NFLの調査で疑惑が証明されればオーナー投票によりチームを失う可能性があるドルフィンズオーナー
2022年02月14日(月) 16:55マイアミ・ドルフィンズの前ヘッドコーチ(HC)ブライアン・フローレスが起こした訴訟の中で、チームオーナーのスティーブン・ロスから試合に負けるたびに金銭を支払うと持ちかけられたと申し立てられたことを受け、NFLはドルフィンズに対する調査を実施している。
リーグの調査を知る関係者によると、調査はまだ始まったばかりで、調査員はできるだけ早くフローレスを含む関係者に話を聞く予定だという。現地9日(水)にNFLコミッショナーのロジャー・グッデルが記者会見で「もし違反があったなら、それは許されない」と発言するなど、リーグがタンキング(試合にわざと負ける行為)の可能性を極めて深刻に――そして、試合の公正性を脅かすものと――捉えているのは明らかだ。
関係者によると、フローレスが主張している通り、ロスが2019年シーズンに試合に負けるたびに10万ドル(1,200万円)を支払うと持ちかけていたことが明らかになった場合、他のオーナーたちの投票を経てロスにオーナーの権利を失うという厳しい処分が下される可能性もあるという。オーナーが投票により退任を余儀なくされるという考えについて言及したグッデルは「クラブはリーグからオーナーを排除する権限を持っていると確信している」と強調した。
事実、オーナーはリーグ規則に基づいて、最も悲惨な状況下で他のオーナーを退任させることができ、その場合は4分の3の投票が必要だとリーグ関係者は認めている。
2020年ドラフト全体1位指名権を獲得すべく負けるたびに金銭を支払うことを申し出たという疑惑を、ロスは断固として否定。結局、2020年ドラフト全体1位指名権を手にしたのはシンシナティ・ベンガルズであり、クオーターバック(QB)ジョー・バロウを指名している。フローレスは金銭の申し出を断ったと明かした。ドルフィンズは1月10日に3シーズンにわたってヘッドコーチを務めていたフローレスを解雇している。
ロスは疑惑が浮上した際に発表した声明でこう述べた。「ブライアン・フローレスの申し立てに関して、私は信義と品位を重んじる人間であり、これに応答することなく見過ごすわけにはいかない。このような悪意に基づいた攻撃に対しては断固抗議するとともに、真実を知らしめる必要がある。彼の申し立ては虚偽であり、悪意に基づき、名誉を害するものである。われわれはNFLが彼の主張を調査する意向であるとしているメディアがあることを認識しており、それに全面協力するつもりだ。私はその調査を歓迎するし、このような根拠のない、不当で中傷的な主張から、私個人の品位、そしてマイアミ・ドルフィンズという組織全体の品位と価値を守ってみせる」
グッデルは9日に「どうなるかは推測の域を出ない。なぜなら、何が事実で、その結果は何なのかを見なければならないからだ。そういった事実やわれわれのゲームへの影響を知った上で、リーグに何らかの差別があった場合とまったく同じように、それに非常に真剣に取り組む。それらはとても真剣に対処される」とも語っている。
【RA】