「この瞬間を楽しむ」ラムズHCマクベイ、将来については「そのうち分かる」
2022年02月16日(水) 14:05第56回スーパーボウルを終えてブルーとゴールドの紙吹雪が舞うSoFiスタジアムで、ロサンゼルス・ラムズのファンの頭にはヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイが引退するなどという考えはなかった。しかしながら、新たに戴冠したコーチは2022年について、来年の復帰に疑問が生じているスターディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドと同程度にしか明かしていない。
来年もラムズに戻ってくるか問われた36歳のマクベイHCは、『Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)』のディラン・ヘルナンデスに「そのうち分かる」と答えた。
NFLで最も若く、これから何年もプロの世界で活躍できるはずのコーチにしては、ひどくあいまいな態度に見える。マクベイHCがワシントンのタイトエンド(TE)コーチとして、フィールド上に出るNFLのアシスタントコーチの仕事をスタートしたのはわずか11年前のこと。当時は25歳だった。コーチという仕事が人を疲弊させるものではないとは言えない。58歳の元ニューオーリンズ・セインツHCショーン・ペイトンは休息を取ろうとしており、その間はテレビアナリストの仕事をすることになりそうだ。
だが、マクベイHCはどういう状況なのだろう?
「今はこの瞬間を楽しむだけ」とヘルナンデスに語ったマクベイHCは、スーパーボウルタイトルを獲得したことで、その時がきたときに引退の決断はしやすくなるとつけ加えた。
「ここにいられることが本当にうれしい。そのことが幸せだ」とマクベイHCは話している。
ラムズのチーフオペレーティングオフィサー(COO)であるケビン・デモフがうろたえることはなかったが、一方でデモフはマクベイHCがこの仕事につぎ込んでいる仕事と労力は本人にとって健康的ではないだろうとも述べた。
「どれだけの仕事をしているかという点で、家族を持ちたければ、ショーンの今のペースがいつまでも続くものではないと思っている点については同意だ」とデモフはコメントしている。
「だが、ただ1つ言えるのが、彼らは皆フットボールを愛しているということだと思う。彼らはお互いの傍にいて、互いを糧としていくことを愛している。皆から1カ月、2カ月と離れている間に、ずっと良い状況になると思っている」
マクベイHCの契約は2年残っているが、再びスーパーボウルという山の登頂を目指す仕事にひるんでしまったとしても仕方がない。ドナルドの将来が不確かであると同時に、ボン・ミラー、ダリウス・ウィリアムス、ソニー・ミシェル、オデル・ベッカムといった面々がフリーエージェントになる。また、『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によれば、ラムズはこのオフシーズンにサラリーキャップの問題に直面――リミットを1,410万ドル(約16億3,000万円)超過――することになりそうだ。
チャンピオンシップ制覇を果たしたロースターを調整する上での困難とは裏腹に、デモフにとって金銭面はマクベイを維持する上での問題にはならない。
すべてはマクベイHCの意向次第だ。
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