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ミシガン大学との新契約は早期解約も可能、ジム・ハーボーに残されたNFL復帰の可能性

2022年02月18日(金) 12:25

ジム・ハーボー【AP Photo/Al Goldis】

ミシガン大学に残るというジム・ハーボーの決断には、財政上で高くつくNFLへの旅立ちを選ばなかったという側面があった。

NFL復帰がささやかれた後、ハーボーは今週になってミシガン大学と新たな5年契約に合意。2022年のベースサラリーは700万ドル(約8億1,000万円)を超えている。しかし、より重要なのは、この契約の構造上、ハーボーが自身の意向で離れる可能性が含まれる点だ。

延長契約の初年度でミシガン大学を離れる場合、ハーボーが大学側に支払わなければならないのは300万ドル(約3億5,000万円)のみだ。そこからその額はさらに減少し、2023年なら225万ドル(約2億6,000万円)、2024年なら150万ドル(約1億7,000万円)となり、2025年はわずか75万ドル(約8,600万円)まで下がる。もしハーボーがNFLへの復帰を望むなら、自由を手に入れるのに必要な金額はそれほど高くない。

この契約は少なくとも、もう一つの“パワーファイブ”のヘッドコーチであるオハイオ州立大学のライアン・デイと並ぶものだ。2022年1月31日以前に他の仕事に就くためにバッカイズを離れる場合、デイは大学側に300万ドルを支払うことになる。この数字はその後250万ドル(約2億8,000万円)となり、あとは各年に50万ドルずつ下がっていくと『The Columbus Dispatch(コロンバス・ディスパッチ)』は伝えている。

シカゴ・ベアーズとの契約がささやかれたデイは、今もオハイオ州立大学にいる。一方、ハーボーの名前はヘッドコーチに空きがある2つのNFLチーム(ミネソタ・バイキングスとラスべガス・レイダース)で上がっていた。ウルバリンズ残留を決める前、ハーボーはバイキングスとの面談も行っている。サンフランシスコ・49ersのヘッドコーチだった際、ハーボーはスーパーボウルを制覇することができなかった。ロンバルディトロフィーの追求に引かれる気持ちはまだあると、本人も認めている。バイキングスから関心を寄せられたとき、ハーボーは「それは探ってみたい道だった」と『CBS Sports(CBSスポーツ)』に説明している。

実際に、ハーボーHCはその可能性を探索した。しかし、最終的には面談までで終わっている。ミシガン大学に戻ったハーボーHCは、チームとのベストシーズンを受けて昇給を受けている。ハーボーHCとウルバリンズはビッグ10チャンピオンシップを制し、ミシガン大学で初めてカレッジフットボールプレーオフにコマを進めた。

ハーボーが再びNFLで戦いたくてウズウズしているのであれば、NFLオーナーにとってハーボーをこちら側に呼び寄せるための費用は微々たるものだ。NFL復帰の動きは“一度きり”のものだと話していたハーボーだが、現行契約の構造のおかげで、ドアはまだ開かれている。ハーボーが将来に再びその頂点を目指すのか、いずれ分かるだろう。

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