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オハイオ州立大学がスプリングゲームで故ドウェイン・ハスキンズを追悼へ

2022年04月12日(火) 13:03


ピッツバーグ・スティーラーズのドウェイン・ハスキンズ【AP Photo/Terrance Williams】

クオーターバック(QB)ドウェイン・ハスキンズはオハイオ州立大学で目に見える形で功績を残しており、それはこれからも残り続けるだろう。

オハイオ州立大学のフットボールチームであるバッカイズのヘッドコーチ(HC)ライアン・デイが現地11日(月)に報道陣に対し、16日(土)に行うスプリングゲームでハスキンズを追悼する予定だと明かした。

ハスキンズは9日(土)にフロリダで車にはねられて悲劇的な死を遂げている。24歳だった。

ハスキンズがオハイオ州立大学に入学するまでの道のりは、物語にするにも出来過ぎなほどだ。11歳の時に初めてオハイオ州コロンバスを訪れたハスキンズは、背中に自分の名前がプリントされた7番の赤いジャージを着て、大学のフットボール施設を見学した。父親がビデオカメラでハスキンズの言動をすべて記録しており、ハスキンズはいつかオハイオ州立大学に入学してクオーターバックをやるのだと話していた。

そして、J.T.バレットの後を継いでそれを実現させたハスキンズは、バッカイズのクオーターバックとして新たな高みに到達している。2018年に2年生にして先発組に昇格したメリーランド州出身のハスキンズは、パス成功率70%で4,831ヤードを稼ぎ、タッチダウン対インターセプト比で50対8を記録してオハイオ州立大学とビッグ10カンファレンスの両方でシングルシーズンのパス記録を樹立した。

ハスキンズは45対24でノースウエスタン大学を下したビッグ10チャンピオンシップで499ヤード、タッチダウン5回を記録。28対23でワシントン大学に勝利したローズボウルでは251ヤード、タッチダウン3回をマークしてバッカイズの一員としてのキャリアを終えている。

好パフォーマンスを見せたことでハイズマントロフィー投票では3位となり、マックスウェル・アワードの最終候補にも選ばれた。そして、2019年NFLドラフトへの参加を表明したハスキンズは、ワシントン・レッドスキンズ(現ワシントン・コマンダース)から1巡目で指名されている。2021年シーズンはピッツバーグ・スティーラーズで過ごしていた。

ハスキンズの1年間にわたる活躍はオハイオ州立大学のクオーターバックの基準をリセットするものとなり、後続のクオーターバックに新たなハードルを与えることになった。QBジャスティン・フィールズはオハイオ州立大学の先発としての2シーズンで5,701ヤード、タッチダウン67回を記録して通算パスヤードとタッチダウン数でハスキンズを上回っており、2021年ドラフトでシカゴ・ベアーズから1巡目指名を受けている。

ハスキンズの後に続くのは、ハスキンズと同じ7番をつけながらバッカイズでの最初のシーズンで4,435ヤードとタッチダウン44回を記録した2021年ハイズマンファイナリストのC.J.ストラウドだ。ストラウドは月曜日のセッション中に“Simba(シンバ)”の愛称で親しまれたハスキンズに向けた追悼のメッセージを練習用ジャージーに書き込んでハスキンズを称えた。

ストラウドはハスキンズの貢献で大きく舵を切ったチームのために再び重責を担うことになる。ハスキンズはフィールドでの活躍だけにとどまらず、人々の記憶に残り続けるだろう。

『ESPN』のアダム・リッテンバーグによると、デイHCはハスキンズについて「11歳の時にこの施設を歩いて“絶対にこれをやってやる”と言った。そして、彼はそれを実行したのだ。それが彼の残したレガシーだ」と語ったという。

【RA】