ラムズWRカップに劣らぬ記録を持つも、「俺が手に入れたのは思い出だけ」とラリー・フィッツジェラルド
2022年02月16日(水) 15:222008年のプレーオフを戦っていたラリー・フィッツジェラルドと、今年のプレーオフの旅路を終えたばかりであるロサンゼルス・ラムズのワイドレシーバー(WR)クーパー・カップの間には、類似点がいくつもある。プレーオフのバイウイークがなく、いずれも4つのポストシーズンゲームを経験。2人とも1月に力を発揮し、リングのかかった最大のステージで輝きを放っている。
しかし、フィッツジェラルドはアリゾナ・カーディナルスの一員として2008年のポストシーズンを戦った自分より、カップの方が上だと考えている。
『Arizona Republic(アリゾナ・リパブリック)』のケント・ソマーズによれば、フィッツジェラルドは「俺が手に入れたのは思い出だけ。彼はハードウェアを手にした」と話したという。
フィッツジェラルドが言及しているのはもちろん、カーディナルスが第43回スーパーボウルでピッツバーグ・スティーラーズに27対23で敗れたことだ。この試合でフィッツジェラルドは2回のタッチダウンを含むキャッチ7回、127レシービングヤードという働きでスティーラーズをひりつかせていた。カーディナルスのクオーターバック(QB)カート・ワーナーは377ヤードを記録している。一方のカップもタッチダウン2回を含むキャッチ8回で92ヤードをマーク。2回目のタッチダウンは、残り時間2分で勝負を決定づけるものとなった。カップがMVPに輝いたのに対し、フィッツジェラルドはスティーラーズのWRサントニオ・ホームズがMVPに選ばれるのを見ていた。
しかしながら、結果は別として、そこに至るまでの過程で2人がしてきたことを上回るのは困難だ。
フィッツジェラルドはその年のプレーオフゲームでタッチダウン7回を達成しており、『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、これは単一のポストシーズンにおいてNFL史上最多の数字だという。カップはジェリー・ライスと並ぶ6回で2位につけている。カップがプレーオフで記録した478レシービングヤードも史上2番目。ではトップは誰か? そう、546レシービングヤードをマークしたフィッツジェラルドだ。最多キャッチはカップが記録した33回で、フィッツジェラルドの数字をわずか3回上回っている。
当然、いずれの選手もそれぞれのレギュラーシーズンで圧倒的な力を放っていた。オールプロに選ばれたフィッツジェラルドの1,431ヤードはキャリアハイであり、タッチダウンキャッチ12回もその年のリーグトップ。カップは以前より多い17試合が行われたシーズンに3冠(キャッチ145回、1,947レシービングヤード、タッチダウン16回)という偉業を達成している。
17シーズンのキャリアのすべてをカーディナルスで過ごしているフィッツジェラルド。よりスーパーボウルに近いチームと契約すればチャンピオンシップに挑むチャンスはもっとあったはずだ。カーディナルスがフィッツジェラルドの在籍中にプレーオフに進んだのは、4回だけだった。
しかしながら、1回の栄光のプレーオフを見れば、フィッツジェラルド以上のことを成し遂げた者はいない。少なくとも、今のところは。
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