プレシーズンはQBラブにとって好機になるとパッカーズCEO
2022年04月12日(火) 10:54グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)ジョーダン・ラブはNFLで3年目のシーズンを迎えるが、かつての1巡目指名選手が先発出場する道は見えていない状況だ。
NFLのMVPを2度受賞しているQBアーロン・ロジャースの非常に高額な契約延長がそうさせているのだろう。ロジャースはどこにも行く予定がなく、少なくともすぐにはチームを離れない。つまり、ラブはまたもやロジャースの後ろで待機しながら過ごすシーズンを迎えようとしている。
もしラブがレギュラーシーズンに出場機会をあまり得られないのであれば、2021年にも実践したように重要ではない試合で何らかの有望さを示す必要があるだろう。
パッカーズCEOマーク・マーフィーはトム・グロッシとのインタビューで「彼はいい選手になれると思っているが、まだ十分に見ていない。だから、このプレシーズンは彼にとって良いものになると思う」と述べた。
かつて元QBブレット・ファーブの後ろに座って数シーズンを過ごしたロジャースにとっては、極めて身近なシナリオだろう。しかし、状況は異なっており、ファーブは今後5シーズンで2億1,300万ドル(約267億3,896万円)という信じられない金額を約束されていたわけではない。
一方のラブはキャリア1年目でインアクティブリストの奈落の底に姿を消していたところから、2021年プレシーズンに再浮上している。このとき、ラブはプレシーズン第1週で好プレーを見せ、最終調整を図る第3週の試合では好調な仕上がりを見せていた。レギュラーシーズンにはロジャースが出場できない場合か、もともと予定されていた場合にのみ出場し、6試合(そのうち先発出場1回)でパサーレーティング68.7という迫力に欠ける数字を残している。
唯一、ラブが先発出場した試合でパッカーズオフェンスは7点しか取れずにカンザスシティ・チーフスに敗れており、パッカーズが後継者育成計画を開始するきっかけにはならなかった。ロジャースの直近2シーズンのプレーを見ると、そのようなプロセスが開始されることはないかもしれない。
その最大の理由は、ラブの新人契約は5年目オプションを含めて契約期間が2024年までとなっていることだ。ロジャースの契約は2026年まで延長されており、6月1日(水)以降の放出によって2024年までに一部分を消化できるデッドキャップヒットが含まれていない。
ロジャースが引退しない限り、パッカーズにはクオーターバックの将来に関する決断をする機会がないのかもしれない。ラブがロジャースの正統な後継者になれるという証拠は今のところほとんどなく、タイミングが合わない可能性もある。
そこで、パッカーズが過去にこのような状況にどう対処してきたかについて、マーフィーCEOは次のように説得力のある主張をした。
「彼を指名したことに疑問の声が多く上がっているようだが、リーグでは重要なポジションだ。アーロンをドラフトで指名したときも同じことを言われた」
これまでに記した通り、この2つの状況は似て非なるものだ。ロジャースが毎年のように判断に迷っていることが意外にも引退につながり、将来的な資本を増やすためのテコ入れにとどまらなければ、それは変わるかもしれない。
しかし、今のところ、ラブは与えられた機会を最大限に生かすことでしか、組織内での地位を高められない。ロジャースがヘルメットではなく、キャップをかぶってサイドラインに立つのが最善である場合のみ、その機会は訪れるだろう。
【RA】