QBライアンの獲得について「お互いに必要としていた」とコルツHCライク
2022年03月28日(月) 10:16インディアナポリス・コルツはここ数シーズンで5人目となる先発クオーターバック(QB)を迎えて2022年シーズンに臨もうとしている。このQBの回転木馬を見過ごすわけにはいかない。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、コルツはNFL史上唯一、4シーズン連続で異なるクオーターバックが15試合以上に先発したチームだという。長年にわたってアトランタ・ファルコンズに在籍し、ここ12シーズンで一度も欠場していないQBマット・ライアンを獲得したことで、コルツはその驚異的な記録をさらに伸ばそうとしている。
その4シーズンすべてでコルツのヘッドコーチ(HC)を務めてきたフランク・ライクは、ライアンがこの流れを止めるだけではなく、コルツを約束の地に導くクオーターバックになると信じているようだ。
ライクHCは現地27日(日)に行われたリーグの年次総会での取材で『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロに対し、「誰もが客観的に見て、これは良いフィットだと思ったのではないだろうか。まだ高いレベルでプレーしている選手と、話題に上るようなチームやロースターが一緒になったのだから、誰もが納得できるはずだ。われわれはお互いに必要としていた」と述べている。
ライクHCによれば、3月9日にQBカーソン・ウェンツをワシントン・コマンダースにトレードしてすぐの頃、コルツはライアンに注目していなかったという。しかし、QBデショーン・ワトソンがアトランタに上陸するとのうわさが立つとすぐに、コルツは2016年にAP通信年間最優秀選手に選ばれたライアンの獲得という構想を練り始めた。ワトソンは最終的にクリーブランド・ブラウンズを選んだにもかかわらず、ライアンが理想的な選手だと判断したコルツはライアンへの追求を粘り強く続けた。
「初めに注目するのは、精度が保たれているか、腕はどうなのか、という点だ」とライクHCは説明している。「だから、ここ数年の投球をすべて掘り下げて見てみた。球速、距離、正確さ、動き、どれをとっても身体能力が衰えているようには見えない」
トレーニングキャンプが始まる頃に37歳になるライアンは、2021年に11シーズン連続で4,000以上のパスヤードを記録するまで、あと32ヤードに迫っていた。オールプロに選出されたランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーがNFL屈指のボールキャリアーに成長し、若手で構成されたワイドレシーバー(WR)陣と7人のプロボウラーを擁していることもあり、マットがコルツオフェンスに円滑に移行できると考えているライクHCはそれに期待を寄せている。
「このオフシーズンにマットやコーチ陣と一緒に、その点を掘り下げていくのを楽しみにしている」と語ったライクHCはこう続けた。「これまでやってきたことの80%とか90%をそのままやって、あとは微調整していく予定だ。彼の映像にはすべて目を通していく。彼がアトランタでよくやっていて、その成功を支えてきたコンセプトを引き出すつもりだ。彼がそれらをどのように考え、それがわれわれのやり方をどのように補完するかを聞き、それらのいくつかを統合する方法を見つけていく。そうすれば、彼と少し話しただけで分かったのだが、きっと一緒に何かを作り上げられるはずだ。その中には、彼が以前からやっていたことと、われわれが今までやっていたことをまとめたものもあるが、それでも一緒に作り出せるものもあるだろう。それが楽しみだ」
コルツの2021年シーズンは、それまで2勝しかしていなかったジャクソンビル・ジャガーズにシーズン第18週に衝撃的な敗北を喫して事実上、プレーオフ進出争いから脱落するという惨状に終わった。ライアンの加入でインディアナポリスに新たな時代が訪れると見ている一方で、心が折れるような経験が今後、選手のためになると考えているライクHCは、こう話している。
「われわれが経験したような形でシーズンを終えると、いつまでも苦しみが残るものだ。決して消えはしない。私自身のキャリアだけでなく、スポーツの歴史を見渡しても、このようなことは何度もあった。大きな挫折や失敗を経験した後に、それが次のレベルへ進むためのきっかけになるということがね。インディアナポリスでも同じことが起きると信じている」
【RA】