多様性やマイノリティのHC雇用に関するすべての取り組みを再評価するとグッデルコミッショナー
2022年02月10日(木) 14:47NFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルが現地9日(水)に、リーグが多様性とマイノリティのヘッドコーチ(HC)雇用について、ルーニールールの見直しを含め、すべてを再評価する計画だと述べた。
第56回スーパーボウルの開催を控えるSoFiスタジアム前で行われた記者会見で、グッデルは「われわれは立ち返り、ルーニールールを始めとする今の自分たちがやっているすべてを再評価し、どういった変化が必要か、もしくは、一部の人が示唆するようにそれを撤廃すべきかを検討する」と話している。
「こういったことのすべてがその一部だ。他の人々と対話し、外部の人々にかかわってもらい、検討し、再評価の助けとなってもらう。というのも、自身のポリシーや手続きを自分で評価し、全員に機会を創出するために自分たちにできるすべてを正しく行い、ここを包括的なリーグとして自分たちが望むような結果を得ること、そして、われわれのポリシーが結果に対して真に効果的であるようにすることは時に難しいからだ」
2月1日に元マイアミ・ドルフィンズHC(ヘッドコーチ)のブライアン・フローレスがリーグと3チームを相手に、リーグの一定の人種差別的な雇用慣例やその他の形の人種差別を訴えた当日、グッデルはこの主張を“利のないもの”としていた。しかし、先週の土曜日にグッデルは全32チームにあてた覚書で、ヘッドコーチの多様性を促進しようとしたリーグの取り組みの結果は“受け入れがたい”ものであり、“今週にフローレスコーチやその他の人々が示した懸念を理解している”と述べている。
水曜日、グッデルはリーグの当初の反応とその後の覚書によって人々が混乱しかねないことを理解しているか問われた。
「それは良い質問だし、私もオフィスの面々に問い、そのことについて話し合った」とグッデルは答えている。
「最初のリアクションは法的な主張そのものに対するもので、フローレスコーチが経験したであろうことに対するものではない、私がより関心を持っているのはその点だ。法的主張と法的手続きのことは脇に置いてあり、それについては法律家たちが対処するだろう」
「私としてはコーチに耳を傾け、彼とその他のコーチが経験していること、われわれのクラブが経験していること、彼らのフィードバックを理解しつつ、自分たちがやっているすべてを再評価する。われわれは無意識のうちに過ちを犯しているのか、もしくは、それを過ちだと思っていなかったのか? すべての人々に対してオープンである必要があり、私はコーチを称賛し、深く尊敬しつつ、フローレスコーチだけではなく、このリーグのすべての人々から多くのフィードバックを得られることを願っている。それがわれわれをもっと良くしてくれるはずだ」
フローレスは訴訟の中で、マイアミ・ドルフィンズのオーナーであるスティーブン・ロスがドラフト1巡目指名権を獲得すべく、2019年シーズンに1回負けるごとに10万ドル(約1,100万円)を支払うと申し出たとも主張している。ロスは先週に声明を出し、“こういった悪意ある攻撃には敢然と立ち向かう”とし、“予測されるNFLの調査”には全面的に協力すると述べていた。
グッデルは報道陣に対し、フローレスの訴訟にある主張のすべてを“非常に憂慮すべき”ものとして受け止めていると話している。
「あらゆるレベルにおいてわれわれにとって非常に深刻な事態であり、それらをしっかりと理解しなければならない」と言うグッデルはこう続けている。
「当然、ゲームの品位は重要な要素であり、リーグや各クラブを通じて、われわれの組織に正しい文化を確実にもたらさなければならない。だが、われわれはその点に目を向け、許容されない違反があるかを見ていく。それが何であるかを推測することはできない。なぜなら、何が事実で、その結果は何なのかを見なければならないからだ。そういった事実やわれわれのゲームへの影響を知った上で、リーグに何らかの差別があった場合とまったく同じように、それに非常に真剣に取り組む。それらはとても真剣に対処される」
NFLでは9チームが新HCを探す雇用プロセスが進行していた。9つの空席のうち、2つがマイノリティの候補者――マイク・マクダニエル(ドルフィンズ)とラビー・スミス(ヒューストン・テキサンズ)――のものとなっている。今のリーグにいるマイノリティのコーチは、彼らに加え、以前からHC職に就いているロン・リベラ、ロバート・サラー、マイク・トムリンのみとなっている。
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