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燃料切れで連絡が取れない夫を案じて通報していたハスキンズ夫人

2022年04月21日(木) 13:28

ドウェイン・ハスキンズに哀悼の意を示すオハイオ州立大学の選手たち【AP Photo/Jay LaPrete】

ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)ドウェイン・ハスキンズが今月初めにダンプトラックにひかれて亡くなった際、ハスキンズ夫人は事故から間もない段階でフロリダの緊急通報番号に連絡し、ハスキンズの車が燃料切れになったことと、夫が電話に応えなくて心配であることを告げていた。録音された内容が現地20日(水)に公開されている。

事故について当時知らなかったカラブリヤ・ハスキンズさんは、4月9日にピッツバーグからフロリダ州ハイウェイパトロールの通信指令係に連絡し、24歳の夫がフォートローダーデール近郊から電話をかけてきて、燃料を確保するために徒歩で移動中であり、後ほどまた電話すると話していたことを伝えた。夫からの連絡が入らなかったためにかけなおしたものの、夫は電話に出ないとカラブリヤさんは通信指令係に述べている。

カラブリヤさんは途切れる音声で「誰かに現場に行って、彼の車があるのか、彼が無事なのか、彼に何か起こっているのか見てほしいんです」と話しており、かけなおさないのは「彼らしくない」と続けた。

ハイウェイパトロールにはすでに、フォートローダーデール・ハリウッド国際空港付近の州間道路595号で明け方頃に発生した事故について、多くのパニック気味の通報を受けていた。しかし、通信指令係は緊急隊員が到着し、ハスキンズが亡くなっているのを確認したのをまだ知らなかった模様だ。ハスキンズはサウスフロリダでスティーラーズのチームメイトたちとトレーニングしていた。

通信指令係は「パニックにはなってほしくないのですが、正直にお話しします。ハイウェイで事故がありましたが、あなたの夫だったのかどうかは確認できていません」と応答している。

さらなる情報を待つハスキンズ夫人に“こらえて待つ”よう通信指令係が伝えた後、電話の保留中にカラブリヤさんは泣き出し、祈り始めた。その内容はほとんどが不明瞭だったが「神様、どうか。神様、どうか」という言葉が聞き取れる。

電話に戻った通信指令係はカラブリヤさんに、誰かから電話が行くため、電話の近くにいるよう伝えた。

水曜日に発表された事故報告によれば、目撃者はハスキンズがハイウェイを横切ろうとした際にダンプトラックの進路に入ったと話している。トラックによって別の自動車の進路に強くはじかれたハスキンズは、この車にも衝突された。

ハスキンズは2018年にオハイオ州立大学で活躍し、パスにおいていくつかの大学記録を打ち立てたほか、ビッグ10チャンピオンシップゲームと、バッカイズがワシントン・ハスキーズを退けたローズボウルの両方でMVPに選ばれている。土曜日、ハスキンズは母校でその生涯を称えられた。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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