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WRアダムスの契約がWRヒルの状況を180度変えたと代理人

2022年03月25日(金) 11:16


カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒル【NFL】

2022年における前例のない選手の動きは1つの動きが次の動きを生み出し、さらに次の動きを生む、ドミノゲームのようなものだと言えよう。ある動きに対し、対抗手段としての動きがとられてきた。

この点を強調するためには、ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスのラスベガス・レイダースへのトレードが一番よい例となるはずだ。両者の間ではワイドレシーバーの基準の報酬額をリセットするような新契約が結ばれている。この動きは直接的にカンザスシティ・チーフスが現地23日(水)にスターWRタイリーク・ヒルをマイアミ・ドルフィンズにトレードする動きをもたらした。

ヒルの代理人であるドリュー・ローゼンハウスは木曜日に出演した『AM 560 Sports(AM 560スポーツ)』の“The Joe Rose Show with Zach Krantz(ジョー・ローズ・ショー・ウィズ・ザック・クランツ)”で、チーフスはヒルとの新契約に向けて進展していたが、アダムスの契約によって交渉が急展開したと明かしており、次のようにコメントしている。

「シーズン終了後、チーフスと新たな契約延長に関する話をし始め、ゆっくりだが確実にタイリークの新契約を成立させる方向で話が進んでいた。それからデイバント・アダムスのトレードが成立し、アダムスは記録的な契約を手に入れた。すぐに契約内容を見直してチーフスと話し合い、これがタイリークのマーケットであるべきだと、とても前向きな話をした。そして、もしそうでなければ、チームにとっては前例のないトレードを行い、タイリークにとっては最高額のレシーバーにしてくれるチームに行くという、全員が利益を得られることをするのが正しいと思った」

この時系列は水曜日の騒動に至るまでに分かっていたこととすべてがかみ合っている。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはフリーエージェンシーの間、ヒルがNFLで最高額レベルの報酬を得るワイドレシーバーになる新契約に向けて、チーフスと共に調整していると伝えていた。

最終的に、ヒルが結んだ年平均2,100万ドル(約25億6,261万円)の契約とアダムスがレイダースと結んだ年平均2,800万ドル(約34億1,681万円)の契約によって、チーフスの取引は破綻している。

ヒルがアダムスの契約金額を上回りたいと望んでいることを受けて、チーフスはオフェンスの主力選手を失ったとしても、決別こそがすべての当事者にとって最善だと判断したようだ。

ローゼンハウスは「肝心なのは、彼が契約の最終年だったということだ――実は、その1週間前にチーフスが望んでいた契約の再構築に向けて取り組んでいたところだった」と繰り返し述べ、こう続けている。「そして、本当にこのまま契約延長に向けて取り組んでいくように見えていた。(中略)その後に、アダムスの契約が本当にすべてをひっくり返した。チーフスはタイリークが契約最終年であることを見通していたと思うし、われわれはアダムスの契約より良くない取引はしないつもりだった。だから、タイリークがいるのは今年が最後だろうということで、このポジションを再構築する機会だと思ったのだろう。また、ドルフィンズはチーフスのようになることを目指しているチームだ」

ヒルがチームをチーフスのレベルまで押し上げてくれることを期待して、ドルフィンズはヒルを元のチームから引き離すために大金――保証額7,220万ドル(約88億1,779万円)――を投じている。

【RA】