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レイブンズがOCトレストマンを解任

2016年10月11日(火) 12:07

ボルティモア・レイブンズOCマーク・トレストマン【Photo/Patrick Semansky】

ボルティモア・レイブンズがうだつの上がらない攻撃陣にメスを入れるためシーズン中に攻撃コーディネーター(OC)の解任を敢行するのはこの4年間で2度目だ。ワシントン・レッドスキンズに16対10で敗れた後、レイブンズは現地10日(月)に今回の人事を発表した。

犠牲者となったのはかつてシカゴ・ベアーズのヘッドコーチ(HC)を務め、2015年からレイブンズに籍を置いたマーク・トレストマン。昨シーズンはクオーターバック(QB)のジョー・フラッコ不在の中、トレストマン指揮下でチームの攻撃ランキングは全体25位と低迷した。レイブンズの2016年シーズンはフラッコが健在であり、現在まで3勝2敗の成績ではあるが1試合平均で19点しか得点できていない。これはトップのアトランタ・ファルコンズがマークしている数字の半分だ。現在はQBコーチを務めるOC経験豊富なマーティ・モニンウェグがトレストマンの代わりとなる。

2012年、キャム・キャメロンを解任したレイブンズはジム・コールドウェルをOCに昇格させてスーパーボウル制覇を成し遂げた。

HCジョン・ハーボウは声明の中で「熟慮の結果、残りのシーズンはOCをマーク・トレストマンからマーティ・モニンウェグに変更することにした。私の使命はチーム、組織、そしてファンに対してベストなチームを作ることである。今日、ホームで2連敗を喫したわれわれは地区、カンファレンス共にまだ1ゲームの差だ。可能であればいかなる箇所も改善していきたい。われわれへの期待度は大きいゆえ、それに応えられるよう頑張る」と述べている。

NFLのTV番組『Good Morning Football(グッド・モーニング・フットボール)』の中でこのトレストマン解任のニュースが流れた際、元レイブンズのランニングバック(RB)ジャスティン・フォーセットは「レイブンズの攻撃陣は本来の姿ではなかった。コーチ陣は“君たちはもうおしまい”といった感じになるのだろう。この解任は本当に想像もしていなかった」とコメントし、加えて「マークがレイブンズに来て以来、彼がチームに対して行ってきた努力や貢献に心から感謝しているし、尊敬している。マークは良い人であり、素晴らしいフットボールコーチだ」と語った。

過去数シーズンを通して分かるのは、シーズン中のコーディネーター解任はどうやら、ポテンシャルを発揮しきれていないチームに刺激をもたらすためのカンフル剤として機能するということだ。1年前、OCジョー・ロンバルディを解任してジム・ボブ・クーターを新OCに抜擢したデトロイト・ライオンズはQBマシュー・スタッフォードに目覚ましい改善が見られた。

今年9月半ばの時点でOCグレグ・ローマンを解任したバッファロー・ビルズが新星アンソニー・リンにその職を任せて以降、成績は0勝2敗から3勝2敗となり、ロサンゼルス・ラムズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、アリゾナ・カーディナルスなどの強豪相手に白星を飾っている。

モニンウェグは2006年から2012年まではフィラデルフィア・イーグルスで、2013年から2014年はニューヨーク・ジェッツでOCを務めた。

モニンウェグの戦術は時折、革新的ともされる。“マーティー・ボール”というあだ名はよく知られており、彼のウェストコーストオフェンスや高いロングパス攻撃を好むといった傾向をうまく表現している。そのモニンウェグのスタイルは過去20年ほどの間で最もビッグプレーを連発するオフェンス陣を生み出してきた。モニンウェグは15シーズンで彼がOCとして務めたチームを8度も得点力とヤード数でトップ10入りさせている。

60歳のトレストマンはCFL(カナディアン・フットボール・リーグ)のモントリオール・アルエッツでヘッドコーチ(HC)を担う前はノースカロライナ州立大のOCだった。2013年から2014年はシカゴ・ベアーズでHCを務めていた。