ドラフト指名したWRは「全員走れる」とパッカーズHCラフルアー
2022年05月03日(火) 16:312022年NFLドラフト1巡目は現地4月28日(木)に終了したが、その時点でグリーンベイ・パッカーズにワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスの後任はいなかった。
過去3回のドラフトでいずれもクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースにとっての新たな武器を探していたものの、上位指名権を費やしてパスキャッチャーを指名してこなかったパッカーズ。今オフシーズンはアダムスをラスベガス・レイダースにトレードしたため、そのニーズは従来通りあったにもかかわらず、ジェネラルマネジャー(GM)ブライアン・グーテクンストは自らの考えにこだわり、保有していた2つの1巡目指名権をジョージア大学のラインバッカー(LB)クエイ・ウォーカーとディフェンシブタックル(DT)デボンテ・ワイアットに費やしている。
パッカーズは2021年ドラフト3巡目以降、パスキャッチャー(ランニングバック/RBを除く)を指名しておらず、過去2回のドラフトを合わせても2名しかパスキャッチャーを指名していない。この傾向は、金曜日にグーテクンストGMが地区ライバルであるミネソタ・バイキングスとの取引でトレードアップしてノースダコタ州立大学のWRクリスチャン・ワトソンを全体34位で指名したことで終わった。2008年ドラフトでジョーディ・ネルソンに費やされた全体36位指名権がロジャース時代のワイドレシーバーに費やされたもので最も高い指名順位だったが、今回はそれを上回る結果となっている。
『Milwaukee Journal Sentinel(ミルウォーキー・ジャーナル・センチネル)』によると、パッカーズの選手人事担当共同ディレクターを務めるジョン・エリック・サリバンは「つまり、パスキャッチャーが必要だったのは隠すまでもなかった」と述べたという。
実際に、それは隠すまでもないことだった。それでもパッカーズファンにとっては驚くべきことであり、新鮮な出来事でもあった。
また、パッカーズにはスピードが必要だと公言していたヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーにとっても、要望が叶った形となっている。
「確かに、今のロースターを見ると、あのルームにスピードが必要なのは間違いない」と語ったラフルアーHCは「カバレッジのトップを崩せるちゃんとした選手を求めている。その点でかなり優秀だった選手を失った」と続けている。
パッカーズが失った選手とはアダムスに他ならない。今回のドラフトでパッカーズが指名したワトソンとネバダ大学のWRロミオ・ドゥブスは、シニアボウルの練習時に最もスピードが速かった選手のうちの2人だ。
『USA Today(USAトゥデー)』の『Packers Wire(パッカーズワイヤ)』によれば、ラフルアーHCは「全員走れると思う」と話しているという。「時々、40(ヤード走)は過大評価されることがあるし、映像でプレースピードを見ると・・・彼ら全員のプレースピードはかなり良いと思う」
フロントオフィスが映像を確認したときに印象的だった2名の選手を選んだパッカーズは、40ヤード走のタイムよりもプレースピードを重要視していた。そして、レシーバー陣のプレーメーカーを増やすことはもっと重要だったのかもしれない。
2021年ドラフト3巡目指名を受けたWRアマリ・ロジャースは、ルーキーシーズンにオフェンスでプレーする機会をなかなか得られずに苦労してきた。シーズン通算のターゲット数はわずか8回にとどまり、主にリターナーとしての役割を果たしている。そして、アダムスとWRマルケス・バルデス・スカントリングが去った後、パッカーズはWRランドール・コブやアレン・ラザード、今年になってから契約を結んだサミー・ワトキンス以外のオプションを求めていた。
パッカーズはその可能性をドゥブスとワトソンに見出しており、特にワトソンは初日から先発出場すると見込んでいる。また、何よりも重要なのは、パッカーズがロースターにすでにあったものを補完する理にかなったオプションを加えたことだ。
グーテクンストGMは「(レシーバー陣に)競争相手を増やしたのは、本当に重要なことだったと思う。それは達成することができた」と強調している。
その競争はオフシーズンワークアウトから始まり、夏まで続いていくはずだ。ロジャースは新しい名前を覚えなければならず、それは当然ながら旧友との再会よりも難しいことだと考えられるが、ドラフト2日目を迎える前の時点でパッカーズが歩んでいくかもしれなかった別の道よりも、よっぽど良い現実だと言えよう。
【RA】