ニュース

オハイオ州立大学がスプリングゲームで故ドウェイン・ハスキンズを追悼

2022年04月17日(日) 09:45

ワシントンのドゥエイン・ハスキンズ【AP Photo/Patrick Semansky】

痛ましい事故から1週間が経った現地16日(土)、クオーターバック(QB)ドウェイン・ハスキンズが母校であるオハイオ州立大学のスプリングフットボールゲームでその生涯をたたえられた。

キックオフ前には、亡くなったハスキンズをしのぶために参加者が黙とうを捧げており、バッカイズによる毎年恒例のエキシビションではハスキンズのことをいつまでも思い出させるようなものが至るところで見られた。

バッカイズの選手はヘルメットに“DH”と書かれたデカールを、コーチ陣は“DH”と書かれたピンバッチを付け、オハイオ・スタジアム南東部分にある5ヤードライン付近の芝生にも同じようにハスキンズのイニシャルが書かれていた。オハイオ州立大学のファンと卒業生も“ホースシュー(馬のひづめ)”という愛称で知られるスタジアムの外側にハスキンズの記念碑を設置している。

ハーフタイムに追悼映像が流れた後、オハイオ州立大学のヘッドコーチ(HC)ライアン・デイがチームを集めてフィールド上で祈りを捧げた。現在、バッカイズに所属している選手のうち、2018年にハスキンズと共にプレーしていたのは計11名だ。

ハスキンズは4月9日にフロリダ州で自動車にひかれて亡くなっている。24歳だった。

バッカイズの先発QBだったハスキンズは大学2年生時の2018年に印象的な活躍を見せ、一躍スターの座にのし上がった。このとき、パスヤード(4,831)、タッチダウンパス(50回)、パス成功率(70.0%)、パス成功数(373回)、1試合あたりのパスヤード(345.1)、トータルオフェンス(4,939)、トータルタッチダウン(54回)でシングルシーズンの歴代最高記録を樹立している。ハスキンズは2018年にバッカイズを13勝1敗という成績に導き、チームはビッグ10カンファレンス優勝とローズボウル優勝を果たした。ハスキンズは両試合でMVPに選ばれている。

オハイオ州立大学でのハスキンズのレガシーは高く評価されている大学のQBポジションに新たな基準を設けた。ハスキンズに続いて、ジャスティン・フィールズがバッカイズで過ごした2シーズンでその基準を満たし、シカゴ・ベアーズからドラフト1巡目指名を受けている。現在、その優秀さを受け継いでいるのが先発QBのC.J.ストラウドだ。ストラウドは土曜日にハスキンズが過去に身につけていた7番のジャージーを着用していた。

ハイズマントロフィーの投票で3位、マックスウェル・アワードのセミファイナリストに選ばれたハスキンズは輝かしい成績を残した2年目が終了した後、残りの試合出場資格を見送るという選択をしている。

その後、ワシントン・レッドスキンズ(現ワシントン・コマンダース)から2019年ドラフト1巡目(全体15位)指名を受けたハスキンズ。ルーキーシーズン終盤で7試合に先発出場し、トレーニングキャンプでのポジション争いを経て、2020年シーズン第1週の先発に指名されている。しかし、シーズン第4週までにチームは1勝3敗となり、ハスキンズはシーズン途中にベンチ入りを余儀なくされた後、リリースされるという形で波乱のシーズンを締めくくった。

2021年シーズンを前にしてピッツバーグ・スティーラーズから新たな機会を与えられたハスキンズは、そこでバックアップの役割を得ている。スティーラーズでの初年度で出場機会はなかったものの、2022年シーズンを迎えるにあたり、チームからテンダーを提示されていた。悲劇的な死を遂げるまで、ハスキンズは新たなポジション争いに加わろうとしていた。

【RA】