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全体29位でGを指名という謎の選択を説明するペイトリオッツHCベリチック

2022年04月30日(土) 23:06

ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/Elise Amendola】

サプライズに満ちた現地28日(木)夜の2022年NFLドラフト1巡目は、大規模なトレードがヘッドラインを飾ったが、中でもラスベガスで最も奇妙な選択をしたのはビル・ベリチックのニューイングランド・ペイトリオッツだった。

彼らは全体29位でテネシー大学チャタヌーガ校のオフェンシブラインマン、コール・ストレンジを指名している。ベリチックの率いるチームがドラフトで小さな学校のそれほど知られていない選手を選ぶというのは驚くほどのことではない。成功を収めた彼のフットボールブランドに合う無形資産を探し求めるのはペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)にとってよくあることだからだ。

「彼はわれわれにうまくフィットする良い選手だと感じた。コールはわれわれのチーム、そしてシステムにうまくはまるだろう」とストレンジについてベリチックはチームの発表したコメントで述べている。「間違いなく、彼は良い選手だよ」

ストレンジはテネシー大学チャタヌーガ・モックスで1年目に先発入りを果たした。196cm、139kgという体格の彼は、最終学年までにセンター(C)を含めてインテリアオフェンシブラインのすべてのポジションに入り、多くの経験を積んできた。大学ではランブロッカーとして才能を発揮し、『NFL.com』のダニエル・ジェレマイアが選ぶドラフト候補生トップ150では74位にランクインしていた。

「そう、どんな選手であっても複合の産物なので、どんな機会であっても、機会があるなら評価を行う」とベリチックは言う。「シニアボウルもその一部だった。非常にコンペティティブな上昇だったよ。彼らは何度かサウスイースタン・カンファレンス(SEC)チームとプレーして、彼のワークアウトも非常に良かった。彼はとても運動神経が良く、サイズも大きくてスマートだ。いろいろなことができて、ツールも多く持っている。NFLに入って来るときはどんな選手もそうだが、彼にはこの先長い道のりが待っているだろう。だが、われわれは彼と仕事をするのを楽しみにしている」

ペイトリオッツの選択はハリウッド・ヒルズに借りたドラフト用マンションでその様子を見ていたロサンゼルス・ラムズの幹部を含め、多くの人々を驚かせた。

「ペイトリオッツが29位でコール・ストレンジを指名したときのラムズのリアクション」

ペイトリオッツはストレンジを指名する前に1巡目内でトレードバックしており、全体21位と引き換えに3巡目と4巡目の指名権を手に入れている。

「ああ、まあ、もしわれわれが21位を持ったままだったとしたら、間違いなく誰かを指名しただろう」とベリチックは述べた。「それが彼だった可能性も十分にある。分からないが、トレードする前に何チームかと話をした。そこでは他の会話もされていたが、最終的にわれわれが選んだのは彼だった」

「順番が来たときにコールが残っていてほっとしたよ。言った通り、私は自分たちが21番目でもベストだと思われる選択をしたと考えている」

ドラフトに先立って、ペイトリオッツはGシャック・メイソンをタンパベイ・バッカニアーズにトレードする代わりに5巡目指名権(全体170位)を手に入れていた。1巡目での必要性についてベリチックは説明したが、ストレンジの指名は過去7シーズンにわたってペイトリオッツで先発を務めたガードを失ったためにしたことではないという。

「いや、そういうわけではない。われわれは普段、意図的にこのポジションが必要だとかあのポジションが必要だとか言いながらドラフトを迎えることはない」とベリチックは述べた。「ときにはそのようになることもある。昨年がそうだし、今年もそうだった。だが、他のポジションや他の選手をわれわれが考慮しなかったわけではない」

「候補生たちは大部分でおおむねわれわれが考えた通りにボード上から消えていった。繰り返すが、われわれはベストな選択をしたと思っている。21位でも29位でも、最終的には29位だったが、われわれは自分たちに与えられた最善の道を選んだ。その2つの地点で、われわれは自分たちにできるベストな選択をしたと感じている」

プロセスの中でペイトリオッツがドラフト指名権を増やしていることを考えると、ストレンジの指名はいかにもベリチックらしいと言える。だが、6度のスーパーボウルチャンピオンに輝いたヘッドコーチにこの段階で誰が疑問を投げ掛けられるだろうか。

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