「すべてが終わったわけではない」と最後のドラフトを終えたスティーラーズのコルバートGM
2022年05月02日(月) 10:54今週末はピッツバーグ・スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)であるケビン・コルバートにとって、最後のドラフトとなった。
コルバートGMはスティーラーズに22年間在籍したベテランで、過去12回のドラフトをブラックとゴールドのGMとして過ごし、その間に18年連続で勝率.500以上というチームの前人未到の成功を支えた選手たちを指名してきた。コルバートGMが2022年のNFLドラフトを最後に退任することは、この週末の数カ月前には発表されていたが、彼はこれからも組織内で別の役割を担うと思われる。スティーラーズはまだ後任を発表していない。
現地30日(土)に迎えたドラフト3日目にコルバートGMとチームが4人の選手を指名した後、コルバートGMはチームとともに成し遂げてきたことを振り返って感傷的になる姿を見せた。
スティーラーズを離れることになった今の気持ちを記者たちに聞かれたコルバートGMは「自分がより良い仕事ができたとは言いたくない」と答えてこう続けた。
「チームのトロフィーを増やせたことは誇りに思っている。着任した時はすでに4つあった。自分がやらなければならないことも分かっていた。亡き前オーナーのダン・ルーニーのことを思うと、トロフィーを勝ち取ることができたことは私にとって大きな意味を持つ。だからと言ってすべてが終わったわけではない。次のステップでもその数を増やし、その志を決して失うことはない。それでも、多くを成し遂げたと思っている」
コルバートGMが入社とともにスティーラーズのドラフトを担当するようになった2000年以降、チームは21人のプロボウラーと7人のオールプロのファーストチーム、そして殿堂入りを果たしたセーフティ(S)のトロイ・ポラマルを指名してきた。スティーラーズはコルバートGMがフットボールオペレーションのディレクターを務めていた2005年から2008年シーズンにかけて、5個目と6個目のスーパーボウルタイトルを獲得している。コルバートGMがスティーラーズの社員として初めてジェネラルマネジャーの肩書を持つようになった2011年以降、チームはレギュラーシーズンで111勝64敗2分、ポストシーズン進出7回、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区優勝4回、スーパーボウル進出1回を記録している。
ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンは「22年以上の間、彼がこの組織に貢献したことは格別であり、私の賛辞など必要ないだろう。その功績がすべてを物語っている」と土曜日に述べた。
コルバートGMがジェネラルマネジャーに昇格してからドラフト指名した特筆すべき選手には、ディフェンシブエンド(DE)キャメロン・ヘイワード(2011年ドラフト1巡目)、ガード(G)デビッド・デカストロ(2012年ドラフト1巡目)、ランニングバック(RB)リビオン・ベル(2013年ドラフト2巡目)、アウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワット(2017年ドラフト1巡目)、WRジュジュ・スミス・シュスター(2017年ドラフト2巡目)や、2021年ドラフトで入団した新人RBナージー・ハリス、タイトエンド(TE)パット・フリーアムスなどが挙げられる。
コルバートGMは2004年のドラフトで、イーライ・マニング、フィリップ・リバースに続く3人目のシグナルコーラーとして、フランチャイズクオーターバック(QB)となったベン・ロスリスバーガーの指名を監督していた。これからコルバートGMはビッグ・ベンに続いてチームを去ることになるかもしれないが、その前に彼の後任をしっかりと確保している。フリーエージェンシーでベテランQBのミッチェル・トゥルビスキーをロースターに加え、スティーラーズはピッツバーグ大学のクオーターバック、ケニー・ピケットを全体20位の指名権で獲得した。スティーラーズが1巡目でQBを指名したのはロスリスバーガー以来となる。
だが、コルバートGMはこれだけに留まらなかった。彼は全体52位でWRジョージ・ピケンズを、全体138位でWRカルビン・オースティン三世を、そしてスティーラーズの現役選手の弟でもあるフルバック(FB)のコナー・ヘイワードを指名し、これまで同様に今回のドラフトでも有力なレシーバー達を手に入れた。さらに、1968年以来初めて、スティーラーズは2人目のクオーターバックを指名し、サウスダコタ州立大学のクリス・オラドクンを7巡目の終盤で念のために獲得している。これがスティーラーズのGMとしてコルバートが行った最後の指名となった。
「試合と似たところがある」とコルバートGMは話す。「試合が終わると感謝したり考えたりするものだが、本当に反すうするのは静かな中で一人きりになった時で、次に何をしたら良いのか分からなくなる」
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