新人契約最終年を迎えるイーグルスRBサンダース、「いつもより当事者意識を持っている」
2022年04月12日(火) 17:00フィラデルフィア・イーグルスのランニングバック(RB)マイルズ・サンダースはNFLのキャリアにおいて極めて重要な4年目のシーズンを迎えており、本人もそのことを軽く考えてはいないようだ。
ペンシルベニア州立大学出身でドラフト2巡目指名を受けてNFL入りしたサンダースは、2022年にキャリアの軌道を大幅に修正できる可能性があることを理解している。期待を寄せられながらキャリアをスタートさせたサンダースだが、この2シーズンで悔しい思いを何度も味わってきた。すでに証明している能力を発揮できたら、ルーキー契約を終えてから契約延長に踏み切るかどうかという難しい決断をチームに迫ることができるだろう。しかし、ジェネラルマネジャー(GM)のハウィー・ローズマンに自分の価値を証明するためには相当な仕事量――ここ2シーズンでは見せたことのないようなもの――が必要だ。
『Pro Football Network(プロフットボール・ネットワーク)』によると、サンダースは「まだ、証明しないといけないことがたくさんある」と語り、「多くの人は俺がやってきたことを評価してくれないし、自分には証明すべきことがまだまだある。今年は本当に自分のこととして考える。注目され、尊敬されるような方法を見つけて、今年はノーと言われても気にしない。健康であり続けること、そして出場可能な状態を保つこと、それが今年の最大の目標だ」と続けたという。
サンダースはヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニ率いるオフェンスに対するイーグルスファンの不満を体現していた。イーグルスはサンダースのようなプレーメーカーがバックフィールドにいても、ランプレーの実行を避けているように見えるユニットになっていたのだ。
しかし、2021年シーズン半ばになると、シリアニHCはオフェンスの軸足をランプレーに移している。イーグルスは最終的に1試合あたりのランヤードでリーグトップに立った。サンダースもその恩恵を受けてシーズン第13週と第14週で2度120ヤードを突破し、シーズンを通じて754ヤードを稼いでいる。
とはいえ、サンダースのキャリー数はわずか137回で、タッチダウンランは1回も決められなかった。健康上の問題でフルシーズンを戦えず、5試合の欠場を余儀なくされている。サンダースが出場できなくなってから、ジョーダン・ハワードやボストン・スコット、ケニス・ケインウェルが代わりに出場機会を得ただけではなく、デュアルスレット型ランナーへと成長を遂げたクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツがランヤードでチームをけん引し、不気味なことにサンダースの記録とほぼ同じ生産性を発揮するようになったのだ。
2021年の成績からすると、イーグルスはサンダースがいなくても理論的には問題ないだろう。それでも、サンダースはそのような考えをあっさりとは受け入れておらず、こう語った。
「一番になりたい。そうなるためにトレーニングしている。一番になりたい、それだけだ。そこに到達できるようにくたくたになるまで頑張るんだ。今年はちょっとだけいつもより当事者意識を持っている」
当事者意識を持つことは、ハーツを締め出そうとしていることを意味しているのではない。サンダースはハーツがイーグルスを再びNFLの頂点に導いてくれる存在だと確信していると明かしつつ、次のように褒めている。
「見ているだけで文字通り、試合ごとにどんどん慣れていったのが分かるし、さらに多くのことを担っているのがゲームにも表れている。どんどん慣れてきて楽しんでやっている。うまく調和が取れたら、どんなチームでもスーパーボウルに進出できるはずだ」
一方、サンダースはチーム内の他のランニングバックについてはあまり考えていないようだ。イーグルスあるいは他チームで大型契約を勝ち取れるシーズンにするために準備を進める中で、サンダースは自分の可能性を最大限に発揮することだけに集中している。それには健康状態の維持も含まれている。
「あんまり休んでいなくてちょっとケガをして、手の治療をして今はもう大丈夫だ」とサンダースは強調した。「去年はポテンシャルがあったし、それをどう活かしたかは見ただろう――プレーオフには進出したけど、俺たちはそんなもんじゃない。新しいピースをたくさん迎えた。一緒に早く戻って化学反応を起こして、いい形でシーズンをスタートさせたい」
リードバックの役割を担うことができれば、サンダースの将来は明るいはずだ。チームの成功に大きな影響を与えたいのであれば、2021年シーズンにキャリア史上初めてタッチ数で175回を下回ったサンダースは、イーグルスオフェンスでより大きな貢献をしなければならないと分かっている。そして、それはサンダースの未来の契約内容にも間違いなく影響を与えるだろう。
【RA】