ワークアウトが始まる中で「流動的な」QBメイフィールドの状況には触れないブラウンズHCステファンスキー
2022年04月21日(木) 14:37クリーブランド・ブラウンズは他の多くのチームと同じように練習施設に戻った。ヘッドコーチ(HC)のケビン・ステファンスキーは久しぶりに選手たちが一堂に会することができて喜んでいる。
新しい顔ぶれが増え、チームは打ち解けるのに忙しくなるだろう。中でも注目を浴びたのは、クオーターバック(QB)のデショーン・ワトソンが自主参加のオフシーズンワークアウトの1週目に参加していたことで、現地20日(水)にはステファンスキーHCへの質問が相次いだ。
質問の中にはワトソンが現在抱えている訴訟問題や出場停止処分の可能性に触れたものもあった。ステファンスキーHCはこの件に関する新しい情報はなく、「新しい情報があれば、調整して対処する」準備はできていると記者団に話している。
一方でワトソンや彼と同じように加入したばかりのクオーターバックは、新しいチームメイトと知り合い、新しい攻撃システムを学ばなければならない。ワトソンのスキルセットは、元先発QBのベイカー・メイフィールドが持っているものとは異なり、ブラウンズのスキームはステファンスキーHCが指揮してきたこれまでのものからはだいぶ変わる可能性がある。ステファンスキーHCと彼のスタッフはすでにそのプロセスを進めており、オフシーズンを通してそれを継続していくという。ステファンスキーHCは次のように述べている。
「クオーターバックの場合、コラボレーションであってほしいと思っている。クオーターバックは一人ひとり違って、それぞれの特徴を活かさなければならない。デショーンは自分がやったことのないことに挑戦するのにとても前向きだ。われわれも同様に、例えばこのチームでやったことがなくても、彼が多くの成功を収めているスキームがあれば、積極的に取り入れていく。それはまだ進めているところだが、一つ言えるのは、昨日と今日、彼と一緒に過ごす中で、彼は選手として確実に成長したいと思っていることが伝わってくる。いろいろなコンセプトに挑戦することに意欲的だ」
「こういうことが、この時期の良さだと思っている。フィールドはいわば実験室のようなものだ。さまざまなことを試して何がうまくいくかを見てみる。うまくいくことがたくさんあることを願っているし、それらをトレーニングキャンプにも取り入れられればと思う。最終的に重要なのは、われわれのクオーターバックにとって何がしっくりくるかで、彼が好まないものをやる必要はない」
「だが、そこに至るまでにはたくさんのミーティングを重ね、たくさんのことを取り入れ、練習に励まなければならない。そうすることで初めて、どれだけ変更する必要があるかが見えてくる」
ブラウンズはこのオフシーズン中にクオーターバック勢を総入れ替えしており、先ずは大型トレードでヒューストン・テキサンズからワトソンを獲得し、その後にジャコビー・ブリセットとジョシュア・ドブスと契約している。メイフィールドはこのオフシーズン中のどこかでトレードあるいはリリースによってチームを離れる見込みだ。メイフィールドのバックアップを務めてきたベテランのケイス・キーナムはすでにバッファロー・ビルズに移籍している。
今のブラウンズは、同じようなスキルを持ち、調整されたスキームが求めるあらゆる職務をこなす能力のある3人のクオーターバックを擁する。そのスキームを構築するためにはチーム全体の努力が必要だとステファンスキーHCは言う。また、NFLから出場停止処分を受ける可能性のあるワトソンだけに頼ることはできず、もしそうなった場合は、先発の経験もあるベテランのブリセットがワトソンの代わりに先発するとのことだ。
クオーターバックたちについてステファンスキーHCは「3人の優秀なクオーターバックが加わったと思っている。彼らはいくつか共通するスキルを持っている」と述べた。「その点では全員がまったく同じというわけではないが、3人ともより体格がよく、運動能力も高い。最終的にはこの3人が何を得意とするかということであり、彼らが得意とすることはいくつもあって、われわれはそれを確実に活かしたいと思っている」
問題は、ワトソンがチームに馴染めるかどうかと、NFLでのワトソンのステータスが引き続き不安定な中、他の選手が外部の騒動にどう対処するかということだろう。ワトソンの法的な問題が解決するまでこの話題が絶えることはなく、ステファンスキーHCは外部の雑音ではなく、目の前の仕事に集中できるかどうかはチームの他のメンバー次第だとコメントした。
「建物の中にいる時はミーティングルームだろうとウェイトルームだろうと、そして最終的にはフィールドに出た時でも、目の前のことに集中しなければならないことを彼らは自覚しているはずだ」とステファンスキーHCは述べた。「この建物の中にいる限りは仕事をする。それがプロというものだ。彼らはそれをやっている」
雑音と言えば、最近にポッドキャスト番組に出演したメイフィールドはブラウンズから「軽視されている」と騒ぎ立てていた。ステファンスキーHCはメイフィールドの発言について言及することを避け、オフシーズンの現時点での、元全体1位指名選手のメイフィールドとチームとの関係についての追加情報を漏らすことはなかった。
「これはかなり変わった流動的な状況だ。われわれは引き続き対処していくつもりだ」とステファンスキーHCはコメントするに留まっている。
AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区で優勝し、強豪ぞろいのカンファレンスを突破してスーパーボウルに出場することを目標にロースターを刷新したブラウンズは、これから本拠地で過ごす時間はたっぷりとあり、仕事も山積みだ。ブラウンズは重要なポジションを確保しつつ、他の主要選手もつなぎ留めたことができたと考えている。チームは今週に、要となる役割を担うコーナーバック(CB)のデンゼル・ウォードと5年1億50万ドル(約129億520万円)の延長契約を結んでいる。あとはブラウンズに多くの注目が集まるであろう新たなシーズンに向けての準備を進めるだけだ。
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