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「どうしても欲しいもの」を手にしたラムズDEドナルド、GMスニードは引退を予測せず

2022年02月15日(火) 00:59

ロサンゼルス・ラムズのアーロン・ドナルド【AP Photo/Elaine Thompson】

ロサンゼルス・ラムズのディフェンシブエンド(DE)アーロン・ドナルドが試合前に行うルーティンの大部分は、世界中が目にしている。ハンドテクニックに取り組んだり、3ポイントスタンスからの突進の精度を高めたり、といった内容だ。だが、ドナルドのルーティンには別の部分、すなわち、パーソナルで、プライベートな部分がある。

ユニフォームを身に着けて相手オフェンシブラインマン(OL)を自動的に開くゲートへと変えてしまう前に、ドナルドは妻エリカさんからのテキストメッセージに目を通す。毎試合前に、ドナルドにはエリカさんから励ましの言葉が届く。第56回スーパーボウルでシンシナティ・ベンガルズと戦った現地13日(日)も例外ではなかった。キャリア最大の試合に備えるドナルドに、エリカさんは3つのことを思い出させている。“私はあなたを愛してる。あなたを誇りに思ってる。あなたはこの瞬間のためにここまでやってきたのよ”と。

ディフェンス部門年間最優秀選手賞に3度輝いたことのあるドナルドは、ポジションを問わず、自分がフットボール界で最悪の対戦相手であることをフィールド上で再び示した。ドナルドは残り43秒でベンガルズがフィールドゴールによる試合延長を目指していたとき、ラムズ側49ヤードラインからの第4ダウン残り1ヤードのプレーでブロッカーたちを蹴散らして突進し、ベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウが投球の準備を整える前にその体制を崩す。放たれたボールは無情にも芝に転がり、ラムズが23対20で勝利を収めた。

「どうしても欲しいものがあるなら、取りに行かなくちゃならない」と言うドナルドは、自分のキャリアに欠けていたスーパーボウル制覇を達成した試合について、次のように続けている。

「それが俺たちのすぐ前にあった。俺たちはリードしていて、自分たちがワールドチャンピオンになるためには、でかいプレーを決めることがディフェンスの肩にかかっていた。どうしても欲しいに決まってる。オフシーズンのすべてのワーク、トレーニング・・・ただこのゲームで最後に立っているチームになるためだけにやってきた。自分の持てるすべてを、そこにつぎ込んできた。容赦なくやること、必要なときに打ち勝つことが大事なんだ。最高クラスの選手っていうのは、最高のゲームで最高のプレーをするもんだ」

ラムズのヘッドコーチ(HC)であるショーン・マクベイは、ドナルドについて「これまでで最高」だと語った。

「彼の近くにいられるだけで本当に光栄だ。誰もがいつも私にアーロン・ドナルドのことを聞いてくるから、私はあなたの想像以上だと言ってやるんだ。彼はこれだけスペシャルな人間で、これだけ素晴らしい選手。私はアーロン・ドナルドを愛している。彼のような男がいるから、コーチをやっているのさ」

試合が終わり、世界中がドナルドのコメントを待っていた間、ドナルドはまた別の未完の仕事にあたっていた。妻や3人の子どもたちとフィールド上に設置されたステージの後ろに集まり、紙吹雪で遊んでいたのだ。それは心温まる情景で、フットボールの世界で最も強力で苛烈な男は、自分の中にいるもう一人の優しい男にスイッチしていた。しかし、ドナルドが子どもたちとの遊びに集中している間にも、エリカさんはこの瞬間が夫にとって何を意味するのかを考えることをやめられなかった。

「これは彼が生きている間にやっておきたいことのリストの中で、達成できていなかった唯一のことだったんです」とエリカさんは言う。

「彼の生涯の目標でしたし、彼にとってはこれを達成できることがすべて。彼はとても集中し、どの週も本当にそれだけに集中してきました。NFCチャンピオンシップゲームが終わったときには祝っていたけれど、すぐに完全に集中した状態に戻り、ルーティンをしっかり守って、どんなものにも気を逸らしませんでした。彼は悲観的になることなく、やらなければやらないことをやったんです」

ラムズが勝って念願が果たされれば引退するのではないかと試合前にささやかれることもあったドナルドだが、試合後のフィールドでは引退を計画しているかとの問いを笑顔でかわし、「俺がいるのはこの瞬間だけだ」としか話していない。

ラムズのジェネラルマネジャーであるレス・スニードは、ドナルド本人よりもはっきりとコメントしている。

ドナルドが引退する可能性について問われた際、スニードGMは「彼はじっくり考えて決めるだろう。だが、私はそう思わないね。彼は若い。退屈になって、何かしなきゃならなくなるはずだ」と語った。

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