ブロンコスへのトレードが決まったQBウィルソン、シアトルに「永遠に感謝」
2022年03月10日(木) 09:42新リーグイヤーが始まったとき、クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンはデンバー・ブロンコスのメンバーになっている。
現地8日(火)に明らかになったウィルソンを中心とする大型トレードは、今後数日で公式なものになるだろう。フランチャイズの顔である選手が他の場所に行ってしまうことに、ファンたちはまだ感情の整理がついていない。それはウィルソンの方も同じかもしれない。
ウィルソンは水曜日にシーホークスファンに向けた感謝のメッセージを『Twitter(ツイッター)』に投稿した。
SEATTLE, I Love You.
Forever Grateful.
#3.
— Russell Wilson (@DangeRussWilson) March 9, 2022
「シアトル、愛してる。永遠に感謝を」
ウィルソンは2012年ドラフトの3巡目でシアトルにやってきた。この若きクオーターバックがスターダムへのし上がる姿を思い描いていた者が仮にいたとしても、ごく少数だっただろう。ウィルソンはウィスコンシン大学で素晴らしい1シーズンを過ごしたところだった。ノースカロライナ州立大学から学士取得後にウィスコンシン大学に移ったウィルソンは、バッジャーズをローズボウルに導いている。そのスキルは無視できないものだったが、約180cmという身長が影響してドラフトで最初の74位までの指名を逃した。そして、NFLの舞台で大学時代の活躍は繰り返せないと考えている者も多かった。
シーホークスのジェネラルマネジャー(GM)であるジョン・シュナイダーとヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは、ウィルソンを全体75位で指名できたことに満足していた。この投資に対する見返りは驚異的だった。
2011年の先発争いでマット・フリンを見事に倒したウィルソンは、鮮烈なデビューから10年にわたって活躍を続けてきた。シーホークスが2年連続でスーパーボウルに出場するのを支えたウィルソンは、第48回スーパーボウルでロンバルディトロフィーを手にしている。スーパースターとなり、シアトルに確固たる居場所を確保したように見えたウィルソンは、2019年に大型契約を締結。他の主要選手がより良い環境や報酬を求めて去っていく中で、フランチャイズのロースターのトップにとどまり続けた。
2021年に7勝10敗という落胆のシーズンを送ったシーホークスは、競争力のあるチームを再び築く上で必要になる多くの選手や資本を得るために、ウィルソンをトレードに出すべき時がきたと判断。ウィルソンはボールの両サイドに若き才能をそろえ、戦う準備は万端のブロンコスへ向かうこととなる。一方、シーホークスはウィルソンとの10年を懐かしく振り返りつつ、未来に目を向けるだろう。
ウィルソンの“ゴー・ホークス”という一言で記者会見が締めくくられる習わしは終わった。これからはブロンコスのメンバーとしての日々が始まる。
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