ニュース

ラムズOTウィットワースがウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞を獲得

2022年02月11日(金) 21:03


ロサンゼルス・ラムズのアンドリュー・ウィットワース【AP Photo/Kelvin Kuo】

NFLで16シーズンにわたり、アンドリュー・ウィットワースは最高の選手をブロックし、プロボウルレベルでレフトタックルを務めてきた。

その間に彼は同じように地域のコミュニティーでも消えることのない印を残してきている。

第56回スーパーボウルを数日後に控え、大きなハートを持つ大男はNFLで最も栄誉ある賞を獲得した。ウィットワースは現地10日(木)にロサンゼルスで開かれた『NFL Honors(NFLオナーズ)』で、2021年のウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞に選ばれている。

式の最後に発表されるだけあって、ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞は“フィールド上での活躍だけでなく、フィールドの外でも傑出したコミュニティー奉仕活動を行った”と認められた選手に与えられるものだ。

「この賞は、フットボールフィールドの上で素晴らしさを見せながら、その外でも真心を込めた行動をしてきた選手のためのものだ」とウィットワースは受賞の喜びを述べ、そのスピーチはNFLの大きく屈強なスターたちを涙ぐませた。「彼らはフィールド上で残した数字だけでなく、その外での生き方においてNFLに名を残した。自分がここに立ち、優秀者ぞろいの2021年ノミニーや過去の受賞者全員を代表できることを恐れ多く、また光栄に思う」

NFLで最高の栄誉を授かったことに感謝を示しつつ、ウィットワースは壇上で他者への支援の協力をリーグの同僚たちに依頼し、還元のためにもっと行動してほしいと呼び掛けた。

「僕たちにはもっとやるべきことがあるということを伝えるためにここに来た」とウィットワースは述べた。「ソーシャルメディアは目的について注意喚起するのに素晴らしい働きをした。でも、それでは足りない。もっと行動が必要だ。認めるかどうかにかかわらず、これが真実だ。僕たちを見に来てくれる人々、テレビでゲームを見ている人々、僕たちのジャージーを購入し、ソーシャルメディアでフォローしてくれる人々、彼らがいるからこそ、僕たちのゲームは存在している。そのおかげでプレーするフィールドがあるんだ。国全体、世界中のコミュニティーからのサポートがあるおかげで、僕たちはキッズゲームを主催する財政的支援や機会を得ている」

「だが、それをどれだけ返すことができている? 自分たちの育った、地元のコミュニティー、あるいは自分たちがここに来るまでに出会った苦しんでいる人々にどんな方法で恩を送ることができているだろう」

ウィットワースにとって、彼がホームと呼ぶ、あるいは以前呼んでいたコミュニティーへの貢献は意外とシンプルな形で可能だという。財政的な還元、時間的貢献、あるいは自分のプラットフォームや声を使って変化を呼び掛ける方法があると彼は説いた。

「それは投資と呼ばれている」と彼は述べた。「その3つをどこかのチャリティーか、自分が情熱を持つ目的のために提供すればいい。時間を投資しても、資金を投資しても、声を上げるだけでもいい。どれかは関係ない。ただお互いに投資し続けることをやめてはいけないんだ。心の導くままに動いてほしい」

1970年に賞が創設されて以来、ロサンゼルス・ラムズで年間最優秀人物賞を獲得した選手はウィットワースが初めてだった。日曜日に40歳の彼が以前の所属チームであるシンシナティ・ベンガルズとの試合に出場すると、彼はスーパーボウルでプレーした最年長のオフェンシブラインマンとなる。また、オフェンシブラインマンが同賞を獲得したのは2011年、ボルティモア・レイブンズのマット・バーク以来のことでもある。

前回の受賞者はシアトル・シーホークスのクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンだった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがいまだ収まらない中で進行した2021年シーズンに、ウィットワースは足首を負傷しながらもラムズのNFC西地区タイトル獲得とスーパーボウル出場に貢献し、その合間に南カリフォルニアとより広い地域への貢献を平等に続けた。

シーズンの初めには『Big Whit Homes for L.A. Families(ビッグ・ウィット・ホームズ・フォー・ロサンゼルス・ファミリーズ)』プログラムを立ち上げ、ラムズがホームで試合をするごとに2万ドル(約230万円)を寄付すると約束した。また、生まれ故郷のルイジアナ州と転居したロサンゼルス住民の中で自宅のセキュリティーに問題のある人々が家を改修し、安心できる場所を手に入れるための寄付も行った。さらに、彼はロサンゼルスの非営利団体で働いて、人々の家賃の支払いや食品雑貨の購入を手伝い、頭金の支払いや家財の確保をサポートしている。8月にハリケーン・アイダがルイジアナ州を襲った際には、『Rebuilding Together(リビルティング・トゥゲザー)』を主導して、損害を受けた家の修復支援に乗り出した。

今回の受賞によって、ウィットワースは自身の選んだチャリティーに寄付するための25万ドル(約2,900万円)を受け取ることになる。

シカゴ・ベアーズのレジェンド、ウォルター・ペイトンにちなんで1999年から現在の名前になった同賞の32人のノミニーには任意のチャリティーに送ることができる4万ドル(約460万円)の寄付金が全員に与えられる。

4度のプロボウルに選出され、2度のオールプロ入りしているウィットワースは日曜日に、ノミニー仲間でベンガルズのディフェンシブラインマンであるサム・ハバードと直接対決することになりそうだ。

ウィットワースとラムズがスーパーボウルで勝利した場合、彼は今回の賞とスーパーボウルタイトルを同じシーズンに獲得した史上4人目の選手となる。過去にそれを成し遂げているのはジョニー・ユナイタス(1970年ボルティモア・コルツ)、ジョー・グリーン(1979年ピッツバーグ・スティーラーズ)とジョー・サイズマン(1982年ワシントン)の3人だ。

だが、スーパーボウルの結末がどうなろうとも、木曜日の最大のウイナーはウィットワースだった。

「だから、心の導くままに、どうか投資を続けてほしい。僕はこのレガシーが継続される姿を見るのが待ち切れない」と彼はスピーチを締めくくった。「忘れてはいけない。このNFLレガシーをつないでいくことは重荷などではなく、恵みなのだということを」

【M】