2022年にQBアレンのラン数を減らすことを検討するビルズHCマクダーモット
2022年03月27日(日) 17:20NFL5年目のシーズンを迎えるクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンに、バッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットはさらなる成長を期待している。また、これまでとは少し異なった方法でそれを実現させることも望んでいるようだ。
つまり、マクダーモットHCはアレンに走る回数を減らしてほしいと望んでいる。
マクダーモットHCはリーグの年次総会でのインタビューで『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタに対して次のように述べた。「そう、われわれは進化したいのだ。フィールド上でも、フィールド外でも、スキーム上でも、常に進化しようとしているし、ジョシュの走りや走らせる回数についても、そうして進化させ続けなければならない。チームのために正しく行動することが、彼のためになることを確認する必要がある。だから、そのあたりを注意深く見守っていくつもりだ。とはいえ、ジョシュの競争心とスピリットだけは決して奪わない。だから、彼はやるときにはやるだろう」
昨シーズンにランで過去最高の活躍を見せたアレンはキャリー122回で763ヤード、タッチダウン6回をマーク。キャリー平均6.25ヤードという記録は、昨季のリーグ最高記録を出したシアトル・シーホークスのランニングバック(RB)ラシャード・ペニーの記録とわずか小数点以下の差しかなかった。
一方で、アレンのパスとラッシングのコンビネーションは前代未聞の素晴らしさだったと言えよう。
1シーズンで750ランヤードを達成したリーグ史上10人目のクオーターバックとなったアレンは、同じシーズンに4,000ヤード以上を投げた唯一の選手にもなった。2020年にアリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレーが3,971パスヤード、819ランヤードを記録したが、同じシーズンで4,000パスヤードと600ランヤードを突破したQBはアレンとカロライナ・パンサーズのキャム・ニュートンしかいない。
身長約196cm、体重約108kgでまだ25歳のアレンは、そのような負荷に耐えられるようにつくられている。しかし、何を犠牲にしているのだろうか。パスアテンプト数では2021年も好調を維持していたが、前シーズンに比べてパス関連の記録が軒並み減少した。また、それと同時にビルズ攻撃陣の得点力と効率も落ちている。こういった数字から、マクダーモットHCは今後に受ける可能性がある批判を減らすために、アレンに変化を促そうとしているのかもしれない。
マクダーモットHCは「好んで受け入れてくれるかは分からない。自分から言いたくはない。本人に聞いた方がいいと思うが、彼は口論になるのをためらわない時がたまにある」とコメントした。
ただし、アレンは3シーズン連続でキャリー100回を超え、キャリア平均では105.5回を記録している。昨年はビルズの中でRBデビン・シングルテリーに次ぐラッシャーとして活躍し、ポストシーズンの2試合ではチーム最多の134ランヤードを稼いだのだ。
プレーオフでも絶好調だったアレンは、637パスヤード、タッチダウン9回、インターセプト0回、パス成功率77.4%という最高の成績を収めた。アレンのプレーはエリートQBたちと比べても優秀であり、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドからコマを進められる実力は十分に保証されている。ブライアン・ダボールの代わりにケン・ドーシーが攻撃コーディネーター(OC)に就任したように、これからの挑戦は変化への挑戦だ。AFCの各チームがメンバーの増強を図る中で、ジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンも今オフシーズンに、ランニングバックとワイドレシーバー(WR)のデプスを深めてオフェンシブラインを強化し、ディフェンシブフロントを刷新している。
とはいえ、ビルズが持続力を持つためには、クオーターバックが向上する方法を見つけ続けなければならないとマクダーモットHCは分かっている。アレンが走る量を減らすことがチームにとってより重要な意味を持つということを、ビルズはこれから学んでいくのかもしれない。
「ジョシュがまだ5年目だということを忘れてはいけないし、ジョシュはもちろん、私やブランドン、チーム全員が、ジョシュが前進し続けられると思っている」と強調したマクダーモットHCは「ジョシュはそれに全力を注いでいる。それは模範を示す優れたリーダーの証だ」と続けた。
【RA】