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コマンダースへの新たな申し立てについてはチームではなくリーグが調査を行うとグッデル

2022年02月10日(木) 17:54

ワシントン・コマンダース【AP Photo/Patrick Semansky】

NFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルは第56回スーパーボウルを前に現地9日(水)に行われた記者会見にて、先週にワシントン・コマンダースの元従業員であるティファニ・ジョンストンがオーナーのダン・スナイダーに対して訴えた新たな職場での不品行の問題について、リーグが外部主導の調査を行う意向だと明かした。

「この件については非常に真剣に対処していると思うし、確認する必要がある。当然、調査を行う。この件について確認し、調査を行うことについては当初からそう話してきた。それらの状況で本当のところ何が起こったのかを理解し、われわれにできる最良かつ最も真剣なやり方で対処し、われわれがNFLに望んでいるタイプの文化を保持できるようにする必要がある」

同じく水曜日、コマンダースはグッデルのコメントの以前にジョンストンの主張について調べるための調査グループにアポイントメントを取ったと声明で明かしていた。しかし、そのすぐ後にNFLは“チームではなく、リーグが独立した調査を実施し、すぐにこの事実を究明する調査担当者を起用する”と述べている。

グッデルは記者会見中にNFLのそのスタンスを引き継ぎ、“チームが自身で調査を行えるとは思えない”と話した。

「(調査は)われわれが行うものだ」と言うグッデルは、こう付け加えている。

「事実はどうだったのか、本当のところでは何が起こっていたのかについて、われわれが結論に達することを助けてくれる外部の専門家と共にそれを行う。そこから正しい決断を下していく」

ワシントンが調査を行うと発表したのを受け、ジョンストンの弁護士であるリサ・バンクスは、ジョンストンがそれに参加しない意向であること、また、ジョンストンが調査は“まがい物”であり、“広報活動の死に物狂いの荒業”だと表現したことを明かしている。

NFLの声明の後、バンクスは「どうやらNFLもダン・スナイダーが自分自身を調査することがいかに不条理かを理解しているようです。(中略)仮にその調査が完全に外部のもので、NFLが結果を公にすることを約束するのであれば、私のクライアントは喜んで参加するでしょう」と述べた。

2020年7月、スナイダーはチームの職場環境についての調査に着手し、同じ年の8月にグッデルがその調査を引き継いだ。弁護士のベス・ウィルキンソンが実施した調査の結果はグッデルに口頭で伝えられ、要約されたもの以外に文書化された報告書はなかった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタは水曜日、グッデルにリーグが計画している調査には文書での報告があるのか、また、それが公開されるのかを尋ねている。

「調査が始まるときには、すべての従業員やワシントンのフットボールクラブで何が起こったかについて何らかの情報を提供してくれるすべての人々に対し、彼らが希望する場合は極秘の取り扱いで進めたい」と答えたグッデルは、さらにこう語った。

「中には公になることを進んで選ぶ者もいるだろう。そういった目撃者は先週の議会や、その他の場所でも見られている。しかし、他の大部分の人々は自分たちの名前が公にならないことを知った上で情報を提供していた。彼らにその資格を残しておくことは、調査を行う上で、そして、調査の完全性にとって非常に重要になる。そうでなければ、本当に必要としている情報は得られない。したがって、われわれは従業員たちにそのことを誓っている。名乗り出つつも特定を避けたいということであれば、そのように対応する。報告が口頭でもたらされたのは、それが主たる理由だった。われわれはワシントンのフットボールクラブを調査していた外部の調査担当者の推奨事項をすべて受け入れた」

ウィルキンソンの調査の結果、リーグはワシントンに1,000万ドル(約11億6,000万円)の罰金を科し、スナイダーは一時的にチームの日常業務から降り、妻ターニャに任せている。

「また、チームの環境と文化が有害であると判断したことからわれわれがチームに罰を科しただけではなく、彼らは多くの変化を組織にもたらしている。彼らはベスが推奨したさらなる変革も行った。さらに重要なことに、われわれは彼らの変化が実現されているか、また、組織内で効果的に維持されているかを確認し、監査するためのシステムを取り入れており、たまたま先週に監査を行い、それらがうまく機能していることが確認されている」

「それがわわれわれの本当に望んでいる位置だ。われわれは誰もがそこへやってきて、嫌がらせや差別などなく働ける組織を望んでおり、リーグは何かが起こったときにそれに対処できるインフラストラクチャーを確実に備えるようにすると同時に、人々が正しい環境で働いて成功し、機会を生かせるようにすべく、彼らが適切かつ敬意をもって振る舞うことに対して責任を持つ」

2002年から8年間、チアリーダーおよびマーケティングマネジャーとして働いていたジョンストンは、2月3日にワシントンD.C.で行われた議会の円卓会議の場で、スナイダーがジョンストンの同意なしに太ももに手を置いたこと、また、スナイダーがジョンストンの腰に手を置き、自分のリムジンの方へジョンストンを押したことを訴えている。ジョンストンはこれまでにマスコミや調査担当者に対してこれらの申し立てを行っていなかった。スナイダーは円卓会議後に声明を発行し、以前に組織内で起こっていた“不品行”について謝罪した一方、スナイダー個人に向けられた申し立てについては“まったくの嘘”だと述べている。

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