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レイブンズにトレードを要請していたことを認めたWRマーキス・ブラウン

2022年04月30日(土) 21:32

マーキス・ブラウン【AP Photo/Ross D. Franklin】

2022年NFLドラフト1巡目では混沌とした動きがいくつもあったが、ボルティモア・レイブンズがワイドレシーバー(WR)マーキス・ブラウンをアリゾナ・カーディナルスにトレードしたのは最も衝撃的な展開の1つだったと言えよう。

レイブンズのクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンを含む、多くの人々が驚きの声を上げた一方で、それはブラウンにとって驚くべき出来事ではなかった。ブラウンは現地29日(金)に以前からトレードを要請していたことを明かしている。

ポッドキャストの『I Am Athlete(アイ・アム・アスリート)』に出演したブラウンは「ああ、シーズン終了後にトレードを要請した」と語った。

レイブンズのジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタは木曜夜、金曜日にブラウンが詳しい説明をする前にそのことについて言及している。

『ESPN』によると、デコスタGMは「複雑な話題だ。長い間、悩んだ末のことだった。彼から聞くと思うが、春を通して何度も話し合ってきた」と述べたという。

ジャクソンはトレードが成立した後、ソーシャルメディアを通じて不安感をあらわにしたが、それはジャクソンが以前から現実になると予想していた出来事でもあった。

「それはただ、自分の幸せのためだった」とブラウンは話している。「2年目を終えた後、ラマーにそれを話した。3年目のシーズンになって、シーズン終盤になると、彼はプレーしていなかった。だからまた、なあ、俺はもう無理だって伝えたんだ。ラマーのせいじゃないよ。ラマーのことが大好きだ。ただ、個人的にシステムが合わなかっただけだ。チームメイトはみんな大好きだ。大好きなんだけど、自分自身のために考えなければならないことだった。レイブンズとはお互いに正しい方法で対処した。俺は表に出て何かを公表することはせずに、ただ家の中で仕事を続けていた。すべてがうまくいった」

『ESPN.com』によれば、カーディナルスのジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムは木曜日に、今回のトレードは以前から話し合われてきたことであり、チームはブラウンの5年目オプションを行使することを目的にしていると明かしたという。

2019年NFLドラフト全体25位指名を受けたブラウンは、昨年に初めて通算1,000ヤードを達成したが、これまでの成績はブラウンがレイブンズオフェンスで快適に過ごしていることを象徴するものとは言い難かった。それが最終的にレイブンズからの移籍を望むきっかけとなったのだろう。

ブラウンは「何度もその状況に置かれたというだけだ」と強調した。「カレッジ時代もレシーバーとして、それほど多くのボールをキャッチしてこなかったけど、置かれていた状況は自分が成長するのに役立つものだった。それから、(レイブンズでの)キャリアを通じて、自分がベストな状況に置かれていないと感じるようになった。それは俺が対処していたことだ。でも、文句を言ったことはない。ラマーのために、ただ働き続けた。スーパーボウルで勝とう。スーパーボウルで勝とうと思いながらね」

ブラウンの状況は、レイブンズが全体23位指名権を獲得するために3巡目指名権と共にブラウンをカーディナルスにトレードしたときに変わった。レイブンズはここで得た指名権を別の指名権とのトレードで使用している。

ジャクソンが動揺していた一方で、カーディナルスのQBカイラー・マレーは有頂天になっていた。これは、契約延長が決まらないことにマレーが不満を抱いているとの報道が後を絶たなかったオフシーズンを過ごしたカーディナルスにとっては良い兆候だと言えよう。

「さあもう一回やるぞ! ハリウッドが砂漠へ・・・ようこそマイボーイ!」

カリフォルニア州サンタクラリタにあるカレッジ・オブ・キャニオンズで成功した後、オクラホマ大学に移ったブラウンは、そこでマレーと一緒にプレーしていた。

マレーと再会を果たすブラウンは、ディアンドレ・ホプキンスやA.J.グリーン、ロンデール・ムーアといった優秀な選手がそろうWR陣に加わる。また、そこにはタイトエンド(TE)ザック・アーツもいる。

ブラウンは希望していたレイブンズからの退団を実現させたものの、ジャクソンとプレーする日々が終わったのは明らかに大きな意味を持っているだろう。とはいえ、自分がいなくてもそのデュアルスレットQBが指揮を執る限り、レイブンズは成功すると確信しているようだ。

「今でも、レイブンズはラマー・ジャクソンのおかげで、必要としている状態になれると思っている」と語ったブラウンは「だから、自分は必要なかったんだと思っている。彼らのスキームでやれば、とにかくうまくいくはずだ。俺は自分が幸せでいられるような状態になって、自分にできる方法で貢献できる環境にいきたかっただけだ」と続けている。

【RA】