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RBマキシックに固執したコマンダースの対応に憤慨するビルズGMビーン

2022年03月20日(日) 16:20


ワシントン・コマンダースのJ.D.マキシック【AP Photo/Nick Wass, File】

2022年NFLフリーエージェント(FA)では予期せぬ展開が多く見られている。

ディフェンシブエンド(DE)ランディ・グレゴリーをはじめとし、ラインバッカー(LB)ザダリアス・スミスやランニングバック(RB)J.D.マキシックは、それぞれクラブと契約に合意した後に方針を転換して契約を結ばなかった。

スミスはフリーエージェントのままであり、グレゴリーはダラス・カウボーイズに戻らずにデンバー・ブロンコスとの契約を選択。マキシックはバッファロー・ビルズと契約に合意した後にワシントン・コマンダースと再契約してチームに戻っている。

マキシックの状況は当然、ビルズのジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンの怒りを買っており、現地18日(金)に報道陣の前に姿を現したビーンGMは、コマンダース側の対応に不快感をあらわにした。

『ESPN』のアライナ・ゲッツェンバーグによると、ビーンGMは次のように述べたという。「あれは大変だった。もちろん、われわれは彼をターゲットにしていたし、一般的にこのビジネスでは合意があればそれでいいということになる。しかし、紙にインクがつくまで、彼の代理人は素晴らしい仕事をしていた。ダグ・ヘンドリクソンとC.J.ラボーイは素晴らしい仕事をしていた。他の組織との兼ね合いもあり、それで痛い目にあったが、彼らは自分たちの行動を選んだのであって、私はそれを止められなかった」

「以前、代理人が何かに合意した後に誰かが電話をかけてきて“100万ドルを追加したらどう? それか、こうしたらどうなる? これを保証したらどうだろう?”と言ってきたことがあった。一度合意したら、代理人はもう終わりだと言うはずだ。この代理人もそうしている。別のクラブに“もう終わっている”と伝えた。しかし、もう一方のクラブが引き下がらなかった」

理論上、キャッチ能力に優れたマキシックはクオーターバック(QB)ジョシュ・アレン率いるビルズ攻撃陣に驚くほどフィットするのではないかと見られていた。しかし、残念ながらマキシックが2年700万ドル(約8億3,449万円)の契約を結んでビルズに移籍することはなく、同じ金額でコマンダースと再契約している。

ビーンGMはビルズに移る前に、コマンダースの現ヘッドコーチ(HC)であるロン・リベラや、同じくコマンダースのフットボール/選手人事担当副社長であるマーティ・ハーニーと共にカロライナ・パンサーズに所属していた。だからこそ、ビーンGMは余計に腹を立てたのかもしれない。

とはいえ、この1週間でジェネラルマネジャー(GM)マーティン・メイヒュー率いるコマンダースのフロントオフィスが非難を浴びたのはこの1回だけではない。

コマンダースは火曜日にディフェンシブタックル(DT)マシュー・アイオニディスを放出。彼の代理人であるアラン・ハーマンはその対応に憤慨していた。

ハーマンは『Associated Press(AP通信)』にこう語っている。「彼らはわれわれの目をまっすぐに見て(コマンダースのフットボール管理部門副社長)ロブ・ロジャースも(もう1人の代理人である)ジャレッド(フォックス)と私に向かって“絶対にない。マット・アイオニディスを放出する考えはない”と言っていた。われわれとしては面と向かってウソをつかれることを特に気にしていない。ただ、私に面と向かってウソをつくような人は気に食わない」

「彼らは、2日間にわたって彼をフリーエージェント市場から排除した。そのためにわれわれは不利な状況にある。他のチームは他のディフェンシブラインマン(DL)と契約を結び、アイオニディスはそれを生かしきれてないからだ。それはナショナル・フットボール・リーグにおけるビジネスのやり方ではない」

火曜日中にAP通信に対してメイヒューGMから謝罪の電話があったと明かしたハーマンは「彼とこのような状況になったのは今回が初めてだ。いつもはプロフェッショナルだ」とコメントした。

アイオニディスは結局、パンサーズとの1年契約にサインしている。

フリーエージェンシーの1週目はいつも荒れ模様になるが、今回も何人かが不快感を覚えているようだ。

【RA】