって、それができて、周りに優秀な人がいればあとはなるようになると思っている」
ガロポロの火曜日の口調は別れを惜しむようなもので、チームに在籍した4年間で彼と49ersを取材してくれたメディア関係者に何度も感謝していた。ガロポロは記者会見の最後にチームとの楽しい思い出を振り返っているが、その内容はおよそ誠実で、敬意と感謝の気持ちに満ち、そして貫禄のあるものだった。
ガロポロは49ersでの時間が終わったことを認めたのも同然ながら、復帰の可能性を完全に排除したわけではないようで、次のように語っている。
「あらゆる可能性を検討しようと思う。なんだって起こりえるからね。これからの数日、数週間の間に関係者と話し合って、どんどん具体的にしていきたいと思っている。今はまだすべてのシナリオを想定するのは難しいけど、それらは自ずと解決するはずだ。49ersの組織やファンとは最高の時間を過ごしてきたし、ここでの生活はすべてが素晴らしいものだった」
ガロポロのセッションの前にはシャナハンHCが、健康な時のガロポロの生産性を称賛している。その返答はガロポロとの別れを示唆するようなものではなかったが、この状況に決着がつけば、後からそのように捉えられる可能性は十分にある。
「彼はこれまでにわれわれをスーパーボウルとNFCチャンピオンシップゲームに連れて行ってくれた」とシャナハンHCはガロポロについてコメントしている。
49ersにとってこれはかなりの投資効果だが、だからといって彼に縛られているわけではない。ランスの存在はその逆の可能性を示しているものの、時期は未定のようだ。現時点で言えるのは、49ersからは今後も似たような話が出てくるということ。伸び悩んでいるシグナルコーラーよりも、株が上がっている選手の方がトレードしやすいのは間違いない。
49ersの他の主要選手については、オフシーズンが到来したことですぐに契約交渉が進められるものと思われる。ワイドレシーバー(WR)のディーボ・サミュエルとディフェンシブエンド(DE)のニック・ボサの2人は、今シーズンの活躍に見合った高額な契約延長を結べる可能性が高い。
49ersはこの現実を認識している。
リンチGMはサミュエルとボサについて「彼らがわれわれのチームの柱であることは十分に理解している」と『ESPN』のニック・ワゴナーに述べ、「予算は確保できている」とつけ加えて、それなりの準備ができていることを示した。
ほとんどのチームがそうであるように、オフシーズンには答えが必要な質問が出てくる。49ersはその時が来れば答えを出してくれるだろうし、他の誰かのスケジュールに合わせて動いているわけでもない。
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