タイタンズがドラフト3巡目でリバティ大学QBマリク・ウィリスを指名
2022年04月30日(土) 15:22クオーターバック(QB)マリク・ウィリスは2022年NFLドラフトの3巡目でようやく指名を受けた。
テネシー・タイタンズが現地29日(金)夜に全体86位でリバティ大学のウィリスを指名している。
タイタンズは3巡目でウィリスを指名するためにトレードアップした。その引き換えとして、ラスベガス・レイダースに全体90位指名権と169位指名権を送っている。レイダースは全体90位でメンフィス大学のガード(G)ディラン・パラムを選んだ。
今回の候補生の中で最も熱く議論されていた可能性が高いウィリスは、特に身体能力の高さが際立っており、QBの中で最も才能のあるアスリートの1人としてNFL入りしようとしている。ウィリスは優れた腕力を誇り、いとも簡単にNFLレベルの投球を披露できるはずだ。先発を務めた2年間では5,117ヤード、タッチダウン47回、インターセプト18回をマークしている。
走力にも恵まれているウィリスは、身長約184cmと小柄ながらも下半身に厚みがあり、相手の守備を乗り越えて走ることが可能だ。2020年には944ランヤード、タッチダウンラン14回という記録をたたきだし、フットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS)の中でクオーターバックのトップに輝いた。ラン以外の分野の向上に取り組むとしても、その走力を武器に即戦力となれるだろう。
ウィリスに関して言えば、天性の体格の良さは問題にならない。多くのスカウト担当者が懸念しているのは、質の高い相手との対戦成績の悪さや、リバティ大学ではあまり要求されてこなかった守備の処理能力、そして不安定なパス精度だ。
ウィリスは2017年にオーバーン大学に入学。バックアップとして2年過ごした後、リバティ大学に移籍して先発の座を狙った。平凡なメンバーに囲まれたにもかかわらず、ウィリスは格下の相手に対して、その身体能力を生かして腕力と脚力でディフェンスを切り裂き、輝きを放っている。しかし、リバティ大学が行うオフェンスでのウィリスの処理能力には疑問があった。
QBの候補生の中で最も身体能力が高いウィリスは、これからNFLで1年をかけて予測、ビジョン、相手ディフェンスを読む力を鍛えることになるかもしれない。しかし、それらがすべて融合すれば、そのデュアルスレット能力は桁外れな利点となるだろう。
2巡目で指名されると予測されていたにもかかわらず、3巡目の中盤で指名されたのは、ウィリスがプロレベルの投球と処理能力を発揮するまでにどれくらいの時間が必要なのかが分からなかったからだ。1シーズンを丸ごと下積みに捧げる必要があるのだろうか? それには2年かかるのだろうか? 何年も先発出場の準備が整わない可能性のある選手をどれくらいの順位で指名すれば良いのだろうか?
その答えは、あまり高順位とはならなかった。
とはいえ、ウィリスは危険にさらされることなく、成長に向けて取り組む時間を与えてくれるタイタンズに加入している。昨年にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区で優勝したタイタンズは少なくともあと1シーズン、QBライアン・タネヒルを擁しているはずだ。
ポストシーズンで苦戦したタネヒルのせいでタイタンズの長所が制限されたと信じている一部のファンは、チームが今オフシーズンにタネヒルと決別することを求めていた。契約内容と、QBとして15位の成績を収めたことを考えると、タネヒルが2022年に他チームに行くことはないだろう。
一方で、タイタンズは最終的にタネヒルの後任となる高いポテンシャルを秘めたクオーターバックを迎え入れた。
今、ウィリスは彼の才能を見限った多くの人々が間違っていることを証明しようとしている。
【RA】