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QBデレック・カーがレイダースと3年152億円の延長契約に合意

2022年04月14日(木) 00:27


ラスベガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/Ron Schwane】

レイダースがカーとの1億2,150万ドル(約152億7,948万円)の3年契約に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが現地13日(水)に伝えた。

すでにAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)で最も長い在任期間を誇るカーは、今回の契約によって2025年シーズン末までレイダースにとどまることになる。また、この契約にはノートレード条項も含まれているという。カーは2017年にレイダースと5年1億2,500万ドル(約157億1,963万円)の延長契約を結んでいた。

カーは新たな契約延長により、年平均4,050万ドル(約50億8,722万円)を得ることになり、平均年俸では全クオーターバックの中で5位にランクインする。カーをエリートクオーターバックだと見なさない人々にとっては驚きの数字ではあるが、カーはリッチ・ギャノンがMVPを受賞した2002年シーズンに打ち立てた記録を塗り替え、2021年シーズンにパスヤードでレイダースの単一シーズン記録(4,804ヤード)を達成しており、レイダースにとっては十分に価値のある金額と言えよう。

優秀ながらエリートまではいかないクオーターバックの相場は、リーグのトップシングルコーラーたちの報酬が最高額を刻んでいくに応じて上昇している。パスファーストのNFLでは報酬の上昇は論理的に理にかなっており、2021年シーズンにカーのパフォーマンスを見守っていた人々にとってはレイダースが既存契約の最終年以降もカーを確保したことは賢明だったという見解に同意するだろう。

一方で、反対派の人々は時間をかけてカーの直近のパフォーマンスを振り返ってみるべきかもしれない。カーはパス成功率(64.8%)、1試合あたりのパスヤード(282.6)、アテンプトあたりのパスヤード(7.7)でトップ8に入っている。94というパサーレーティングは2020年(101.4)と2019年(100.8)を下回っているが、シーズン中にヘッドコーチが離脱し、トップレシーバーもいなくなった周りの状況を考えれば、カーのプレーは実際のところ素晴らしいものだったと言えるはずだ。

レイダースは数々の逆境を乗り越え、レギュラーシーズン最終月にはクリーブランド・ブラウンズ、インディアナポリス・コルツ、ロサンゼルス・チャージャーズに土壇場で勝利するなど、懸命の追い上げを見せてプレーオフ進出を果たした。レイダースはシンプルに言って、2014年から2017年の4年間と比べても、2018年から2021年の過去4シーズンにパス成功率、試合毎のパスヤード、アテンプトあたりのパスヤード、パサーレーティングのすべてにおいて、パサーとして大幅に効率的であることを証明してきたカーの存在なくしてスーパーワイルドカード週末には到達できていなかっただろう。

また、カーは2018年以降、NFLのパスヤード記録でパトリック・マホームズ、トム・ブレイディ、マット・ライアンに次ぐ第4位につけており、さらに言えば、2020年と2021年にNFL最優秀選手賞(MVP)を獲得したアーロン・ロジャースを上回る成績を残しているのだ。加えて、2014年のドラフト以来、115試合以上に先発出場した7人のクオーターバックの1人に数えられ、コンスタントに試合に出場してもいる。

カーは決してエリートとは言えないかもしれないが、エリートクラスのクオーターバックに近いレベルでプレーしているのは確かだ。

【A/C】