QBカズンズを指揮するのを楽しみにしているバイキングス新HCオコンネル
2022年02月18日(金) 15:48ミネソタ・バイキングスは協力的なプロセスに焦点を当てた新たなリーダーコンビとともに新時代をスタートさせる。
新たなリーダーたちはまず、クオーターバック(QB)に関してこれから進むべき道筋を一緒に考えていかなければならない。
QBカーク・カズンズは2022年シーズンまで契約を結んでおり、4,500万ドル(約51億8,000万円)のキャップナンバーを占めている。カズンズを6月1日(水)以降にトレードした場合、バイキングスは3,500万ドル(約40億3,000万円)のスペースを空けられるが、そうなると、誰が司令塔を務めるのかという問題が出てきてしまう。
バイキングスとカズンズが分裂するといううわさは絶えないが、カズンズの組織内での立場について聞かれた新ヘッドコーチ(HC)のケビン・オコンネルはそれとは逆の返答をした。
「彼は契約中だし、指導するのが楽しみだ。彼や他のクオーターバック、そしてフロントにいる素晴らしいスキルを持つグループのために、どのようにシステムを構築するのか、すでに考え始めている。オフェンスでフットボールを動かし、走らせ、投げ、レッドゾーンで得点するには、11人全員が必要だ。だが私は、カークがわれわれの一員であることを期待している」
新ジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサは現地17日(木)、この件に関してオコンネルHCに足並みをそろえて次のようにコメントしている。
「繰り返しになるが、彼(オコンネル)が彼(カズンズ)を指導し、導いてくれるのを楽しみにしているし、彼を中心にチームを作り、最高の成功を収めることに集中している」
つまり、カズンズがバイキングスの当面の計画に組み込まれるという話で落ち着いているようだ。とはいえ、カズンズの契約は2022年シーズンが終われば切れる予定で、今シーズンは33歳のクオーターバックにとって、自身の実力を証明しなければならない1年となるだろう。
カズンズについてさらなる質問を受けたオコンネルHCはそうした見方に真っ向から挑まず、元々所属していたチーム――ロサンゼルス・ラムズ――が初年度のQBマシュー・スタッフォードと行った内容を、カズンズを中心としたバイキングスの可能性を示す一例として指摘した。
オコンネルHCはスタッフォードとカズンズについて「フットボールを投げるという肉体的な面で、両者には多くの類似点がある」と述べている。「彼らはエリート投手だと思う。このリーグではクオーターバックとして正確さが第一に求められる。性質や、スクリメージラインでの処理能力、プレーの速さについては多く語られているが、フットボールの精度が高くないと、オフェンスが一貫してボールを動せるかどうかが変わってくる」
「私が彼を見ていていつも感じるのは、彼のフットボールは驚くほど正確だということで、リズムとタイミング、正確さが素晴らしく、そのスキルを生かすために、ロサンゼルスにあったようなオフェンシブシステムを構築できると思っている」
「マシュー・スタッフォードは私がこれまで関わってきた中で最も才能のある選手の一人であり、身体的な面はもちろん、その性質や処理能力、スクリメージライン上で多くのことを実行できるところを、とても尊敬している。そして、カークがそういったことを多くできるようになり、彼の得意なことを最大限に生かしたオフェンスを構築できるようになると思っている」
カズンズはバイキングス在籍時に平均を大きく上回る成績を残しており、この4シーズンはいずれもパサーレーティング99.7以上で終えている。2021年にはパサーレーティング103.1、タッチダウン対インターセプト比で33対7を記録し、2桁のインターセプトを喫したのは4シーズンのうち2シーズンだけとなった。
オコンネルHCによれば、これは強みだと見られているという。2017年にワシントンでカズンズのQBコーチとして1シーズンを過ごしたこともあるオコンネルHCは、カズンズの能力を確信する十分な理由があるのだろう。
マイク・ジマー時代のバイキングスはランに頼ることをいとわなかったが、オコンネルHCが指揮を執るバイキングスは今まで以上にパスプレーを展開させると見られている。ラムズの攻撃コーディネーター(OC)を務めていたオコンネルHCは、ラムズが行っていた方法を手本にオフェンスを展開してプレーコールすると話しており、NFLのヘッドコーチとしての第一歩を踏み出すために、チームの命運を自分の手に委ねている。
木曜日に自ら語っていた通り、オコンネルHCはランニングバック(RB)ダルヴィン・クックやワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソン、アダム・シーレンといったプレーメーカーを含むオフェンスの構築に取りかかるところだ。2022年シーズンにオコンネルHCのオフェンスを遂行する責任を果たせるかどうかは、カズンズの手腕にかかっていると言えよう。
もし成功すれば、退団のうわさは消えて契約延長のうわさが出てくると予想できる。そうでなければ、1年後にまたこの話題に戻っているだろう。
後者の結果とならないように、今回の機会を生みだした功績と最近に得たスーパーボウルリングを称賛されながらも、オコンネルHCは活動を開始する。
【RA】