ブラウンズ、テキサンズとのトレードでQBデショーン・ワトソン獲得を発表
2022年03月21日(月) 10:50クリーブランド・ブラウンズは現地20日(日)、3つの1巡目指名権、2023年ドラフト3巡目指名権と2024年ドラフト4巡目指名権と引き換えに、ヒューストン・テキサンズからクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンと2024年ドラフト5巡目指名権を獲得したと発表した。
今回の発表は、最初にヒューストンでトレードが報じられてから2日後、そしてテキサンズのジェネラルマネジャー(GM)ニック・カセリオが記者にトレードについて説明した翌日に明かされた。
ブラウンズオーナーのディー・ハスラムとジミー・ハスラム、ジェネラルマネジャーのアンドリュー・ベリー、ヘッドコーチ(HC)のケビン・ステファンスキーは20日の発表に際してそれぞれコメントを寄せ、トレード前に実施したワトソンの“評価プロセス”を説明しつつ、今後、フランチャイズを前進させる顔としてワトソンを信頼していると述べている。
ブラウンズオーナーのハスラム夫妻は「デショーン・ワトソンとのトレードの機会をめぐり、その調査に多くの時間を費やした。この決断について、非常に個人的な感情が表明されたことを痛感し、また共感している。われわれのチームは、彼の現在の状況の繊細さ、複雑さを受けて、包括的な評価プロセスを最も重要視していた。現在もいくつかの法的手続きが進行中であることを理解しており、そのプロセスを尊重するつもりだ」と語った。
「アンドリュー・ベリー、ケビン・ステファンスキーとともにデショーンに会い、率直な対話の中で自分たちの優先事項を話し合い、彼がフィールド内外でのキャリアをどのように進めていきたいかを直接聞くことは極めて重要だった。彼は謙虚で、誠実で、率直だ。ブラウンズのコミュニティとフィールドの両方で、自身の名前を確立するために必要なハードワークを理解し、それを受け入れていた。このような綿密で詳細な対話、広範囲にわたる評価プロセス、彼のチームメイトとしての素晴らしさ、NFLやコミュニティ、そして自身のチャリティ活動を通じて他人を助けることに献身的であることが、われわれがデショーンを追求するための基盤となった」
「われわれはデショーンに信頼を寄せており、彼をクオーターバックとして成長させ、彼の誠実な心からの努力を支援していけることに興奮している」
3月11日にはマッサージ中の性的不祥事の疑惑に関してワトソンを起訴するには十分な証拠がないとテキサス州ハリス郡の大陪審が判断したことを受け、ワトソンのトレードが一気に具体化した。ワトソンは22件の民事訴訟にも直面している。26歳のワトソンは現在もNFLの調査を受けており、リーグの個人行動規範に基づく懲罰を受ける可能性がある。
ワトソンは疑惑が持ち上がる前にテキサンズにトレードを要求しており、2021年シーズンの全17試合を欠場していた。
推定される最終移籍候補の4チームの中で、ブラウンズは最初にQB獲得候補から外れたと報じられていたため、ワトソンの獲得は驚くべきものだった。18日(金)に入り、カロライナ・パンサーズが候補から外れた後、アトランタ・ファルコンズとニューオーリンズ・セインツが残りの候補となった。しかし、ワトソンは結局ブラウンズを選び、5年総額2億3,000万ドル(約274億1,328万円)の完全保証の契約に同意する見込みだ。
「デショーンを先発クオーターバックとして迎えることを楽しみにしている。われわれは、過去数カ月間に渡って大規模な調査、法的な情報の整理、事実確認を進め、チームのクオーターバックとして彼を獲得し、ともに成長するのに適切な判断を下すために、必要な情報を収集してきた」とベリーGMは声明の中で話した。
「デショーンはクオーターバックとして非常に優秀な選手であり、ブラウンズのフィールド内外で再起するために必要な仕事を理解している。われわれは、彼のフットボールへの復帰をサポートする中で、彼がチームとコミュニティに積極的に貢献してくれると確信している」
また、ステファンスキーHCは次のようにコメントしている。
「われわれの組織は、デショーンについて膨大な量の調査を行った。懸念や疑問が存在することは理解しているが、GMのアンドリューとスタッフが行った広範な作業に自信を持っており、彼がわれわれの組織に加わることを確信している。チームの評価プロセスの一環としてデショーンに直接会うことは、われわれにとって重要であり、組織やコミュニティへの加入に対する彼のアプローチについて、率直に話すことができた」
「デショーンを指導する機会を楽しみにしている。彼はチームが向上し、コミュニティにポジティブな影響を与えるのに必要なハードワークをする準備ができている」
ワトソンはブラウンズがかつてドラフト1位指名したQBベイカー・メイフィールドの後任となる。チームのワトソンへの注目を知ったメイフィールドはブラウンズにトレードを要請しているが、先発クオーターバックを務めてきた4年目のメイフィールドにはまだ新人契約が1年残っている。
ワトソンのトレードの裏で、ブラウンズはケイス・キーナムとジャコビー・ブリセットのトレードにも合意している。20日、ブラウンズはバッファロー・ビルズとの間で、キーナムと2022年のドラフト7巡目指名権のトレードを行った。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによると、ブラウンズはニューイングランド・ペイトリオッツ、インディアナポリス・コルツ、マイアミ・ドルフィンズでバックアップを務めたブリセットとの契約も締結している。
【AK】