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ブロンコスがシーホークスとの大型トレードでQBウィルソン獲得へ、QBロックを含む選手や複数の指名権を譲渡

2022年03月09日(水) 08:50

シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Matt Ludtke】

たとえそれがアーロン・ロジャースではなかったとしても、デンバー・ブロンコスがスーパーボウルのウイナーであるクオーターバック(QB)を獲得しようとしている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地8日(火)に報じたところによれば、シアトル・シーホークスとブロンコスがQBラッセル・ウィルソンをブロンコスに送り出すトレードに原則として合意したとのことだ。この決断について知る情報元は、大きな見返りとして複数のドラフト1巡目指名権やさらなる指名権、選手たちが含まれると話している。

4巡目指名権1つもデンバーに送るシアトルが受け取るフルパッケージは次のようなものだとNFLネットワークのイアン・ラポポートは伝えた。すなわち、1巡目指名権2つ、2巡目指名権2つ、5巡目指名権1つ、QBドリュー・ロック、ディフェンシブタックル(DT)シェルビー・ハリス、タイトエンド(TE)ノア・ファントだ。

このトレードは身体検査やウィルソンのノートレード条項破棄を待っている状態であり、3月16日(水)に新リーグイヤーが始まるまでは正式なものとはならない。

1年以上にわたってシアトルでの未来に疑問が持たれていたウィルソン。本人はこのオフシーズンにシーホークスに残留したいと話していたものの、今回のトレードによってNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区からAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区へ動くこととなった。

ウィルソンの獲得はブロンコスのジェネラルマネジャー(GM)であるジョージ・ペイトンの見事な戦略だと言える。2015年シーズンを終えたペイトン・マニングが引退して以来、ブロンコスはクオーターバックに長期的な答えが見いだせないでいた。

2021年のウィルソンには好不調の波があった。スタートダッシュを決めながらも、指のケガによってキャリア最初の欠場を強いられ、戻ってきてからは以前と同じ調子とはいかなかった。しかし、シーズン終盤にかけて立て直した様子からは、問題は力の減退ではなく、ケガに起因するものだったことが示唆されている。

今のブロンコスはジェリー・ジューディ、コートランド・サットン、ティム・パトリック、K.J.ハムラーのワイドレシーバー(WR)陣、そして、TEアルバート・オクウェンブナムや若く強いランニングバック(RB)ジャボンテ・ウィリアムズという面々を誇っている。ウィルソンはこの充実した攻撃陣の先頭に立つことになる。

革新的なパッケージがないかぎり、ウィルソンを動かす意向はなかったシーホークス。ブロンコスが提示したのは、断りようのないオファーだった。

ジーノ・スミスがフリージェージェンシーに入る中、ロックの獲得はシアトルのクオーターバックポジションに少なくとも一つの選択肢を与える。とは言え、このポジションについての大きな疑問は残ったままだ。ヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは再建の一部となることを望んでおらず、QBポジションについてどこに行き着くかが、厳しいNFC西地区の中でどれだけ迅速に戦いの構えを取れるかを示すだろう。

クオーターバック以外では、ブロンコスのロースターにはプレーオフ出場の可能な面々がそろっていた。AFC西地区でパトリック・マホームズやジャスティン・ハーバート、デレック・カーらと競うべく、スーパーボウルチャンピオンがブロンコスの先導役としてやってくる。

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