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ファルコンズHCスミスとの再合流を楽しみにするQBマリオタ、「彼がやっていることを本当に信じている」

2022年03月26日(土) 16:35

マーカス・マリオタ【AP Photo/David Zalubowski】

クオーターバック(QB)マーカス・マリオタがアトランタ・ファルコンズに移ったのにはいくつか重要な理由がある。例えば、再び先発QBになるチャンスや、アーサー・スミスと再会する機会があることが挙げられる。

現在、ファルコンズのヘッドコーチ(HC)であるスミスは、マリオタがテネシー・タイタンズの一員として最後に先発を務めた2019年シーズンに同じチームで攻撃コーディネーター(OC)を務めていた。この年にマリオタは大きく苦戦していたため、当時のヘッドコーチであるマイク・ブラベルは、彼をベンチに戻してベテランバックアップQBライアン・タネヒルと交代させるしかなかった。その後、タネヒルがタイタンズをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲーム出場に導く存在にまで成長した一方で、マリオタはチームを離れて別の場所で仕事を探している。

ラスベガス・レイダースで仕事を見つけたマリオタは、臨時的なスナップに参加するバックアップとしての役割を担っていた。今度は、そのときの映像を手にし、スミスとの関係もすでにできている中で、アトランタに移ってスミスと再合流しようとしている。しかし、ここで疑問が湧いてくる。なぜ、マリオタは自分をベンチに下げたスタッフの1人であるスミスの下でプレーしたいのだろうか。

マリオタは現地25日(金)にスミスについて「まあ、彼はいつも正直だったんだ」と話している。「物事がうまくいかなかった2019年当時も、いつも正直に話してくれた。選手である自分にとって、それは本当にありがたいことだ。いつでも俺がもっと良くなるようにと目を向けてくれていて、ポケットの中と外、オフェンスの処理の仕方、ディフェンスの見方とか、小さな改善点を見つけることを大切にしてくれていた」

「アート(アーサー)はいつもそばにいて、まっすぐに向き合ってくれるような人だし、自分が何をしようとしているのかも、彼がここでどんな文化を築いているのかも分かっているからこそ、ここに来られて興奮している。アートと彼がやっていることを本当に信じているからね」

2020年シーズンに行われた1試合でQBデレック・カーのリリーフとしてプレーしたおかげで、マリオタはフットボール界から再び意識されるようになった。負傷によってその上に実績を積むことはできなかったが、マット・ライアンをインディアナポリス・コルツにトレードしたファルコンズはクオーターバックを必要としていた。そして、マリオタは先発を務めるチャンスを求めていたため、今回の加入が実現している。

マリオタは次のように語った。「結局はチャンスに結びついた。もちろん、プレーするチャンスがあるし、すぐにでも先発するチャンスがあると言われている。本当に、自分にとっては、キャリアのこの時点で求めていたものだった。どんな状況であっても、彼らをリードし、その能力を最大限に発揮させるためにベストを尽くさなければならない」

「だからといって、必ずしもスターターになるとは限らない。バックアップとして、そういうことは十分にできるし、それを学んできた。でも、アートがいれば、彼はいつも正直な態度をとってくれるし、自分は最大限に力を発揮して何ができるかを見極められるんだ」

カーのリリーフを務めた1試合は、マリオタが2015年ドラフト全体2位で指名されたことを人々に思い出させた。マリオタはパス28回中17回成功、226ヤード、タッチダウン1回、インターセプト1回を記録し、その過程で運動能力、投球の才能、正確さを見せつけている。そして、最も重要だと思われるのは、彼が近年の困難な状況から得たと思われる冷静さを披露したことだ。

マリオタは「2019年のあのシーズンまでさかのぼると、実に3年間もいろんなことを学んできた。精神的にも肉体的にもボロボロだった。今回はこの数年間で学んだことを見せる絶好の機会だと思う。本当に高いレベルでプレーしてきたライアン・タネヒルやデレック・カーが周りにいた」と振り返っている。

「アートとは、コミュニケーションをとり、胸の内を打ち明け、オフェンスのために最善と思われることを提案できる関係を築いてきたと思う。それから、彼はいつも俺に正直でいてくれて、改善すべき点があれば、一緒に取り組んでくれる。だからこそ、この状況を信じていて、この機会を楽しみにしている」

マリオタがバックアップとして得たものは、2人の先発選手(タネヒルとカー)から学ぶチャンスだけではない。何よりも重要な、きちんとリセットした状態を手に入れたのだ。マリオタには心身ともに回復し、成功するためにより良い状態になる時間が与えられていた。

タイタンズでの最後の1年間を振り返りながら、マリオタは「キャリアの中で、コーチを喜ばせるためにできることは何でもやろうとしていた時期があって、自分が嫌だと思うことや、ベストな状態にはならないと思っていることを、必ず伝えようとはしていなかった」と明かした。「そういう面では、本当に成長できたと思う。(ジョン)グルーデンコーチやデレックを見て、そういう関係やコミュニケーションの取り方をたくさん学んだ気がするし、ここでアートと一緒にやってみたい」

「すでに話した通り、アートはとても協力的で、いつも背中を押そうとしてくれるし、もっとコミュニケーションをとれるような存在になろうとしてくれる。キャリアの現時点で、これまでの経験からそれが分かっているから、自分たちはうまくやっていけると思う」

マリオタはリセットした状態をファルコンズで生かしたいと望んでいる。オフシーズンでも、シーズン全体を通しても、その価値を証明するために動くだろう。それがうまくいけば、ファルコンズは2023年に再びクオーターバックを探し求める必要がなくなるかもしれない。

【RA】