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QBロジャースというドミノが倒れてから進み方が決まるとパッカーズGM

2022年02月24日(木) 13:15


グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Julio Cortez】

オフシーズンの到来によってグリーンベイ・パッカーズがまた重要な局面を迎えている。

グリーンベイ全体のオペレーションにおいて最も重要なピースは、パッカーズの基軸であるクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースだ。彼なくして過去2シーズンのパッカーズは同じレベルで戦うことはできなかっただろう。この期間、ロジャースは連続してNFLのMVPに選ばれている。

パッカーズのジェネラルマネジャー(GM)であるブライアン・ギュートカンストはその事実を承知しており、たとえ大きな見返りがあろうとロジャースを移動させることに関心を持っていない。また、ギュートカンストGMはフランチャイズの他の部分がどれほどロジャースの決定に影響を受けるかも理解している。果たしてロジャースはチームに戻るのか、どこか他の場所に向かうのか、それとも4度のMVPとして(スーパーボウル制覇は1度だが)引退を決めるのか。

ギュートカンストGMは現地23日(水)に「当然、すべてがそのクオーターバックを中心に回っている。それがわれわれのやり方だ」と述べた。

「大きなピースだ。そのドミノが倒れてから、われわれは他の方向に進むことになる。したがって、このことと、それに合うようなパズルのピースを検討することが重要だ。このプロセスを通じて、アーロンや皆とは大変良い会話を持っている」

パッカーズの今後のロースター構築にとって同じくらい重要なのが、ロジャースのお気に入りのターゲットであるワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスだ。このスーパースターと新契約をまとめられなかった場合、アダムスはフリーエージェンシーへと向かうことになる。使用可能なフランチャイズタグはあるものの、それはアダムスがフリーエージェントになるのを防ぐ最後の手段に過ぎない。フリーエージェントになれば、アダムスに高額のオファーが提示されるのは間違いないからだ。

清算することも長期的な安定性を確保することも阻むことから選手たちが嫌うタグをアダムスにつけることは、パッカーズにとって良策とは言えない。アダムスにタグを使うことは、ロジャースにとってもうれしいことではないだろう。

ギュートカンストGMはアダムスへのタグの使用について「われわれがしたいと思っていることではない。そうする必要がないならしたくない。われわれは両サイドにとってうまくいく長期契約を確かに望んでいる。仮説としては、そこに至る前に多くのことが起こらなくてはならない」と語った。

ロジャースが残留し、アダムスが離脱する可能性もある。特に、パッカーズの現在のキャップ状況を考えればそうなってくる。ロジャースとアダムスの双方を残留させるにはパッカーズがやるべきことは多い。ただ、間違いなく難題ではあるが、不可能ではない。

ギュートカンストGMはアダムスがフリーエージェンシーでチームを離れ、ロジャースが残る可能性もあると認めつつ、“現段階ではすべてがオープン”だと話している。

パッカーズはロジャースが未来について決断を下すまで身動きできない状況だ。ロジャースがフロントオフィスへの不満をあらわにしていた昨オフシーズンとは異なり、今年は問題なくコミュニケーションが取れる状況となっている。とは言え、いずれの陣営も急いでいるわけではない。

「期限はない。われわれは共に取り組んでいる」と言うギュートカンストGMは「シーズン後の会話のインパクトがとても大きかったと思う。繰り返すが、事態が動き、そこから決断をしていかなければならないタイミングというものがあるだろう。しかし、アーロンはそのことをよく分かっている。前にも言ったように、コミュニケーションは実に良好だ」と続けた。

かつてパッカーズのアシスタントを務めていたトム・クレメンツが、2019年と2020年をアリゾナで過ごした上でチームに戻ってくる。この動きはロジャースを喜ばせるためのものだと見る向きが多い。ギュートカンストGMは、これはなだめるためのものというよりは、明確なコミュニケーションの産物だと説明した。

「私はそれにそういった性質を見ていない。そうではなく、これはアーロンが彼の仕事に関係する部分において、いかに会話の一部になっているかを示す例だと思っている」

今のパッカーズは、高額な主要選手を維持するために将来にその代償を支払う形をとったニューオーリンズ・セインツと同じ道をたどりつつある。これはあまり多くの時間が残されていないエリートクオーターバックを擁するチームがとるやり方だ。

何の驚きでもないが、現在のセインツはリーグでも最も悪いキャップ状況にあり、制限を7,600万ドル(約87億2,000万円)オーバーしている。パッカーズも近い将来に同じ轍を踏むかもしれないが、ロジャースとアダムスを維持してついにスーパーボウルで勝利できるのであれば、払う価値のある代償だ。

「われわれのフットボールチームは今、チャンピオンシップをかけて戦う状況にある。今の第一の目標はそれであり、ずっとそうだった」とギュートカンストGMは言う。

「しかし、パンデミックが襲いかかる中、その道を続けるつもりならば、何か違うことをやらなければならなかった。われわれはここで常にチャンピオンシップを視野に入れてきた。大事なのはスーパーボウルだ。そして、われわれのチームをパンデミックが襲うとき、それを続けられるようにわれわれはそれまでとは違うやり方をしようとしてきた。そう、調整してきたのだ」

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