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QBライアンの長期的な活躍を望むコルツオーナー

2022年05月02日(月) 12:03


インディアナポリス・コルツのマット・ライアン【AP Photo/Michael Conroy】

2022年NFLドラフトでは8チームがクオーターバック(QB)を指名したものの、インディアナポリス・コルツは指名しなかった。それは当面の間、新たに契約を結んだベテランQBと共に取り組んでいくことに完全に満足しているということだろう。

コルツは先月にQBマット・ライアンをトレードで獲得した。オーナーを務めるジム・アーセイは現地4月30日(土)のドラフトが終わった後、コルツはライアンを単に若くて優秀な選手が現れるまでのつなぎとして見ているのではないと明かしており、ライアンが数年間にわたって先発を務めることを望んでいると話している。

『ESPN』によると、アーセイは「マットには4年くらい、ここにいてほしい。長期的に活躍できる若手に目を光らせているのは確かだ」と述べたという。

過去5シーズンで司令塔が6回も変わってきたコルツには、数年ぶりにQBポジションの安定性がもたらされた。実際に、『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、4シーズン連続で異なるクオーターバックが15試合以上に先発出場したチームはNFLの歴史の中でコルツだけだという。

昨年、ポジションを安定させたかったコルツは、QBカーソン・ウェンツが成功に満ちた新時代にチームを導いてくれると信じて彼をトレードで獲得した。

しかしながら、コルツは9勝8敗で終えた2021年シーズンの最後の試合でそれまで2勝14敗だったジャクソンビル・ジャガーズにまさかの敗北を喫してプレーオフ進出を逃している。それから1カ月後にウェンツはワシントン・コマンダースにトレードされた。アーセイがウェンツ時代はフランチャイズが離れなければならない“間違い”であったと語っていたように、ウェンツはコルツのマネジメント陣から愛想を尽かされたようだ。

ウェンツがいなくなり、コルツはライアンという絶好の機会を見つけている。3月にアトランタ・ファルコンズがQBデショーン・ワトソンの獲得に動いたように見えたのは、ファルコンズが14年間、先発を務めたライアンから離れる意思があることを示しており、コルツはこれを利用したのだ。ワトソンは最終的にクリーブランド・ブラウンズと契約したが、コルツは2022年ドラフト3巡目指名権と引き換えにライアンを獲得することができた。

表面的には、今回のライアン獲得の動きは2020年にQBフィリップ・リバースと契約したときの様子と似ているように見えるかもしれない。ベテランQBのリバースはコルツがこのポジションに対する長期的な答えを見つけるまでのつなぎとして1年契約を結んだ。一方でアーセイは、リバースのときとは異なっており、コルツはライアンに1シーズンだけではなく、それ以降もずっと先発を務めてもらうつもりでこのトレードに臨んだと強調している。

アーセイは「マットはフィリップとは違う。これは間違いなく違う」と語った。「アンドリュー・ラックを獲得したというわけではないが、フィリップとは異なる。フィリップが1年限りの選手であることは分かっていたが、今回は3年くらい活躍する可能性がとても高いと見ている。誰にも分からない。数字で表すのは難しい」

また、ライアンがチームとの短い時間の中ですでに経験とスキルを発揮していることから、コルツは長期的なオプションとしてライアンに信頼を置くことは良い選択だったと信じているようだ。攻撃コーディネーター(OC)マーカス・ブレイディはオフシーズンワークアウト中にライアンが“ものすごくコーチに近い存在”だったと話しており、アーセイは土曜日にその意見に同調して次のようにライアンを称賛している。

「マット・ライアンについては言葉では言い尽くせない。(ジェネラルマネジャー/GM)クリス(バラード)や(ヘッドコーチ/HC)フランク(ライク)、この組織のさまざまな人々の目を見てもらって、マット・ライアンがここにいることで起こっている違いを見てもらう以外は、説明することなどできない。彼のプロ意識も、36歳になっても保っている水準も、そしてここに来たことも、われわれは本当に幸運だ」

ライアンが数年間にわたってコルツでプレーすることが予定されている中で、コルツは次のQBを見つけるまでの間、ずっと切望していた安定した存在を確保できるだろう。

【RA】