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HCが空位になっていたドルフィンズに「危険信号はなかった」とマクダニエルHC

2022年02月11日(金) 22:44


マイク・マクダニエルとマット・ラフルアー【AP Photo/Tony Avelar】

マイアミ・ドルフィンズの新ヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは現地10日(木)に報道陣に対し、前任のブライアン・フローレスが起こした訴訟に関係してポジションが空いていたことに関して、自分がその座に就くことをためらうような危険信号は見られなかったと語った。

マクダニエルは記者会見で次のように述べている。「正直、危険信号はまったくなかったと言える。なぜかと言うと、私が足を踏み入れようとしている組織のボスは、世間から正当な評価を受けていないと思ったからだ。(ドルフィンズのオーナーである)スティーブン・ロスのことだ。プロスポーツ界にはお金を稼ごうとする人が多くいて、正直に言って、もし自分がそれほどお金を使うなら、たくさん稼ぎたいと思うだろうが、すでに言ったように、そこへ入ったとき、この建物を隅々まで見て、雇われている人たちを見て、分かったんだ。彼にとっては勝利のために高すぎるコストなど存在しないんだとね。複数の組織にいると、必ずしもそうではないということを実感するものだ」

「マイアミの街は――正しかろうが、間違っていようが、なんであろうが――勝つことしか考えていないオーナーがいて本当に恵まれているし、コーチとしては文字通り、それしか求めていない。それだけだ。だから、危険信号? いや、私にしてみれば危険信号などない」

黒人のフローレスは1月10日に3シーズンを過ごしてきたドルフィンズから解雇された。フローレスはリーグによるパターン化した人種差別的な雇用慣習などについて、2月1日にNFLとその3チーム――ドルフィンズ、ニューヨーク・ジャイアンツ、デンバー・ブロンコス――を提訴。その中で、フローレスの任期1年目のシーズンに、ドルフィンズが2020年のNFLドラフトでトップ指名権を手に入れられるよう、負けるたびに金銭を支払うとロスが持ちかけたという主張がある。ロスはこれらの疑惑を否定している。

2022年の採用サイクルでは9チームがヘッドコーチを募集していたが、白人以外の候補者が採用されたのは2チームだけだった。新たに採用されたマクダニエルとヒューストン・テキサンズのラビー・スミスHCは、ワシントン・コマンダースのロン・リベラHC、ニューヨーク・ジェッツのロバート・サラーHC、ピッツバーグ・スティーラーズのマイク・トムリンHCに続く、マイノリティのヘッドコーチとして採用されている。

多民族の血を引くマクダニエルは木曜日に、自分の人種的アイデンティティーをめぐる公の議論は奇妙なものだと感じていると語った。

「正直に言うと、自分が何者であるのかを定義する問題はとても奇妙に感じる。人々は私を何らかの種に分類するのだろうが、私は自分を人間だと認識しているし、私の父は黒人だ。だからどう呼ぼうと、共通の経験を持つ人々が多くいることを知っている。それが取り上げられるのはおかしな気分だ。私はただ良い人間であろうとしてきただけで、バックグラウンドは少しばかり私の目を開かせてくれるものだと考えている。私には人種差別的な扱いを受けた経験はない。それはたぶん、どちらかというと――いや、そこはよく分からない。だが、私の母が父と結婚した際にそれを経験したことは知っているし、父にも経験がある。家族の中にそういうものはあるんだ。私はそれによって、他の人々の経験に自分を重ね合わせることができる人間になったのだと思う」

マクダニエルを紹介する声明の冒頭で、ロスは他者と気持ちを通じ合わせることができる彼の能力に感心したと述べている。

「彼を知るようになると分かってくるのは、彼のフットボールへの情熱、ゲームのアプローチへの情熱、そして人々との協力の仕方が傑出していることだ。それは何よりも大切だ」と会見で質問を受け付けなかったロスは述べた。「とてもいい刺激になっている。一貫した基盤で情熱と知性を持った人々と仕事ができるというのは、必ず勝者を生むことにつながる。そして、彼以上の人物は見つからないだろう。いずれ分かる。あれほどゲームと勝利に情熱を持ち、正しく勝つことに情熱を抱く者は他にいないとね」

【RA/M】